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当ブログでこれまで何度も主張してきましたが、わたしはウエスタンレッドシダーという木材が大好き。節と木目による表情の豊かさや、独特の色調、そして心安らぐあの匂いが本当に好き。
しかしながら同じくらい主張してきたのが、ウエスタンレッドシダーをDIYでのウッドデッキ製作で使用するのはどうなんだろう?ということ。
ウェスタンレッドシダーは魅力的な木材だし、実際にわたしもウッドデッキやパーゴラで使用しています。けれども、人にお勧め出来るか?と聞かれると……はいそーです!とはなかなか断言できないのが正直なところ。
いろいろとデメリットも多い木材なので、実は玄人向けなのかもしれませんね。
レッドシダーはいろんな場所で使われている
ウェスタンレッドシダーは杉とか松、ヒノキと同じソフトウッド。
密度の低いソフトウッドは屋外で使うと腐りやすいってよく言われているけど、実際のところこれらの木材は屋外を含め本当にたくさんの場所で使われています。
例えば、住宅のウッドデッキ。
わたしの周囲に限って言えば、ウエスタンレッドシダーは住宅のウッドデッキで恐らく最も使われている木材のように感じます。わたしのように自分で施工する場合であればその加工性の良さと軽さが大きなメリットになるのですが、業者さんが施工する場合は何がメリットなんでしょう?やっぱりコストかな?
また、公共の場所では板を並べて作るボードウォークの他、遊具に使われていることが多いですね(ウェスタンレッドシダーではなく、杉とかの場合も多いけど)。
これらの写真の施設が全部ウェスタンレッドシダーかどうかは分からないし、もしかするとただの杉かもしれません。だけれども、いずれにしても木材の優しい雰囲気と遊具との相性がバッチリなのは変わりありません。
親としては割れた場所やササクレで子供が怪我をしないかちょっと心配だけど、木材で出来た遊具なんてそうそう身近にあるものじゃないから、子供の食いつきがもう全然違います。わたしも子供の時はワクワクしながら遊んでいたのを思い出すなぁ。
だからといってデメリットがないわけではない
さて、一般住宅だけではなく多くの公共の場所でも使われているウエスタンレッドシダー。
実際に使われてまくっているんだからデメリットなんてないんじゃない?
って思ってしまうんですが、いやいや、ちゃんとデメリットは存在していて、しかもそれは結構致命的だったりします。
最大の弱点はその軟らかさ
ウエスタンレッドシダーはソフトウッドにしては腐りにくいとされていますが、それは木材としての強度とは全然別問題。ウェスタンレッドシダーは密度の低いソフトウッドの仲間なので、軟らかくて物理的なダメージを受けやすいんですよね。これがわたしの考える最大のデメリット。
なので公共の施設のような人が多く立ち入る場所だと木材が割れたり欠けたりしていることが多いです。
これが理由かは分かりませんが、公共の場所でも比較的新しい施設ではウェスタンレッドシダーなどのソフトウッドを見かけることはかなり稀ですよね。最近の施設ではハードウッドや樹脂系の素材にどんどん置き換わっているようで、ウェスタンレッドシダー等を見かけるのは決まって年季の入った施設ばかり。
もしかすると一昔前は手軽に入手できる材料として需要が高かったのかもしれないけど、管理する側の目の届かないところでいきなり破損するのも怖いですから、より耐久性の高い素材に置き換えられるのは当然の考えでしょう(勝手な予想ですよ)。樹脂系の素材は丈夫だし、絶対に腐りませんからねー。
じゃあ、あまり多くの人が立ち入らない一般住宅では大丈夫だよね?というとそうではなくて、一般住宅でもこの弱点は関係大有りなんです。
そもそも木材って、製作からある程度時間が経つとどうしても多少の縮みが発生してしまいます。この縮みは木材を固定するネジ穴なんかでも生じるようで、施工時はネジに対してピッタリの寸法だったネジ穴が、いつの間にかネジとの間に隙間が生じるようになってしまうんですよね。そうなるとその隙間の分だけ木材が動くようになり、その衝撃でネジ穴を起点にして徐々に木材の割れが進行してしまうようになるのです。
これは人が多く立ち入らない一般住宅のウッドデッキでも十分起こり得ることで、特に人が乗って歩く床板で顕著に起こっちゃうみたい。この現象による割れは耐久性の低い木材ほど起こりやすいので、つまりソフトウッドでは特に起こりやすいと言えます。
結構汚くなります
ウエスタンレッドシダーって経年変化で結構汚くなるんですよね。
原因は良く分からないけど、これも多分”軟らかい”っていう物性が影響しているんだとわたしは思っています。前述の物理的なダメージを受けやすいことに加え、なんだか汚れが染み付きやすいというか……。
予め表面を滑らかに削って汚れが付着しにくくしてやれば、また印象も違うかもしれませんね。
意外と腐らない。でも、腐る
ウエスタンレッドシダーはソフトウッドですが、比較的腐りにくいとされています。あの赤っぽい成分のお陰なんだとか。
わたしに経験上でもこれは多分その通りで、地面に埋めたりしない限りはそうそう腐ることはないと思います。
しかしながら、物理的な破損が生じるとそういった部分は空気中に晒される表面積が増えたり、通気性も悪くなるので、途端に腐食が進行するようにも感じます。実際、腐食により遊具が倒壊、使用禁止になったような公共の施設も見たことがあります。
一般住宅のウッドデッキならそうそうそこまでの状態になることは無いと思うけど、日照条件や通気性が悪い場所で使用する場合は注意が必要ですね。
使用する前に、他の木材も検討してみよう
というわけで、今回はわたしが考えるウェスタンレッドシダーのデメリットについて改めてご紹介させて頂きました。
繰り返しますが、わたしはこの木材が本当に大好き。実際、パーゴラ等で使用していますしね。
しかしながら、物理的なダメージに弱いといった大きな欠点もある木材です。その欠点を把握した上で敢えて使うのであれば何も申しませんし、例えば高い場所やフェンスなどであればその軽量さを活かすことすら出来るでしょう。
しかし、使用の理由が材料費を下げる為ということであれば、わたしは大いに引き止めたいと考えております。
というのも、ウェスタンレッドシダーって別にそれほど安い木材ではないんです。確かにイペのような高級なハードウッドと比較すると安いんですが、サイプレスのようなもっと硬い木材も同価格帯であります。また、実はウリンなどの優秀なハードウッドとの価格差も意外とありません。
ウェスタンレッドシダーはホームセンターでも購入できる手軽さからとても手を出しやすい木材ですが、使用する前に是非他の木材も検討してみてはいかがでしょうか?