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お洒落なお庭造りに必要不可欠な資材と言えば、レンガ。
和風なお庭に合わせるのは少し難しいけど、洋風なお庭やナチュラステイストなお庭にはとっても似合いますね。
しかしながら外構屋さんにレンガを使用したお庭の見積もりを取ったことがある人なら分かると思うのですが、レンガのお庭ってむっちゃ高いんですよね・・・。
わたしはその見積もり金額の高さの前にあっけなくレンガを使用したプランを断念、そしてDIYでの施工に切り替えたのです。
レンガのDIYを実際にやってみると、材料は決して安くないことに加えて施工も非常に手間暇掛かって大変だということが分かりました。あの見積り額の高さも今では納得です。
今回はそんなレンガのDIYの中でも、わたしが特に頭を悩ましたレンガの切断方法についてご紹介します。
今では100%に近い確率で綺麗に切断できる方法に辿り着けましたが、そこに至るまでには紆余曲折があったのです。
レンガの切断が必要となる理由
切断方法の紹介に入る前に、なぜわざわざ高価なレンガを切断する必要があるかについてご説明します。
と言ってもその理由は非常に簡単で、ずばり切断しないとレンガを上手く設置できないからです。
市販されている大多数のレンガは規格化された一定の大きさなので、必ずしも都合よく施工場所にぴったりと収まるわけがありません。
例えば、フェンスの基礎のこの白いレンガ。元の大きさではどう考えても収まらないので、半分くらいの長さに調整しました。
こういう不規則な形の接合部分ではより複雑なカットが必要になります。片方のレンガは1カットだけですが、もう片方のレンガは2カットして上手く接合するようにしました。
頑張って工夫をすればレンガを切断することなく、元々の形だけでお庭を作ることもできるかもしれません。しかしながら、その場合デザインの制約はとても強くなります。
これらの事例のように、レンガを単純な直線状にカットできるだけでもぐっとデザインの自由度が増えるのです。
さぁ、一歩を踏み出してレンガを切断してみましょう!
王道の方法?タガネを使った切断
タガネを買ってこよう
よし、レンガを切ろう!
そんな想いが芽生えた数年前の私は、早速レンガに関するDIY本やブログ記事を読み漁ったものです。
わたしはごく普通の会社員で、それまでレンガを買ったことなんてありません。レンガが切断できるものであるということすら知りませんでした。
そんなウブなわたしが本で得た知識は、レンガの切断には "タガネ" という道具を使うらしいということ。
しかし、タガネというものを使うことは分かったものの、ウブなわたしはそもそもタガネという物が何かも分かりません。更に調べてみると、タガネとは刃物の一種でチゼルと呼ばれることもある道具のようです。石とかレンガに使用することもあるけど、どっちかというと金属加工がメインの道具とのことです。
タガネが何か分かったところで、早速近所のホームセンターで買ってきました。もちろん、赤い方がタガネです。
家の周りのホームセンターではどこでも売ってましたが、普通の工具類からは少し離れた、あまりお客さんのいない通路にあることが多いみたいです(建築業者さん向けの道具が並んでいる棚と言えばわかりますか?)。
そんな売り場には普段行くことがないもんですから、結構探しました。
タガネでの切断は無理ゲー!!
で、この道具をどう使うかというと、先人達の説明によると切断したい部分にタガネを当て、ハンマーでコンコンと軽く叩くだけ。それをレンガの切断面を変えながら少しづつ行っていくようです。
"軽く" とか "少しづつ" とかいう言葉の曖昧さのせいでどの程度の力でやればいいかが全く分かりませんが、とにかくやってみないことには分かりません。集中して早速やってみましょう。
そして、その結果はこちら。
はい、割れました。
もちろん大失敗。
いやぁ、30分位コンコン叩いても全く割れそうな感じがしなかったから、痺れを切らして勢いよくハンマーを振るうとあっけなくバキッと割れてしまいました。
その後何回もチャレンジしましたが、全くうまくいかず。
注意
結論:こんなもん、素人がパッとやってできる作業では絶対ない。
熟練の技術を持った職人さんがよく手入れされた道具でやればできるかもしれませんが、ど素人のわたしには絶対無理!
というわけで、タガネでの挑戦は早々にギブアップすることとなりました。
石材用切断砥石を使った切断
次なる一手は、卓上丸ノコに石材用の切断砥石をセットする方法。
木材加工の際にも愛用しているこの格安卓上丸ノコ。
普通の丸ノコと違って何かあっても機械が暴れないのでとっても安全な道具です。安全第一のDIYでは必要不可欠な道具と思っています。
いつもはチップソーで木材を切断していますが、今回は石材用の切断砥石をセットしてレンガを切断してみましょう。
入手した石材用の切断砥石は直径180mm。近くのホームセンターでは売っていませんでしたので、ネットショッピングでお取り寄せ。
結論から言うとこの切断砥石で綺麗に切断はできた。
しかしこのタイプの切断砥石は ”切断する” というよりかは ”削って切る” という感じなのでレンガの粉塵がものですごいです。
もう、2度とやりたくないレベルですげぇ。
粉塵が凄すぎて口の中はじゃりじゃり、髪の毛バッシバシ状態。作業写真なんて、とても撮れる状態ではありません。
また、削るということは刃も摩耗します。あっという間にちびてきます。
こちらは10カット位使用した後の切断砥石(元々は直径180mm)を直径195mmのチップソーの上に重ねた写真なのですが、どう見てもその差は15mm以上あります。切断砥石、むっちゃちびてます。この切断砥石はそれ程高価ではない砥石ですが、それでもこんな簡単にちびるようではコスパが悪いと言わざるを得ません。
加えて、この方法では卓上丸ノコの安全カバーがレンガに当たって作業性が悪いのも難点です。切断できるレンガの厚みや切断の角度に強い制約が掛かってしまうのです。
辿り着いた方法はダイヤモンドカッターでの切断
悩んでた時期にホームセンターで見つけたこちらのダイヤモンドカッター。
このダイヤモンドカッターという道具はどこのホームセンターにでも並んでいますので当然その存在は知っていたのですが、ド素人でもその危険さが容易に想像できてしまうことから避けていた道具です。ただでさえ怪我の原因となる工具の常連であるディスクグラインダーに、金属製の刃を取り付けるのです。何かあったら控えめに考えても指は持っていかれそうな危険な組み合わせ・・・怖い!!
そんな危険な道具ですが、綺麗にレンガを切断できなくて悩んでいたことと、たまたま訪問したホームセンターで在庫処分品を発見したのでついに購入に踏み切ったのです。処分価格とは言え、それでも3,180円。普通の切断砥石と比較するとずいぶん高額な工具です。
ダイヤモンドカッターでの切断方法
ダイヤモンドカッターを使うのはむっちゃ怖いですが、それでも買ってしまったからには実際に使用してレンガを切断してみましょう。
今回切断するのはこのアンティークレンガ。元々はこのように細長い形状なのですが、これを半分の長さにしたいと思います。
まずは切断したい部分を油性マジックでグルっと1周マーキング。
レンガの場合鉛筆とかボールペンでは分かりにくいので、わたしは油性マジックを愛用しています。レンガの切断は”切断”というよりかは”削り切る”ような感じなので、切断後はマーキングした部分は根こそぎ無くなります。なのでマーキングの線は多少太くても大丈夫。
ダイヤモンドカッターを適当なディスクグラインダーに装着し、レンガの周囲を刃が届く範囲でぐるっと切り込みを入れます。
って、サラッと書いてますがやっぱりディスクグラインダーとダイヤモンドカッターの組み合わせは超怖いです。ディスクグラインダーって大きな音がするし、卓上丸ノコ(+切断砥石)の時と同様に凄まじい粉塵が襲ってくるし、とても写真を撮ってる余裕なんてありません。
"もう2度とやりたくないレベル" ではなくて "今すぐ辞めたくなるレベル"。
グルっと一周切り込みを入れたら、そのレンガを適当な木材の上にレンガを置いて、タガネを当てがい、ハンマーをえいやっと振り下ろします。
すると切り込みをきっかけにパキっと割れた!!すごい!綺麗!
断面を見ると、ダイヤモンドカッターによる切断は”割れ”のきっかけを作っている程度の浅さであることがよく分かりますね。
ダイヤモンドカッターは一般的なディスクグラインダー用なら直径100mmなんですが、レンガに食い込む刃の深さはせいぜい40mm程度。薄いレンガでなければ切断には至りません。
しかしながらこれだけの溝があれば、素人には全く使いこなせないタガネでもこれだけ綺麗に切断できるようになるのです。せっかく購入したタガネが無駄にならなくてよ良かった・・・。
今すぐ辞めたくなるレベルの作業とは言ったものの、自分でやらないことには費用を節約することはできません。
また、これだけ綺麗に切断できるとなるとテンションも上がりますので黙々とレンガを切断していきます。この方法はとにかく作業が早く、慣れればレンガ一個切断するのに2分も掛かりません。あっという間に切断したレンガの山を築くことができます。
こうして切断したレンガを使って花壇を作ってみました。
左側が元々のレンガをそのまま使った花壇。そして右側がそのレンガを半分の長さにカットして作った花壇です。切断面は少し荒れますが、その切断面は地面側に配置しているのでごく自然な仕上がりになっています。
まとめ
というわけで、今のところはレンガの切断方法はダイヤモンドカッターを使用した方法が一番だと考えています。
切断の成功率と仕上がりの綺麗さは抜群。数十個のレンガをこの方法で切断してきましたが、一回も失敗したことはありません。タガネのように熟練の技術も不要なので、まさに素人にはうってつけの方法ではないでしょうか。
しかしながら、大量の粉塵がでる、どう考えても危険な道具を使う、というデメリットがあります。特に安全性についてはDIYでは最も大切なことなので、危ないのはちょっと・・・と思った人にはお勧めできません。
そういう人には、カットだけプロにお願いするという方法もあります。
施工場所に合わせたドンピシャなカットは流石に無理ですが、単純なカットであればレンガ発注時にオーダーできる場合もあります。自分に合ったレンガの切断方法で、レンガを使ったDIYに挑戦してみては如何でしょうか。
こちらはレンガ専門業者様によるカット。レンガのオーダー時にカットもセットでオーダーしました。1つのレンガを1/2の薄さにスライスしています。今回ご紹介した切断方法ではとてもできない切断方法ですね。
切断面は無茶苦茶綺麗。多分、相当でかい刃を使ってスライスしているのでしょう。これこそまさにプロのお仕事ですね。