Contents
ウッドデッキをもっと快適に、もっとお洒落にする為の様々な作業を紹介する『素人でもできるウッドデッキ製作(応用編)』。
第2回目となる今回のテーマは目隠しフェンス。
屋外に設置されているウッドデッキをプライベートな空間に変化させることができる目隠しフェンスは、これまでわたしが行ってきた作業の中でも最も満足度が高い作業の一つ。
目隠しフェンスはかなり大きな物なので材料費はやや高額ですが、ウッドデッキが敷地外から丸見えの人には是非ともオススメしたい作業です。
目隠しフェンスが必要な理由
ウッドデッキって、当然のことですがお庭の地面や周囲の道路よりも高い位置に床がありますよね。
デッキだからこれは当然のことなのですが、その上に立つと意外と周囲からの視線が気になるもの。これって、ウッドデッキが完成して初めて気が付く人が多いかもしれません。ウッドデッキの設置場所や周辺環境にもよりますが、さながら住宅地の中のお立ち台のように感じるかも。
通りすがりの人なんて、わたしがウッドデッキの上で何してようが気にしないでしょ?って当初は思っていたのですが、そんなことは全くありません。
住宅地を歩いていて、道路よりも少し高い位置に人が居て何かしているのに気が付いたら、例え興味がなくともなんとなく視線を向けてしまうのは当然のこと。間違いなく、わたしが通行人なら見ちゃいます。
そのような視線に晒されることを気にしない人なら別に良いのですが、大多数の人にとってはあまり好ましいことではないはず。そんな状態ではウッドデッキで積極的に何かしようという気にはならないでしょう。せっかく作ったウッドデッキで、やりたいことが出来きないのは大問題ですよね。
そんな問題を解決してくれるのが目隠しフェンス。
外部からの視線を遮る目隠しフェンスを設置することで、ウッドデッキをプライベートな空間に変身させることが出来るのです。
設置はウッドフェンスよりも簡単
ウッドデッキの端っこに、視線を遮る目的で設置するのでわたしは『目隠しフェンス』って呼んでますが、物自体はいわゆる『ウッドフェンス』と同じもの。
違いはそれがウッドデッキの一部か、それとも直接地面に埋めて設置しているか、だけ。
それだけの違いなんですが、設置の難易度は両者じゃ段違い。
地面に埋めて設置するウッドフェンスはその重量と横風による力を柱の根元だけで支えないといけないので、巨大な基礎が必要になります。ドン引きするくらい、デカいです。我々素人には必要となる基礎の計算どころか、基礎を設置する為の巨大な穴掘りですら難易度がとても高い作業です。
一方で、同じようなフェンスでもウッドデッキの一部として設置する目隠しフェンスは、横風による力は巨大なウッドデッキでどっしり支えることが出来ます。横方向に支えがあるイメージですね。
なので、今回は巨大な基礎は必要ありません。支柱を地面に埋めてコンクリートでがっちり固定する作業がないので、それだけで設置作業の難易度はぐっと低くなります。我々素人でも十分設置が可能なのです。
目隠しフェンス設置作業の手順
まず、支柱を立てます
目隠しフェンスを作るには何はともあれ支柱が必要。
そんな支柱は、ウッドデッキの束(柱)をそのまま上方向に延長して使用するのが一番簡単な方法でしょう。※ 『束』って何?という方はこちらの記事を参考にして下さい。
束はウッドデッキの組み立てで一番最初に作業する部分なので、目隠しフェンスを設計しようとするのであれば、ウッドデッキ製作時…いや、もっと前の設計の段階から準備する必要があります。
ウッドデッキ完成後でも設置出来ないことはないですが、ウッドデッキの下に潜り込んだりしないといけないのでかなり大変な作業になっちゃいます。
なお、わたしは変則的な方法ですがこのようにフェンスの支柱をウッドデッキの束とは別に設置したこともあります。この場合、支柱はウッドデッキの構造材である根太や根がらみ(大引き)を利用して固定します。
このような方法でもがっちりと固定することは出来たので特に問題は無かったのですが、思いっきり揺らしてみると束を延長したタイプよりも剛性が劣るように感じました。フェンスの高さが高い場合などは、やっぱり束を延長して支柱にした方が安心だと思います。
また、このような角材を直接ウッドデッキの床板に固定するような金具も市販されています。見た目は少し気になりますが、手軽なうえに安価なのがいいですね。
フェンス横板を張ります
支柱さえ立てることが出来れば後はその支柱にフェンスの横板を張り付けていくだけ。
横板の張り付け方にもいろいろあってセンスが問われるところだけど、わたしは支柱を目立たせるような張り付け方にしています。
このデザインが好き!というのもあるけど、この方法なら支柱毎にフェンス横板が途切れているので、後々ウッドデッキやフェンスを拡張する時に簡単に延長出来るというのが一番の理由です。
ウッドフェンスの製作方法としては一般的な支柱の上に板を固定する方式だと、予めフェンスを張り付ける範囲を決めておく必要があります。この方式だとフェンスの横板がずーっと端から端まで連続したデザインなので、どうしても途中で”とりあえず終わっておこう”ということが出来ないのです。
フェンスの横板なんですが、支柱の横側に取り付けた細い角材に取り付けています。この角材は厚み38mm×幅90mmの木材を半分に切断し、厚み38mm×幅45mmに加工したもの。
また、支柱の間隔があまり長いとフェンスの横板が経年変化で反ったりして暴れるので、途中にはサブ支柱のような補強を入れました。
感覚的にはフェンスの幅が1,200mm幅程度であれば全く不要だと思いますが、1,800mm程度なら入れた方がいいかと思います。しかしながら絶対必要というものではないので、多少板が反るくらい気にしない!!という人ならなくてもいいかもしれません。
フェンスの横板の間隔は、わたしはこのようにフェンス板一枚分の隙間にしています。理由は…きっちり隙間を揃えるのに何かいい道具か基準となるものがないかな~、と探した時に真っ先にこの板が目についただけ。そんな適当な決め方でしたが、今となってはわたしにとってベストな間隔だったと自画自賛しています。たまたまですが…。
フェンスの横板の間隔はデザイン・防犯性・目隠し性能といった多くのことに影響を及ぼすので、とても悩ましい問題です。わたしのように適当に決めず、しっかり考えた方が良いでしょう。
目隠しフェンスの設置費用
わたしが施工した時のおおよその費用です。
この金額は、フェンス幅1,200mm~1,500mm、高さ1,400mm程度の場合の価格で、幅5,000mm程度の施工だとこの金額の3倍程度、幅10,000mmだとこの金額の8倍程度掛かるということです。
材料 | 単価 | 本数 | 金額 |
---|---|---|---|
サイプレス (厚み20mm×幅105mm×2,900mm) |
約2,000円 | 5本 | 約10,000円 |
サイプレス (厚み90mm×幅90mm×3,900mm) |
約9,000円 | 1本 | 約9,000円 |
サイプレス (厚み38mm×幅90mm×2,100mm) |
約2,000円 | 1本 | 約2,000円 |
合計 | 約21,000円 |
わたしはコストパフォーマンスに優れるサイプレスを使用しましたが、ウリンなど高価な木材を使用すれば費用はもっと上がります。
しかしながらウッドフェンスは通気性が良くて乾きやすい部位なので、ハードウッドよりも安価な木材であるウェスタンレッドシダーで施工をしてみても良いかも。
-
『ウェスタンレッドシダー』を実際に使って分かった素人目線のメリット・デメリット
Contents1 ウェスタンレッドシダーってなに?2 ウッドデッキの材料では珍しいソフトウッドです3 ウェスタンレッドシダーのメリット4 ウェスタンレッドシダーのデメリット5 ウェスタンレッドシダー ...
目隠しフェンスは防犯対策に注意
目隠しフェンスはプライバシーを高めるのに非常に有効な物なんですが、だからといってガチガチに隠すと防犯性が悪くなります。
特に泥棒の侵入経路となる窓辺を外部の視線から完全に隠すのは大変危険。
対策は目隠しフェンスの設置場所や環境に大きく左右されるので一概には言えません。しかしながら、
- フェンスの横板の間隔を広くとる
- フェンスの足元を大きく開ける
- フェンスの高さを低くする
- 建物・窓の方の防犯対策を強化する
- フェンスをわざと部分的に設けない
などなど、少し考えただけでも様々な方法が思いつきますので、自分のウッドデッキの使用用途や設置環境にあわせて考えてみましょう。ウッドデッキで寝転びたい!昼寝したい!!という目的があるのに、防犯の為にフェンスの足元を大きく開けたら本末転倒ですよね。
わたしの場合は、フェンスの高さを窓の鍵の高さ以下に抑えることと、外部からも角度によってはフェンス内部が見えやすいように視線の抜け道を設けることの2点を実践しています。
目隠しフェンスでお洒落さもアップ
目隠しフェンスは外部からの視線を遮ることが一番の目的ですが、お庭に立体感が出来るというメリットもあります。つまり、何もしなければ平面であるお庭に、お洒落な木の壁が出来るということ。
この木の壁を使って何をするかは、まさに各々のセンス次第。
ハンギングバスケットをぶら下げて寄せ植えに挑戦するも良し。ズボラなわたしはすぐに水切れを起こしてしまうので寄せ植えが凄まじく苦手なんですが、アイビーのように垂れ下がるように伸びる植物はウッドフェンスとの相性がすごく良さそう。
もしくは、蔦性の植物を這わせて緑いっぱいのお庭にするのも良いですね。お洒落さよりもついつい実用性を重視してしまうわたしはパッションフルーツやゴーヤをよく絡ませています。
これは目隠しフェンスじゃなくてウッドフェンスですが、このようにバラやクレチマスのような花を楽しむ植物を誘引するととってもお洒落。
まとめ
目隠しフェンスにはメリット・デメリットがあります。
ポイント
【メリット】
- ウッドデッキをもっとプライベートな空間にしてくれる
- 立体的なお庭にできる
【デメリット】
- 防犯性が低下する恐れがある
- 費用は高額になりがち
ウッドデッキの使用目的や設置場所などの環境に左右されるので、目隠しフェンスが絶対必要だ!とか、防犯の観点から絶対辞めるべき!とか一概には言えないのが難しいところ。
わたしは目隠しフェンスを設置して心から良かったと思っていますが、費用も高額になりがちな大物ですので、しっかり考えてからの設置をお勧め致します。設置作業自体は単純なものですので、ウッドデッキを製作できる人なら何ら問題なく施工できますよ。