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ウッドデッキの材料として使用される木材には多くの種類がありますが、一般住宅用のウッドデッキではどの木材が一番よく使われているのでしょうか?
あくまでのわたしの友人・知人の家のウッドデッキを見せて頂く限りの話ではありますが、わたしの感覚としてはウッドデッキの材料として最も使用されているのは「ウェスタンレッドシダー」のように感じます。
わたしの周囲ではわたしのように自分でウッドデッキを作るタイプの人はおらず、外構屋さんやハウスメーカーにオーダーして作ってもらっている人ばかり。でも、どうしてウェスタンレッドシダーが多いんだろ?と気になったので、友人の1人にどのようにして使用する木材を決めたのか聞いてみると、
ウッドデッキが欲しいです
↓
材料は、人工素材か天然素材、どっちにします?
↓
天然素材で!
という流れで、なんと素材についてはほとんど打ち合わせすることなくウェスタンレッドシダーのウッドデッキが出来上がったんだとか!
ちなみに、その友人は天然素材の木材にいろいろな種類があるのは知っているけど、特にこだわりも無いし、材種が違ったら何が違うかなんてさっぱり知らないとのことです。
確かにウェスタンレッドシダーはそこそこ腐食しにくいとされているわりには、木材の価格が比較的安い(それでも高いけど)ので、家庭用ならば業者さんも提案しやすい木材なのかもしれません。
このようにして業者様からの提案や見積り金額だけで材料の木材を決めている人って、結構多いんじゃないでしょうか。
しかしながら、木材にはその木材特有の性質から生じるメリットとデメリットがあるものです。完璧な素材なんてそうそうありません。
普通の人が木材に関する知識がないのは当たり前ですが、長く付き合うことになる自分の家のウッドデッキに使われる木材のメリット・デメリットを知らずにオーダーするのは、あまり好ましいことではないですよね。
そこで、今回はウッドデッキの材料としては一般的な木材の一つである「ウェスタンレッドシダー」について、そのメリット・デメリットを交えてご紹介したいと思います。
ウェスタンレッドシダーってなに?
ホームセンターではベイスギ(米杉)という名称でも売られている、結構身近な木材です。
「米杉」と書くくらいだから、アメリカ産の杉かな?と思いきや、杉ではありません。
杉が、ヒノキ科-スギ亜科-スギ属-スギ という植物に対し、ベイスギは ヒノキ科-クロベ属-ベイスギ という、近いのか遠いのかよく分からないけどとりあえず違う植物です。
亜科が違うということは、人間とゴリラの違い以上に違うみたい。そう考えると、全然違う!
ちなみに、ウェスタンレッドシダーという方の呼び方の「シダー」は、マツ科ヒマラヤスギ属のことを指すみたいで、これはもっと違う植物のこと。科が違えば、人間とテナガザルくらい違う。やっぱり、全然違うじゃん!
名称って案外適当なもんなんですね。
このウェスタンレッドシダーという植物・木材ですが、難しいことを抜きにして一言で言うと、外国産の杉っぽい木材です。
色味は赤っぽい茶色。…なんだけど、色の濃さは結構バラツキが大きい印象があります。また、本当に同じ木材?と思うような白っぽいやつもよく見かけます。
この色味なんですが、屋外で使用すると暗褐色に変化します。元の色味からの変化がかなり大きいので、色味にこだわる人は要注意!!
ウッドデッキの材料では珍しいソフトウッドです
屋外での耐久性の高い木材と言えばウリンやイベなどのハードウッドですが、このウェスタンレッドシダーはソフトウッドです。
ソフトウッドというのは針葉樹由来の木材のことで、木材の密度が低いのが大きな特徴です。つまり、柔らかいんですね。
密度の低さは加工性が良いというメリットになるのですが、一方で腐食に弱いという、屋外で使用するには無茶苦茶大きなデメリットがあります。ですので、屋外でソフトウッドを積極的に使うことはあまりありません。
しかしながら、このウェスタンレッドシダーは防腐・防虫効果のあるフェノールという成分を多く含むため、ソフトウッドでありながら腐食に弱くないという性質があります。その為、ウッドデッキの材料として使用されることが多いんですね。住宅の材料として外壁や土台、水回りに使用されることも。
なお、ウェスタンレッドシダーと同様に外国産針葉樹由来の木材として「サイプレス」があります。
サイプレスも樹種の分類上はソフトウッドですが、一方で密度はソフトウッドと呼ぶにはとても高いのでその点で言えばハードウッド。結局どっちやねん!という感じの木材ですが、加工性や木材の軽さに関しては圧倒的にウェスタンレッドシダーの方が勝ります。サイプレスの使用感は間違いなくハードウッドですね。
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ウェスタンレッドシダーのメリット
ウェスタンレッドシダーにはいろんな特徴がありますが、わたしが実際に使ってみて感じたこの木材のメリットは、
- 比較的リーズナブルな値段
- ホームセンターでも売ってる入手性の高さ
- 加工性の良さ
- 軽い
の4点。
この4点から言えることは、DIYでもとても挑戦しやすい木材ということ。
リーズナブルな価格はチャレンジしてみようという気にさせてくれるし、実際にホームセンターで現物を見て購入することが出来ます。加工性が良いので強力な電動道具を持っていない人でもサクサク作業を進めることが出来ます。更に、軽さは1人で作業することが多い素人DIYでは大変魅力的な特徴。木材を1人で楽に持てるって、とっても大切なことですよ。
柔らかくて加工性が良いので、ノコギリでギーコギーコやっても切断することが出来ます。高価な電動工具を持っていない人でも安心!気軽にチャレンジ出来ますね。
と、ついついDIYでチャレンジする目線でのメリットの紹介ばかりになってしまいましたが、加工のしやすさや材料の価格の安さといった特徴は、外構屋さんなどのプロにオーダーした場合でも施工費用を比較的抑えることができることに繋がります。ウッドデッキって高価なものなので、少しでも安いのは助かりますね。
しかしながら、その”安さ”も将来的なメンテナンス費用まで含めると、あまりメリットととは言えないかもしれない点に注意が必要です(詳しくはデメリットの項目でご紹介)。
なお、このウェスタンレッドシダーは木目や節が多くあり、表情豊かな木材。
ハードウッドのようなきめ細かな木質もいいですが、いかにも「木」と言った感じの見た目は温かみがあっていいですよね。わたしは大好きです。この見た目が好きなら、業者さん製作のウッドデッキでも使用するメリットがありますね。
ウェスタンレッドシダーのデメリット
DIYでチャレンジするのにぴったりな特徴を多くもつウェスタンレッドシダーですが、メリットがあればデメリットもあります。わたしが考えるウェスタンレッドシダーのデメリットは、
- 耐久性はハードウッドと比較するとイマイチ。傷がつきやすい
- 耐久年数は短い
- 塗装は塗料がむっちゃ必要
- 材料の品質のバラツキが多い
の4点。
この木材のデメリットを一言で言うのであれば、ソフトウッドであること。これに尽きるでしょう。
ウェスタンレッドシダーは防虫・防腐効果のある成分を多く含むことで、ソフトウッドにしては耐久性が高いとされています。しかしながら、防虫・防腐に優れていても、密度の低さが変わるわけではありません。密度が低く、柔らかい木材なので物理的なダメージには明らかに弱いです。その為、ほとんどのウッドデッキ材販売サイトでは、その耐久年数はハードウッド各種よりも明らかに短くなっています。
柔らかいので、物理的なダメージには弱め。いや、弱すぎ!結構簡単に傷が付くので、土足で上がるような床板にはあまりお勧めできません。
柔らかさと関係ないかもしれませんが、こういったなんか汚い感じの木材も多く混じっているように感じます。汚れが染み込みやすいから?
”割れ”自体はソフトウッド、ハードウッド問わず木材では避けられない問題ですが、ソフトウッドの割れはそこから雨水などの水気を吸収しやすいのでどんどん悪くなっていくように感じます。か、勘弁して下さい!
耐久性が高くないことを裏付けるように、わたしがこれまで公共の場等で見てきたウェスタンレッドシダーと思われるウッドデッキは、その多くがダメージを受けていました。
シロアリが湧かなくても木材は朽ち果てるものです。もちろん使用する環境やその後のメンテナンス次第ではありますが、いずれは作り直しが必要になるタイプの木材と考えておいた方がいいかもしれません。
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わたしは少しでも長持ちして欲しいので屋外で使用する木材には必ず塗装をするようにしていますが、このウェスタンレッドシダーは他の木材と比較すると無茶苦茶塗料を必要とします。
これは多分、密度が低いことでたくさん塗料を吸い込むからなんでしょうが、体感的にはハードウッドの2~3倍ほど塗料が必要な感じ。定期的にメンテナンス(=再塗装)が必要なタイプの木材なのに、この塗料の消費量はかなり厄介な問題です。メンテナンス費用がかさむことを考えると、ハードウッドとの価格差なんてすぐ無くなるんじゃないの?と感じてます。
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ウェスタンレッドシダーについてまとめ
ウェスタンレッドシダーは防虫・防腐に優れる柔らかい木材なのですが、その柔らかさは加工性の良さなどのメリットがある一方で、傷みやすいというデメリットもあります。
DIYで挑戦するには最適な木材ではありますが、メンテナンスはハードウッドよりも求められる点は注意が必要です。
業者さんに製作をオーダーする場合は、耐久性の低さやメンテンナンスについての説明はしっかりして頂きましょう。それらの特徴が自分に合っているなら良いのですが、不安が残るなら違う木材を選んだ方がいいと思います。
わたしの場合、ウェスタンレッドシダーはその軽さを活かしてパーゴラなど高い部分を中心に使用しています。高い部分を軽くすることが出来れば地震などの揺れにも強いし、そもそも高い部分であれば水気や物理的なダメージも少ないので痛みにくいからです。
木材自体の価格はハードウッドよりも安いですが、将来的なメンテナンス費用や、痛みが激しくなった時の修繕や作り直しを考えると価格的なメリットはあまりなさそう。むしろ、結果的には高くつくかも。
ですので、この木材を選ぶときは価格面ではなく、その性質が自分や使用箇所にあってるかどうかで判断した方がよいでしょう。
■2019.09.16追記
4年半使ってみてどのような変化があったのか下記投稿にまとめていますので、併せてどうぞ!