素人でもできるウッドデッキ製作

8年間でのウッドデッキの劣化具合とDIYでおこなうメンテナンスの方法


ウッドデッキは木材で作るからウッドデッキというのだけれども、木材で作るとどうしても木材の腐敗やメンテナンスが必要になる点がデメリット。だから最近はウッドではない人工系の素材で作ることも多いようですね。機能については人工系素材の方が優れているんだろうけど、やっぱり本物の木材の質感と雰囲気も捨てがたい!だから未だに本物の木材の需要があるのですね。

だけど、木材で作ったウッドデッキが経年でどの程度腐敗するのか?またどれくらいの頻度でどのくらいのメンテナンスが必要になるのか?なんて作る前にはなかなかわかりませんし、あんまり教えてももらえません。たぶん作る方もよくわかっていない?

わたしもこれまで分からなかったんですが、分からないまま我が家のウッドデッキは設置して8年ほどが経過。あくまで我が家のウッドデッキでの話にはなりますが、製作後初めてとなる大規模なメンテナンス作業と各部のチェックをおこないましたので、その結果とメンテナンス方法について紹介します。

感覚としては、ハードウッドで作っていればウッドデッキってほぼ一生ものなんじゃない?って感じています。

 

設置から8年経過した我が家のウッドデッキの状態

おさらいになりますが、我が家のウッドデッキは8年前(パーゴラ部分を含めると10年前)から段階的に作ってきたもの。

 

こちらは8年前の製作途中の様子。当たり前ですが、めーっちゃ綺麗。これだけの美しさがずっと続けばいいのに。

材質はパーゴラ部分がソフトウッドであるウェスタンレッドシダー。そしてウッドデッキの大部分はサイプレスです。サイプレスは針葉樹だけど密度は高いというちょっと変わった木材で、分類方法によってはソフトウッドに分類されたりハードウッドに分類されたり。

 

そんな我が家のウッドデッキ。製作から8年経過したあとの状態がこちら。

色が全体的に茶色っぽさが失われて銀色っぽくなっているのは紫外線による木材の変色によるもの。これは避けられないことだからいいんだけど、気になるのは画像での左半分部分。フェンス付近の黒ずみ。

 

こちらはとくに黒ずみが酷い箇所。陽当りの悪い部分ほど黒ずみも酷い気がします。

この黒ずみ部分は雨に濡れるとちょっとヌメヌメするので、おそらく藻の類だと思うんだけど、とにかくこのままだと木材の腐敗を早めてしまいそうな雰囲気。フェンスが近くにあるかないかだけでこれだけ状態が変わるんだから、木材が周囲の環境によってどれだけ影響を受けるのかがよく分かりますね。

 

ただ、幸いなことに8年間ずっとこのような状態だったにも関わらず、この黒ずみ部分の木材にとくに腐敗は見られませんでした。針葉樹とはいえ、さすがは密度の高い木材。杉やウェスタンレッドシダーといった柔らかい系の木材だとこうはいかなかったかもしれません。ソフトウッドは端っこやビス止めしている部分などから欠けが発生し、その欠けた部分から腐敗が一気に進行することが多いのです。

 

ただ、長年サイプレスを使っていて思うのが、サイプレスってめっちゃ割れやすいんです

こちらはフェンスの一番上の部分(笠木)なんだけど、このとおりがっつり割れちゃっています。固い木材なので、割れた部分はめっちゃ鋭利で非常に危険。ほんとうは見つけ次第補修しなきゃいけないんだけど、ついつい放置しちゃうんですよね・・・。割れやすいといっても割合的には10本に1本くらいで全部が全部というわけではありません。だけどウリンではこのような割れは全く発生していませんから、サイプレスとウリンを比べるなら今では断然ウリン派です。重いけど。

 

また、笠木を中心にこのようなウネウネ模様が発生しています。これはナメクジでも這った跡なんじゃね?って真剣に考えていた時期もありますが、おそらく雨水による塗装の劣化なんじゃないかと今は思っています。原因はなんであれ、見た目が悪いのでどうにかしないと。

 

パーゴラ部分の支柱はこのウッドデッキで一番最初に作った部分であり、ソフトウッドであるウエスタンレッドシダーで作られています。

ソフトウッドだし、当時は基礎パッキンも使っていないし、どれくらいもつんだろう?って一番心配している部分。しかしながら、今回確認した限りでは意外と全然綺麗。わたしのこれまでの経験上、ソフトウッドは雨風よりも物理的な衝撃に弱いのです。だから人が触れるような床板にはまったく向かないけど、人が触れないような場所でかつ通気性と日当たりがよい場所であれば全然長持ちするのではないでしょうか。もちろん可能であれば、ハードウッドで作るに越したことはありません。

 

ウッドデッキのメンテナンス作業

サイプレスで作った箇所の一部木材が割れている程度で、とくに腐敗などは発生していなさそうな8年経過した我が家のウッドデッキ。しかしながら表面の塗装が損なわれていたり、ヌメヌメしている部分があったりするので、それらの補修を中心にメンテナンスをしてあげましょう。

 

高圧洗浄機を使った洗浄と古い塗装の剥離

というわけで、最初におこなうのは高圧洗浄機による洗浄。黒ずみや黒いヌメヌメを落とすのが目的です。普通のブラシでも落とすことはできるんだけど、せっかく高圧洗浄機があるんだからうんと楽させてもらいましょう・・・って、あれ?

黒いヌメヌメだけじゃなくて、なんか表面の塗装まで剝がれている!!??高圧洗浄機を使った場所は綺麗になるだけではなく、明らかに他の場所とは違う色へと変わっていきます。

なんでこんなことになるんだろう?と考えてみた結果、その理由はこれまでおこなってきた塗装の重ね塗りが原因なんじゃないかと予想しています。というのも、これまでこのウッドデッキのメンテナンスはほぼしてこなかったんですが、数年おきに塗装が薄くなった場所に塗装の重ね塗りだけはしていたんです。

ウッドデッキの再塗装をするときはまず古い塗装を削り落とすのがオーソドックスな手順ですが、わたしが使っている塗料は浸透性塗料。木材にしっかり染み込んで一体化するはずなんだから、削り落とす必要なんてないんじゃね?って思っていたんです。もちろん、削り落とすのが面倒臭すぎてやりたくないっていうのが最大の理由なんですけど。

だけどこうやって高圧洗浄機で剥がれるところをみると、どうやらそうではなかったみたい。古い塗装の上で、木材とは一体化していない塗膜になっていたということです。今回の経験から古い塗装はある程度取り除かないとダメってことを痛感しました。

幸いにして今回は高圧洗浄機である程度剥がすことができるみたいなので、このまま高圧洗浄機で可能な限り塗装を剥がしちゃいます。

洗浄後。見違えるようにきれいになりました。

高圧洗浄機での作業は楽なんですが、それはあくまで手作業と比べた場合の話で、今回の作業そのものは結構大変でした。洗浄だけならもっと簡単だったと思うけど、塗装をしっかり剥がすためには2時間程度ずっと高圧洗浄機で作業する必要があったのです。後述のやすりがけもそうですが、塗装の剥離はほんとうに大変な作業なのです。

 

だけどその甲斐もあってこの時点でウッドデッキはめっちゃ綺麗な状態に。もうこれで十分じゃないのか?って気もしてきます。

ハードウッドで作ったウッドデッキは塗装しないことの方が多いと思いますので、そういったデッキでは汚れや黒ずみを洗浄するだけで十分なのかもしれません。だけどわたしは以前から少しでもウッドデッキに長持ちして欲しいと考えているので、今回もしっかりと再塗装していきたいと思います。

 

電動工具がないと無理!な研磨作業

高圧洗浄機で古い塗装の多くを剥がすことができましたが、まだまだ剥がせていない部分も多いし、また木材表面がささくれていたり、割れている部分もあります。これらを修正するために必要なのが研磨作業。ようはやすりがけです。

 

まぁ、これが大変なわけですよ。大変だと予想はしていましたが、実際やってみて思うのはやっぱり大変。こだわりだせばどこまでも仕上がりにこだわることができるので、いかに妥協できるかがポイントなんじゃないですかね。

 

上半分が#80の紙やすりで削った部分。下半分が高圧洗浄機で洗浄しただけの部分。こうやって比べると、やすりがけの効果がはっきりとわかります。画像では色の違いくらいしか伝わらないと思いますが、表面の毛羽立ちや細かいササクレが取り除かれることにより木材の触り心地が激変します。研磨後はめっちゃ滑らかな肌触り。

 

また、高圧洗浄機で洗浄した後はところどころこういう白っぽい毛羽立ちが発生するので、これも紙やすりで丁寧に取り除いてやります。この毛羽立ち、なんなんでしょうね?わたしは僅かにに残った塗装の一部だと思っているんですが、どうでしょう?

 

こういう割れが酷い部分はちょっとやすりがけした程度ではどうにもならないけど、それでも飛び出した部分をある程度削り取ってくれるのでやすりがけを行う意味はあります。こういった部分は後日ボンドや樹脂などで固めてしまい、うっかり触っても怪我しにくいように補修します。

 

そんな感じのやすりがけですが、わたしは最初はツルツルスベスベにするんだ!って息巻いていたんだけど、結局粗削りのつもりでおこなっていた#80での研磨で終わりました。それでも仕上がりは十分滑らかだったし、数時間サンダーを使って研磨していると手が振動でおかしくなっちゃいますよ。これ以上の作業は現実的ではない。

やすり掛けで悩ましいのがどこまで塗装を剥離するのか?という点。木材の変色層をすべて削り落とせば間違いなく新品の質感を取り戻すことができると思うけど、そこまでやってもどうせすぐ変色するので意味はないはずだし、そもそもその作業はあまりに大変すぎて絶対やりたくない。

だけどそうなると、

  1. わずかに塗装が残った部分
  2. 塗装はほぼ削り落としたけど変色している部分
  3. 変色層まで削り落とした部分

という3種類の部分が混在することになります。

これが実際に3種類の部分が混在している様子。このまだら状態が再塗装後にどうなるのかは実際にやってみないと分からないんだけど、今回は実験的な意味合いもあるのでこのまま再塗装してみようと思います。

 

ひたすらやすりがけを続け、やっとこさ全体のやすりがけが完了しました。いくら電動工具とはいえ、紙やすりでの研磨はめちゃくちゃ時間がかかります。今回は高圧洗浄機で随分楽をさせてもらいましたが、もしそれがなかったら一体どれだけの時間がかかっていたのか、考えただけでも憂鬱な気分になりますね。

 

使用した紙やすりたち。サイプレスは割れや細かいささくれも多いので、すぐに紙やすりが破れてしまいがち。破れなくとも硬い木材相手だとやすりの目はすぐに減ってしまうので、ケチらずに研磨力が落ちたと思ったらすぐにやすりを交換するのが効率的に作業を進めるポイントでしょうか。わたしは数分おきのペースで交換していたと思います。

 

浸透性塗料で再塗装

研磨が終われば後は塗装するだけ!!・・・って思っていたんですが、実際にやってみると意外とこの作業も時間がかかるんですよね・・・。

塗装に使うのは毎度お馴染み浸透性塗料のキシラデコール。オリーブを愛用しているんですが、8年経っても同じ色の塗料が手に入るのはほんとうに有難い限りです。

 

いつもどおりウエス(布切れ)に塗料を染み込ませて塗っていきます。

この方法はペイントローラーや刷毛を使う塗装よりも床板の側面など入り組んだ部分を塗りやすいのがメリット。ムラにもなりにくいです。ただ塗料は意外と飛び散りますので、薄っぺらいウエスよりかは、雑巾のようなしっかりとしたものを使う方が絶対にいいです。今回わたしは適当なウエスで作業をしてしまったばかりに、しょっちゅう塗料が飛び散って衣服に付着してしまいました。

これはとても重要なことですが、キシラデコールは衣服に付着するとまず落とすことはできません。必ず汚れてもよい格好で作業しましょう

そして匂いもキッツイので、初めて使い人は心の準備を。

 

先ほど紹介した3種類の層が混在する部分も塗っていきます。塗ってみた感じ、思っていたよりも色の違いは気にならないな、と感じました。

 

ウッドデッキのメンテナンス完了。見違えるほど綺麗に変身!

そんな感じで我が家のウッドデッキのメンテナンスが完了です。

どーです、これ?作業をおこなったわたし自身もびっくりするくらい綺麗になりました。

 

黒ずみが大量に発生していたフェンスの横の部分もすっかり綺麗に。あの黒ずみは藻の類だと思うので、これからはマメに掃除して綺麗な状態を保ってやろうって思いました。

 

3種類の層が混在部分は、塗料が乾燥したらこんな仕上がりでした。多少色味のムラは発生しているので、これが気になる人は変色層がなくなるまですべて削り落とした方がよさそう。ただ、今変色していない部分も屋外であれば紫外線で必ず変色は生じるので、数か月すれば色調のムラはかなり落ち着くんじゃないかと予想しています。

 

最後に作業前との比較。こうやって比べると、メンテナンス作業の効果は一目瞭然。作業は大変だったけど、ここまで変わるのであればやってよかったなぁって感じます。

作業時間は、洗浄で2時間、塗装の剥離で1.5時間、再塗装で1.5時間といった感じ。洗浄後しっかりと乾燥させるので、2日間にわたる作業となりました。高圧洗浄機で塗装が剥がれていなければ、塗装の剥離は半日くらいかかっていたんじゃないかな、って思います。木材の割れの部分はまだ補修できていないので、そちらはまた後日。

木材で製作されているウッドデッキを所有していると、このようなメンテナンス作業は大なり小なり必要となるでしょう。しかしながら、製作から8年間経過したウッドデッキを今回隅々まで確認したところ、予想以上に劣化はしていませんでした。だからメンテナンス作業は補修というよりも外観のリフレッシュという意味合いが強かったですね。

もちろん材質によりけりだとは思いますが、この様子だとまだまだずっと使い続けることができそうなので、今後も定期的に経年劣化の様子を紹介したいと思います。

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