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ド素人のわたくしによる、素人の為のウッドデッキ製作講座。
前回は基礎の一部となる束石をモルタルで固定し、ウッドデッキの土台となる基礎を作り始めました。基礎はまだまだ未完成状態ですが、今後の作業の基準となる部分(基礎の4隅)ができましたね。
第4回となる今回は基礎製作の続きではなく、ウッドデッキの主要な材料となる木材を調達する為に設計図を書き、必要な木材の寸法と数を算出する作業です。
第2回でご紹介した大まかな流れで言うと、
STEP4:設計図作成②どんなウッドデッキにしようか考えよう
のステップとなります。
STEP4:設計図作成②どんなウッドデッキにしようか考えよう
費用 | 0円 |
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時間 | 2時間位(こだわれば青天井!!) |
肉体酷使度 | ☆☆☆☆☆(0) ただし頭は使います |
設計図と言えばSTEP1でも1度作成していますが、その時の目的はウッドデッキの大体の寸法を決めることでした。ですので、どの部分の構造がどうなっているとか詳細な設計はしませんでした。本当にウッドデッキの形と大きさを決めただけ。
ところがそれだけではウッドデッキを制作するのに必要な木材の量や寸法を計算することはできません。どれだけの量の木材が必要となるかはウッドデッキの大きさだけでなく、構造によっても大きく変わるからです。なので木材を発注する前に詳細な設計を行う必要があるのですね。
設計と言うととても難しそうですが、こんな書きなぐりの物でも十分です。また、凝ったデザインのウッドデッキでなければ作業自体はとても簡単。実際にわたしが考えた手順に沿ってご紹介しましょう!
まずは使用する樹種を決めよう
最初にすることは使用する樹種を決めること。
ウッドデッキに使用するような木材はホームセンターではなかなか売っていないですし、売っていたとしても持ち帰るのは大変。重いし、かさばるし。なので多くの人は木材をネットショッピングで注文することになるでしょう。
業者さんのホームページに行けば取り扱っている木材の種類や寸法がリスト形式で記載されているのでとても便利。
これはわたしがしょっちゅうお世話になっているリーベさんのオーダー画面。木材の寸法と在庫数、値段がまとめて記載されているので大変便利。
そんな便利な木材のリストですが、しばらく眺めているとあることに気付きます。
それは、樹種によって木材の寸法が異なること。
例えば床板に使用する木材の場合、ハードウッドのウリンでは20mm厚か30mm厚のものが一般的かと思いますが、ソフトウッドのレッドシダーの場合は38mmのものが一般的となります。レッドシダーのようなソフトウッドの場合、1×4材とか2×4材とか住宅で使われる規格で寸法が決められているから18mmとか26mm、38mmの厚みのものが流通していますが、ハードウッドの場合はそういう規格じゃないんでしょうね。
同じ床材でも20mmと38mmとでは2倍近くも厚みが違います。その差を最初から考慮しておかないと、床板の高さを家のフローリングと同じ高さにしたいというような施工は絶対無理ですよね。だから設計の前に樹種を決めるのです。
また樹種によっては取り扱われてる寸法の種類が豊富でない場合もあります。樹種を最初に決め、商品リストを見ながら設計すれば発注する時に希望の寸法がない!という事態も防げます。
ウッドデッキは最低限4種類の部品があればできる!
ウッドデッキを構成する部品はいろいろありますが、最低限ウッドデッキを制作するのに必要となるのは、
① 束(柱)
② 根がらみ(大引き)
③ 根太
④ 床板
の4種類の部品。
見栄えをよくしたり、目隠しフェンスのような機能性を持たせようとすると更に多くの種類の部品が必要になりますが、ウッドデッキの基本となる部品はたったその4種類だけ。
この4種類の部品をどれだけの寸法で、いくつ用意するか算出するのが設計の目的です。
ちなみにわたしはウリンやサイプレスといったハードウッドを使う場合、
90mm×90mmの角材 | 束(柱) |
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38×90mmの根太材 | 根太、根がらみ(構造材) |
20mm×105mmの薄板 | 床板、フェンス材、その他強度のいらない場所 |
というようにたった3種類だけ(寸法は断面部の寸法)の木材しか使いません。木材の種類が少ない方が、無駄なく使うことができるでしょ?
束の構造を決めよう
最初に考えるのは束の寸法。束はウッドデッキを地面から支える部品です。
この束は木材の他、鋼製束という金属製の物を使用することもありますが、今回はオーソドックスな木材を使用します。
この束の寸法を決める為に重要なのが、根太との位置関係。
この図の(A)(B)(C)は全てウッドデッキの束と根太の位置関係の例です。(A)は束の上に根太を取り付けるパターン、(B)は束の側面に根太を取り付けるパターン、(C)は鋼製束を使うパターンです。
ウッドデッキの上に人が乗ると、各木材には上から下方向の力が掛かります。なので(A)と(B)を比較すると(A)の方が垂直に力を受けるので丈夫なウッドデッキになりそうな感じ。
しかしながら全ての根太・床板を均一の高さに仕上げようとした場合、(A)では束の長さでしか調整することができません。基礎の高さも場所によってまちまちなのに、束の長さを調整して高さを合わせることは至難の技。わたしもチャレンジしてみましたが、素人には無理!とすぐにギブアップしてしまいました。
なのでそれ以来わたしは(B)の方法で施工しています。
(B)は強度的にやや劣るというデメリットがありますが、根太の取り付け位置の高さを調整できるという大きなメリットがあります。基礎や束の切断誤差を誤魔化すことができ、簡単に水平なウッドデッキを施工することができます。
ちなみに(C)の鋼製束は上からの力を垂直に受ける構造であるのに加え、鋼製束自体に高さの調整機構がついているのでまさに理想的な束と言えます。しかしながらその見た目はウッドデッキには完全にミスマッチなのが残念なポイント。なのでわたしは外から見えない部分に使用しています。
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綱製束のメリット・デメリットと使い方
束の寸法を決めよう
束の寸法と言っても90mm×90mmの角材を使うことは決まってるから、あとは長さだけ。
束の長さと基礎の高さ、床板の厚みを足した値がウッドデッキの高さとなります。なので、ウッドデッキの高さを決める為には前回製作した基礎の高さがなくてはならない数値なのです。基礎の高さが分からなければ、束の高さを計算することができません。
ウッドデッキと家のフローリングの高さを同じにしたい場合を例にしましょう。
- まず基礎の天面からフローリングまでの距離を測ります(→390mmとします)。
- その距離(390mm)から床材の厚み(今回は20mm)を引いたら370mmとなり、これが束の計算上の長さ。
- でもぴったりだと束や基礎の寸法に誤差があった場合、フローリングよりウッドデッキが高くなってしまう恐れがあります。今回の構造だと根太の取り付け位置で高さ調整ができるので、余裕を見て10mm位短くしておきましょう。よって、準備する束の長さは360mmになるってわけ。
計算自体は小学生の引き算レベルなのでとっても単純なのですが、その計算をする為には前回制作した基礎がとても重要な役割を果たしていることが分かります。水平なウッドデッキを作る為には、基礎の精度ってとっても大切なのです。
なお基礎パッキンを入れる場合はもちろん基礎パッキンの厚さも差し引きしましょう。
基礎パッキンは基礎と束の間に挟むので、使用すると当然束は基礎パッキンの厚みの分だけ長くなります。そもそも、基礎パッキンは必ずしも必要…というわけではないので、使う・使わないはこの時点で決める必要があります。
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ウッドデッキに基礎パッキンは必要なのか?実際に比較して検証してみた
Contents1 基礎パッキンってこういうものです2 ウッドデッキに取り付けた場合のメリットは?3 基礎パッキンの有る・無しで比較してみた!4 まとめ 皆さまは基礎パッキンというものをご存知でしょう ...
束の数を決めよう
束の寸法は決まりましたが、次はそれを何本用意するか決めます。
本数は隣り合う束を何mm離すかで必要な本数は決まるのですが、問題はその何mm離せばいいかということに決まった答えがないんです。
というのもそんなの使用する木材の種類やら寸法厚みで全然変わるから。
わたしの経験上、800mm位の距離なら大抵の木材でまず大丈夫。しかし800mm間隔となるとかなりの本数が必要になります。角材は高いので、お金もかかって大変。
そこでわたしがおススメする方法は、1000mmから1500mm位の間隔で作ってしまい、その後上に乗ってみてたわむ感じがあるなら束の間に鋼製束を追加する方法。
鋼製束は床板を張る前なら簡単に追加できるのでとっても便利です(ただし外から見えにくい場所に設置すること!)。
根太の本数を決めよう
次に決めるのは根太。根太は床板を取り付ける為の部品です。
38mm90mmの木材を使うことは決まっていて、長さもウッドデッキの外寸から自ずと決まるので寸法については検討する必要がありません。
根太に関して決めることはその本数。束と同じく、隣り合う根太を何mm離すかで本数は決まります。
この根太の間隔というのは結構重要で、間隔が広いと上に人が乗ると床材がたわんでしまいますし、経年変化で床板が反ったりしやすくもなります。基本的には間隔が狭ければ狭い程丈夫なウッドデッキになるんですが、当然コストは上がってしまうのが悩みどころ。
この根太の間隔に唯一の答えがないのも束と同様で、どの程度狭ければいいかは木材の種類や床板の厚みによって変わります。
わたしの経験上、根太の間隔を50mm程度にしてその上に20mm厚のサイプレス材の床材を張った時はややたわむ感覚がありました。多分、これがギリギリOKかな?という感覚。
一方で、同じ20mm厚のサイプレスでも根太の間隔を40mm程度にしたらたわむ感じは全くありませんでした。
同じサイプレスでも30mm厚の場合や、20mm厚でのウリンのようなより硬い木材なら50mmの間隔でもいけるでしょうね。
根がらみの本数を決めよう
次に決めるのは根がらみ(大引きとも言います)。
これは根太と直角に交わる部品で、住宅等では根太よりもよっぽど重要な構造材とされています。
しかしながらウッドデッキ制作においてはどちらかというと根太の方が重要視されているっぽいので、根がらみはその根太をサポートするような部品の扱いではないでしょうか。住宅の世界では90mm間隔で取り付けるというような基準があるようですが、ウッドデッキにおいては各束毎に設置する程度の認識でいいのかもしれません。
わたしは根太と同様、38mm×90mmの木材を使用しています。長さについても根太と同様、ウッドデッキの外寸で自ずと決まります。
床板の本数を決めよう
最後に床板を決めます。
わたしは20mm厚、幅105mmの板を使用しています。長さについては根太や根がらみ同様、ウッドデッキの外寸で自ずと決まりますので特に考える必要はないでしょう。
必要となる床板の枚数を計算する為には隣り合う床板を何mm離すか決めなくてはいけないのですが、この間隔はとりあえず3mm位でいいんじゃないでしょうか。どの程度間隔を設けるかは見た目の好みも関わってくるので、実際に施工しながら決めた方が良いかと思います。
床板に関しては木材の反り・曲がりが発生している可能性も考慮して、少し多めに準備した方がよいでしょう。もし余っても、薄板は床材の予備やフェンス材への転用などいろいろ便利に使うことができます。
まとめ
かなり長いSTEPになってしまいましたが、
- 使用する木材の種類
- 束の寸法(特に長さ)とその数
- 根太の寸法とその数
- 根がらみの寸法とその数
- 床材の寸法とその数
の5点を決めることができました。束・根太・根がらみ・床材の4種類の木材さえ揃えば、ウッドデッキを制作することができます。
もちろん、複雑な形のウッドデッキの場合はこんな簡単に各木材の寸法は決まらないですし、フェンスや手すりを設けたい場合はその為の木材も考えなくてはいけません。紙の上では何回もデザインのやり直しが効きますので、木材を発注する前にしっかり、じっくりと自分が作りたいウッドデッキについて考えるのをお勧めします。