素人でもできるウッドデッキ製作

ウッドデッキの階段の設置方法[ウッドデッキ製作(応用編):第4回]


ウッドデッキをもっと快適に、もっとお洒落にする為の様々な作業を紹介する『素人でもできるウッドデッキ製作(応用編)』

第4回となる今回は階段の設置

階段はウッドデッキとお庭を繋ぐとても重要な部分。階段が無くてもウッドデッキは製作することが出来ますが、ウッドデッキ生活を満喫する為にはほとんど必須と言えるものでしょう。

製作の難易度は製作方法や立地場所によって大きく変わりますが、ウッドデッキ本体を作ることが出来たのなら一人でも十分製作することは可能です。

素敵な階段を作って、母屋とウッドデッキ、そしてお庭を一つの空間に繋げてやりましょう。

 

階段の機能とメリット

階段と言えば家の中、駅の中、街中のビル等々…ありとあらゆる場所にある身近な存在ですよね。

そんな階段の機能は高さの異なる場所を繋ぐこと。当たり前すぎて今更説明する必要もないことでしょう。

その機能はウッドデッキにおいても全く同じ。

 

ウッドデッキの床面とお庭との間には結構な高低差があることが多く、その高低差を解消してウッドデッキとお庭を繋ぐ為に階段を設置します。

ウッドデッキの床面が地面と近いような場合は階段が不要なのでしょうが、そのようなウッドデッキの配置はかなり少数の模様。多くの場合、ウッドデッキからお庭に降りる為には階段が必要となるでしょう。

ウッドデッキには母屋から出入りできることがほとんどでしょうから、階段が無くてもウッドデッキを第二リビングとして使うことが出来るでしょう。しかしながら、階段があると母屋・ウッドデッキ・お庭が一つの繋がった空間になるので、お庭がぐっと身近になる、なんならお庭が第三のリビングになる!ということが階段設置のメリットじゃないでしょうか。

 

わたしはウッドデッキの上でものを洗ったり、プールをしたりします。

こういう時はお庭にあるホースや道具を持ってくる必要があるので、サッとお庭に降りることが出来る階段は必要不可欠な存在。あまりにもお庭から出入りする機会が多いから、最近階段を増やして2箇所にしたほどです。

 

階段の作り方は2種類あります

ウッドデッキとお庭を繋ぐ大切な階段ですが、その作り方は大きく分けると2種類あると考えています。

それは、本当に階段を作る方法と、背丈の低いウッドデッキを階段代わりにする方法の2つ。

本当の階段?階段代わり?何が何やら分からないと思いますが、それぞれ詳しくご紹介していきましょう。

 

「本当の階段」を設置する方法

本当の階段とはその言葉通りの意味で、そこらへんで見かける階段を同じようなものを設置する方法です。

建築業界では本当に様々な種類の構造の階段がありますが、シンプルな構造で屋根も壁もないウッドデッキでは自ずと施工可能な階段の構造は限られます。

 

こちらは側面から見た図。

図中右側の紫色の部分が階段部分、左の残りの部分がウッドデッキ部分です。

一般的な階段は多くの部位から構成されていますが、ウッドデッキに設置する階段の場合は側桁(がわけた)と踏板(ふみいた)、そしてそれらを設置する為の基礎のたった3つの部品から構成されます。

そんなシンプルな構造なら作るのがすっごい簡単じゃないの?

という気もしますが、ウッドデッキ本体と比べると作るのがちょっと難しいところもあります。

 

それが側桁の製作

 

側桁というのはまさに階段の本体とも言えるパーツですが、こいつはこのように斜めに設置されます。

ご覧の通りウッドデッキに使用するような木材をそのまま斜めに取り付けただけでは、とても踏板を設置出来るような幅(奥行)がありません。もっと幅のある木材を用意するか、細い木材を繋ぎ合わせて幅を増やす必要があります。

しかしながら前者は木材の加工(主に切断作業)が大変になるというデメリットが、後者は複数の木材を平面になるように繋ぎ合わせる加工が難しいというデメリットがそれぞれ存在します。

また、側桁の製作の難易度は踏板の取り付け方でも変わります。

下記図は階段を正面から見た図で、踏板の取り付け方法がそれぞれ違います。

①は側桁に根太のような材を取り付けて、その上に踏板を取り付ける方法。

②は側桁に溝を掘って、そこに踏板を差し込み方法。

③は側桁を階段状(水平と垂直のギザギザ)に加工し、水平部分に踏板を乗っける方法。

強度的には③>②>①だと思うんですが、過去の難易度も③>②>①だと思います。わたしならで施工するかな…。

 

というわけで、「本当の階段」を設置する方法にはいろいろな施工方法があるものの、そのいずれもウッドデッキ製作の方法とはやや異なる作業が必要となることがお分かり頂けたでしょうか。しっかりとした強度をだそうと思ったら少々難易度も高くなってしまいます。

また、この施工方法では階段の幅を広く出来ないというデメリットがあります。足を乗せる踏板は左右の側桁で支えている為、踏板の幅が広くなると中央がしなってしまう為です。中央に補強材を付け加えればしなりは解消出来ますが、かなり大掛かりな作業となり、面倒臭くてあまり現実的ではありません。

そこでわたしがおススメしたいのがもう一つの方法である、背丈の低いウッドデッキを階段代わりにする方法での施工です。

 

「背丈の低いウッドデッキ」を階段代わりにする方法

こちらの施工方法では階段は作りません。けれども、その代わりに背丈の違うウッドデッキを複数個作って階段状にするんです。

どういうことかというと…

こういうこと。

本来階段の設置では必要不可欠な側桁が必要無いことがお分かり頂けるでしょう。

 

我が家のウッドデッキもこの方法で施工しています。

わたしがいろいろなお宅を拝見させて頂く限りでは、この施工方法の方が階段を設置する方法よりもメジャーな方法みたい。

先程説明させて頂きましたように階段を設置する方法だと幅を広く出来ないというデメリットがありますが、この施工方法だと幅はいくらでも広げることが出来ます。まさに、開放感抜群。

施工方法もウッドデッキを自分で作れる人ならとっても簡単。なんせ、基本的にはウッドデッキ製作と全く同じ手順なのですから

 

実際の作業の流れですが、まずは穴を掘って基礎となる束石を設置しまして、

 

その基礎と既存のウッドデッキを繋げるように束・根太・根がらみ(大引)を組み上げます。そしてその上に床板を張ったら完成。本当に、ウッドデッキ製作と全く同じ。簡単でしょ?

この施工方法のデメリットは、階段を設置する方法と比較すると部品点数が多く材料費が高いことと、高低差が大きく段数が多い場合には向かない(大掛かりになりすぎる)ことの2点でしょうか。

 

束柱の間隔や本数を変更することで階段の大きさを自由に変えることが出来るので、このような狭いスペースを目一杯使って階段を設置することも出来ます。

側面に側桁を設置しなければならない”本当の階段”ではこのような設置はなかなか難しいです(できなくはないけど加工が大変)

 

まとめ

というわけで、今回はウッドデッキとお庭を繋ぐ階段についてご紹介させて頂きました。

ウッドデッキは家のフローリングと同じ高さに合わせて設置されることが多く、それにはリビングが広くなったように感じるという大きなメリットがあります。ウッドデッキが第二のリビングになる感じですね。

しかしながら、そうすることによりウッドデッキとお庭との間にはどうしても高低差が生じてしまい、結果お庭との距離感が遠くなってしまいます。

その距離感をパッと埋めてくれるのが、お庭とウッドデッキを繋ぐ階段。

階段の施工方法にはいろいろありますが、わたしは施工が簡単で自由度の高い背丈の低いウッドデッキを階段代わりにする方法をおススメします

ウッドデッキを自分で作れる方なら施法は全く問題ないと思いますので、ウッドデッキ製作と併せて是非挑戦してみて下さい。

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