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ウッドデッキをもっと快適に、もっとお洒落にする為の様々な作業を紹介する『素人でもできるウッドデッキ製作(応用編)』。
第3回となる今回はパーゴラの設置。
wikipedia先生によると、パーゴラの語源はフランス語の『葡萄棚』。でも今ではテラスやデッキなどの天井部分に設置する棚を指すようです。
パーゴラは高さも重量もあり、設置作業自体の難易度は少し高め。その代わりにお庭やウッドデッキの見た目も大きく変化させることが出来るので、その見た目が大好き!!という人には是非お勧めしたい設備です。
パーゴラの機能とメリット
元々は葡萄の枝を絡ませる為のものであるパーゴラですが、現代の日本において、個人のお庭で葡萄を作っている人はなかなか珍しいのではないでしょうか。
それでも個人のお庭や公共の施設などでパーゴラは良く目にします。
そういった身近なパーゴラに関して、わたしが見たり聞いたりした限りでは、
- 日陰を作る為に様々な植物を絡ませる為
- 日陰を作る為にオーニングを取り付ける為
- ハンギングバスケットなどをぶら下げる為の構造材として
- 何にも使用しないけど、見た目が好きだから
- 観賞用のバラを立体的に配置する為
といったように、様々な目的や考えで設置されているようです。
これらをまとめると、個人のお庭でのパーゴラの『機能』に関して言えば『日陰を作ること』の1点に限りますが、機能面以外にも設置のメリットがあることが分かります。
それは、お庭の景観が良くなる(=自分好みになる)こと。
建物に1階天井付近まで伸びる構造物はそうそうありません。ましてや雰囲気抜群の天然木で出来ているとなると、景観面でも影響は非常に大きいものです。
わたしの場合は緑のカーテンをしっかりと固定したいという理由でパーゴラを設置したので、パーゴラの『機能』目的だったと言えます。しかしながら設置後5年ほど経過した今となっては、パーゴラ自体の存在感や雰囲気がとても大好き。相変わらず緑のカーテンやオーニングの設置にも利用していますので、今のわたしにとってパーゴラの存在意義は機能面と景観面がちょうど半分ずつといったところです。
わたしがパーゴラを作った最初の理由は、パッションフルーツで作った緑のカーテンをしっかりと固定するものが欲しかったから。パッションフルーツの緑のカーテンが立派になりすぎて、市販のイボ竹のようなものでは手に負えなくなったのです。
一般的な緑のカーテンは窓際にぶら下げたり、立て掛けたりして設置します。なのであまり”天井”という部分がありませんが、パーゴラならこのように緑のカーテンならぬ”緑の天井”を作ることが出来ます。木漏れ日の中のお昼寝は最高!!
緑のカーテンを作らない時は、市販のオーニングを取り付けていろいろ便利に使っています。
パーゴラ設置作業の手順
ウッドデッキ製作段階でパーゴラも設計しよう
パーゴラはウッドデッキ設計時から検討しなければならない設備。
というのも、パーゴラは見た目でも分かるようにとても重量があります。また、高さもたっぷりあります。なので支柱の下にはきっちり基礎を作り、また簡単に倒れないように基礎に支柱をしっかりと固定してしまう必要があります。
ウッドデッキ製作後ではそのような基礎造りはどう考えても不可能なので、ウッドデッキの基礎作成時に併せてパーゴラの支柱用の基礎も作ってしまわないとダメなんですね。
でもわたしは基礎をたくさん作るのが面倒臭くて嫌なので、パーゴラの支柱とウッドデッキの束と共用にしています。
どういうことかと言うと、ウッドデッキの束をそのまま上方向に伸ばしているのです。目隠しフェンスの支柱と同じ考えですね。これならウッドデッキの束の基礎と、パーゴラの支柱の基礎を別々に製作する必要がありません。
材料の手配と木工加工
材料はソフトウッドのウェスタンレッドシダーを使用。
パーゴラは地面から遠く離れた場所に設置されているので、通気性が非常に良いです。ウッドデッキよりも腐食しにくい環境だということと、高さのある設備なのであまり上部を重たくしたくないという理由で、ソフトウッドのウェスタンレッドシダーを選んでいます。
ウェスタンレッドシダーであればホームセンターでも売っていますが、送料を含めてもネット通販の方がお安いのいつも通りネット通販で注文。家で待っているだけで運送会社さんが持ってきてくれるのはやっぱり楽チンです。
木材が届いたら、一番最初に行うのは木材の加工。設計図に従って各木材を適切な長さにカットしたり、木材を組み合わせる為の加工を行います。
パーゴラの天井部分の木材はなぜだか下側の角っこを切り落として、斜めにすることが多いですよね。理由は分からないけど、わたしも見た目はその方が好きなので真似っこ。
木材を組み合わせる部分は強度を出す為に凹形状に加工しました。見た目も、木材が単純に乗っかっているよりもこのように組み合わさっている方が一体感が増して良い感じ。
とはいうものの、形状的には四角にくり抜くだけなんで簡単だと思いきや、これが結構大変!
電動工具だけでは施工しきれないので、最後はノミでの手作業が必要なんです。普段電動工具に頼りっぱなしの軟弱者のわたしは、大苦戦。
こんな感じになりました。こうやって縮小した画像では綺麗に見えていますが、実際は素人感丸出しの荒っぽい仕上げ。まぁ、素人なんで当然なんですが…。この部分は組み付けたら見えない部分ですしね、よしとしましょう。
塗装をするなら組み立て前に
ウェスタンレッドシダーは密度が低くて軽量なのは良いのですが、耐久性はハードウッドには及ばないとされていますね。
そこで少しでも耐久性を上げるために、防腐目的で塗装を行いましょう。組み立てた後では塗装できない部分があるので、塗装は組み立て前の木材の段階で行うのが鉄則。
使用するのはウッドデッキと同様に浸透性塗料であるキシラデコール。ソフトウッドであるウェスタンレッドシダーは塗料の吸い込みが激しいので、下地用の無色の塗料(カラレス)を塗った後に、本番塗りを行う必要があります。
ハードウッドと違って2度塗りしないといけないのはとても面倒臭いです。
まずは下地用のカラレスを使って下塗り。
下塗りが終わったら一度しっかりと乾燥させます。
ウッドフェンスに比べたらまだ部品点数が少ないけど、それでもかなりの場所が必要になります。わたしはカーポートの車一台分のスペースに養生シートを敷いて作業しました。
下塗りが乾いたら、色付きのキシラデコールで本番塗り。この色はウッドデッキやウッドフェンスで使っているものと同じ塗料です。
同じ色なんですが、ハードウッドに使う時とは随分と違う感じに仕上がりました。具体的には色が濃いいのです。塗料の吸い込みが激しいからでしょうか?
その塗料の吸い込みですが、事前に激しいと聞いてはいましたが、本当に激しくてびっくりしました。ハードウッドとは本当に全然違います。塗料が、もう、みるみる減っていく!!
ウェスタンレッドシダーを選ぶ理由がお値段の安さという人がおられたら、その考えは間違いかもしれません。将来的な補修や塗り直しなどを考えると、サイプレスの方が絶対トータルじゃ安いんじゃないでしょうか!?
パーゴラの組み立て
パーゴラの作業で一番しんどいのが天井部分の作成。
高さ3m程の場所で木材を組まなければならないのですが、木材の重たさと、慣れない脚立の上という不安定さが作業の難易度の高さの理由。
2個の脚立を用意し、2人掛かりで作業を行えばずいぶんと楽なのでしょうが、それは普通のサラリーマンにはなかなか難しいんですよね…。人数はともかく、脚立なんてそうそう持ってません。
そうなると必然的に1人での作業となるわけですが、コツさえ掴めれば意外と1人でもなんとかなるものです。
1人でもなんとかする為のポイントは2つあって、1つ目のポイントは支柱をしっかりと固定すること。
支柱は基礎部分の固定だけだと安定性に欠くので、天井部分が未完成の時は結構グラグラ。このまま組み立てに入ると作業がやり難いばかりか危険ですらあるので、適当な木材とクランプでしっかりと仮固定してやりましょう。
支柱が動かないだけで随分作業しやすいものです。
2つ目のポイントはとにかくクランプを駆使すること。
木材の位置合わせやコーススレッドの取り付けなどを行う際、1人では絶対に木材を支えることは出来ません。
そこで必需品となるのが各種クランプ。重量のある木材の仮固定ならかならず両端にクランプが必要ですし、そもそも各支柱の仮固定にもクランプが必要。
そう、1人で作業を行う為、これら大量のクランプにお手伝いして頂きましょう。
使用するクランプは開口部が大きく、簡単に取り外しや開口の調整ができるF型がおすすめ。一般的なC型はこういう用途だと使い難いし、そもそも開口部の寸法が足りないでしょう。
パーゴラの設置費用
わたしが施工した時のおおよその費用です。
ご覧の通り、木材は90mmの角材と、2×6材の2種類が基本です。とってもシンプル。
材料 | 単価 | 本数 | 金額 |
---|---|---|---|
ウェスタンレッドシダー (厚み90mm×幅90mm×2,700mm) |
約4,100円 | 4本 | 16,400円 |
ウェスタンレッドシダー (2×6材 長さ2,400mm) |
1,800円 | 10本 | 18,000円 |
合計 | 34,400円 |
後は補強に使った2×4材や、ステンレス製のコーススレッドも使用していますが、それらは家に余っていたものを使用しましたので価格に加えていません。また別途送料が必要になります。たぶん、2,000~3,000円程だったかと思います。
わたしが製作当時に購入した価格は上記表の通りですが、この記事を書きながら現在の価格を調べてみると、おおよそ2倍程度の価格になっていてびっくりしました。ウェスタンレッドシダーは建築や家具など幅広い用途で使用されている木材ですので、業者様や品質のグレードによって値段が大きく変わります。
パーゴラのような屋外での使用であればそれほど綺麗な状態のものでなくても大丈夫なので、いろんな業者様を比較することで、できるだけお安く入手しましょう。
まとめ
わたしのお庭ではウッドデッキよりも先に設置されたのがパーゴラでした。
とにかく緑のカーテンなど、立体的に植物を配置することが好きなわたしにとって、”緑のトンネル”を作ることが出来るパーゴラは憧れの設備だったのです。
パーゴラは設置作業こそ大変ですが、ウッドフェンスのようなデメリットも特にありません。また、図体こそ大きいですが使用する木材の量はそれ程多くもないので、意外と費用も掛かりません。その大きさと背丈の高さからお庭の景観に及ぼす影響はとても大きいものですが、設置作業自体はわたしのような素人でも可能な範疇なものですので、興味のある人は是非挑戦してみてはいかがでしょうか。