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今回の作業
どんな作業? : 電子キーボードを設置する為の机作り
使うもの : 杉KD材カフェ板、各種杉材
必要な費用 : 5,000円程度
肉体行使度 : ★★☆☆☆(2)ダボ接合が多いので少々面倒
言いたいこと : 杉カフェ板は安価なのに質感は抜群によくて、机にぴったりの素材
ヤマハの電子キーボード piaggeroを購入
ピアノが欲しい!!
という家族からのご要望により、この度電子キーボードを購入したんです。
それがこちら。ヤマハのpiaggero NP-12。
あー、分かってます。分かってるんです。これはピアノじゃありません。電子ピアノですらありません。これは電子キーボードという楽器です。
わたしは音楽分野に関してはもうほんとうにさっぱりで、小学生レベルの知識しかありません。そんなわたしが今回せっせと調べたところ、ピアノはハンマーで弦を叩いて鳴らす楽器。電子ピアノは弦を叩かないものの、ピアノの弾き心地を再現する為にハンマーが入っている楽器。そして電子キーボードはハンマーが入っていない楽器、という違いがあるようです。つまり、電子キーボードは子供用のピアノ絵本(ボタンを押したら音が鳴るやつ)の延長線上ってことですね。
しかしながら、このヤマハのpiaggero NP-12は子供用のピアノ絵本の仲間とは到底思えないような、なかなかよい質感です。ピアノ初心者の練習用としては十分すぎるものではないでしょうか?この質感の割には比較的リーズナブルな価格だと思います。
ところで、このヤマハのpiaggero NP-12のような電子キーボードという楽器はどうやら持ち運びを前提としているようで、電子ピアノのような立派な脚はついていません。机の上や、簡易的な台の上に置いて使用するみたいです。とはいうものの、使うたびにいちいち机の上に出してくるのも面倒だし、かといって日々使う机の上に出しっぱなしというのも邪魔ですよね。
そんなわけで、本日はこのpiaggero NP-12専用の机を杉材で作っていきたいと思います。
piaggero NP-12専用の机の製作作業
材料
まずは材料のご紹介。
今回使用する材料は杉材です。以前はよくSPF材やウェスタンレッドシダーを使ったものですが、それらの輸入木材は最近かなり高騰しているので、どうもコスパが悪く感じるようになりました。相対的に各種杉材がすごく安く感じるようになってきました。
最近特にお気に入りなのが、この杉のカフェ板。
本来は床に敷く為の木材と思われますが、長さ2,000mm×幅200mm×厚み30mmというビッグな大きさで、1枚1,500円ほどという圧倒的なコスパの良さを誇ります。見た目も決して安っぽさはなく、ソフトウッドらしい表情豊かな木目が特徴的。杉は昔から家の材料としてふんだんに使用されてきた木材ですから、日本人にとってはすっかりお馴染みの雰囲気に感じることでしょう。今回はこの杉カフェ板を2枚繋げて天板に使用します。
天板以外に使う木材は、適当な寸法の杉材をチョイス。今回は脚部分には42mm×42mmの角材を、それ以外の部分には25mm×55mmくらいの杉材を使用しました。
各パーツの切り出し
今回製作するのはオーソドックスな構造の机なので、作業自体はとってもシンプル。難しい加工はナッシング。
まずは適当な設計図を書き、それに従って各パーツを切り出します。
ほんとうはどの名称のパーツを何本切り出したとかご紹介したいんだけど、机の各部の名称って本によって記載が異なるんですよね。各名称をどうやって使い分けているのかわたしが全然理解できていません。どんな構造で製作しているかは、言葉ではなくのちのちの画像をご参考いただければと思います。
各パーツへのダボ穴開け
設計図に従ってパーツを切り出したら、次はそれらのパーツに組み立て用のダボ穴を開けていきます。
今回製作している机はとてもオーソドックスな構造ですが、ダボ接合の箇所は結構多いです。ですので、このダボ穴開けが最も時間掛かる作業だと思います。杉材は柔らかいので加工自体はとても簡単。ゴリゴリ削れます。
ウッドデッキなどでは木材同士の接合はコーススレッドが主流ですが、家具製作での各パーツの接合はダボ接合を用いることが多いですね。ビスやネジ類を使って組み立てをすると、どうしてもネジが目立ってしまったり、ビスを隠す為の加工が必要になってしまうからです。ダボ接合だと見た目はかなりすっきりします。
それにしても我ながらなかなか美しい穴の開けっぷりだと思いませんか?でもこれは決してわたしが超絶テクニックを持っているからではありません。
その理由はこの中華製の穴あけ用ジグを使っているから。これはこれまで購入した工具の中で、ベスト5に入るほどの満足度の高さですね。以前はダボ穴を開けるのが超絶下手だったわたしですが、こいつのお陰でダボ接合がすっかり好きになりました。
ところが、使い過ぎたせいで最近ドリルガイドがすり減ってきたのが悩みの種・・・。穴が楕円になってきているでしょ?これはわたしが下手くそで、ドリルを真っすぐ差し込めていない証拠です。いまはまだ騙し騙し使い続けているけど、精度が保てなくなってきたら買い替えが必要となります。
組み立て
ひたすら続くかのように思えるダボ穴開けが終わったら、いよいよ机を組み立てていきましょう。
ドリルで開けたダボ穴に木ダボをセットしていきます。各ダボ穴には木工用ボンドを注入しておきますが、あまり量が多いと後々はみ出してくるので、注入のし過ぎにはご注意を。はみ出しても濡れ雑巾で綺麗に拭き取ることはできるんですけどね。
ジグを使うことでダボ穴をかなり綺麗に開けることができるのですが、それでも多少の歪みはどうしても生じてしまいます。組み立て時はあの手この手でしっかりと各部が水平・直角になるように修正してきます。ダボ接合は真っ直ぐ組み立てないと簡単に木ダボが折れてしまうので、グリグリ揺らしながら差し込むような組み立て方はNGですよ。このようにクランプで真っ直ぐじっくり差し込んでいくのが確実です。
だいぶ机っぽくなってきた!
天板の固定は専用の金具類を使わず、このように座掘り加工をしてからコーススレッドで固定します。ほんとうは机の反りや伸び縮みを吸収できるように専用の金具(平打天板止)を使うべきなんだけど、あの金具って入手性が悪いし、また材料代も高くついてしまいます。以前ウォルナットの天板でPCデスクを作ったときはちゃんと専用の金具を使ったんですが、実は市販の無垢材のデスクでも今回のような固定方法をしていることがかなり多いんですよね。案外この方法でも問題無いんじゃ・・・と思っています。
組み立ての途中ですが、この構造だと机の中央部分がややたわむことが分かったので、急遽補強材を追加しました。こういう幕板の間に渡すように取り付ける補強材は、市販の机でもかなりの頻度で存在しています。今回は天板の幅が狭いのでいらないかなーって思っていたんですが、どうやらこれだけ幅が狭くてもやっぱり必要なんですね。よく分かりました。
天板のカット
組み立てが終わったら、天板の形を整えます。天板は最初のパーツ切り出しの工程ではカットせず、組み立て後に脚とのバランスを確認しながらカットすることにしていたのです。設計段階ではなかなか全体のバランスが想像できませんからね。
また、天板は2枚のカフェ板を組み合わせている為、最後にまとめてカットした方がぴったり寸法が合うというメリットがあります。2枚の木材を別々にカットし、全く同じ寸法にするっていうのもなかなか難しいものです。
このカフェ板には床材ならではの凹凸加工が施されていますので、この部分もこのタイミングでカットしてしまいましょう。
完成
仕上げにサンダーで全体をやすりがけしてやれば完成です。
杉材ならではの優しい質感を残したくて、今回は無塗装です。オイルフィニッシュの定番であるワトコオイルは施工から数か月は独特の匂いがして苦手だし、ウレタン塗装は艶がでてどうも好きになれません。汚れが付きやすかったとしても、わたしは断然無塗装が好きですね。
今回この電子キーボード用の机を設置するのは和室。杉の木目は和室とも相性は抜群です。この質感は無垢材ならでは。これが総額5,000円程度なんですから、杉カフェ板はほんとうにコスパのよい材料だと思います。
早速電子キーボードを設置してみました。スペースはたっぷりありますので、ピアノグッズや他の楽器も横に置けますね。天板の高さは腰窓に合わせて500mm程度にしましたから、ローチェアと組み合わせて使う感じになりそうです。
なかなかいい雰囲気に仕上がってくれてよかったです。願わくは、電子キーボード+机製作代が無駄にならないよう、しっかり練習して欲しいものですね。