これまで使っていたPCデスクがテレワークなどにより手狭に感じるようになったことから、より広いデスクを目指して始めたDIYでのPCデスク製作。
前回は製作に必要となる材料集めについてご紹介しました。
今回はそれらの材料を加工していよいよPCデスクの製作にとりかかりましょう。デスクって大きいからなんだか難しそうに感じちゃいますが、造りはシンプルなので作業の難易度は比較的低いですよ。
今回の作業
どんな作業? : PCデスクの製作(木材の加工と塗装)
使うもの : 前回集めた材料たち。工具類は手持ちの道具を総動員
必要な費用 : - (前回揃えた材料を使用)
肉体行使度 : ★★☆☆☆(2)体力的にはキツつくないけど、時間はかかります(2~3日程度)
言いたいこと : 杉は柔らかくて加工性抜群。ワトコオイルの塗装も簡単なので、作業難易度は低いです
杉材の加工と組み立て
今回のPCデスクの天板は贅沢にもウォルナットだけど、脚や幕板といったそれ以外の部分は安価な杉材を使います。予算は限られていますからね。
まずは脚部分を作るために杉材をカット。わたしはスライド丸鋸を使用していますが、杉材は柔らかく加工性抜群の木材ですから電動工具じゃなくても楽々切断することができます。電動工具を使えない環境の人にとってはより一層使い勝手のよい木材ですね。
ただ、手作業で切断する場合は切断面を真っ直ぐ垂直にするためにも、ノコギリガイドは用意したいところです。
切断した杉材を組み合わせてデスクの土台部分を作りますので、接合のためのダボ穴を埋め込むための穴を開けます。
この穴あけのためにわざわざダボ穴治具を用意したのは先日投稿した記事にてご紹介させていただきましたが、いや、これ本当に超便利ですよ。位置合わせが簡単だし、わたしのような素人でも垂直の穴を綺麗に開けることができます。
ほら!どーですか、これ?
こんなに綺麗なダボ穴がサクサクと開けることができるもんですから、最近ではダボでの接合が大好きになりました。以前は苦手意識を持っていて避けてすらいたというのに!道具って大切ですね。
続いてダボを埋め込んで各パーツの組付けを行うわけですが、デスクのような大型の製作物ともなると手持ちのクランプの長さではとてもじゃないけど足りません。
なので、画像のようにキャンプにつかうラチェットベルトを流用するなど、あの手この手で接着中の木材を固定してやります。正確で強固な接着のためにも、接着中の固定は絶対あった方がよいですよ。
そんなこんなでデスクの脚が完成しました。
脚ってスチール製(アイアン調)のものがよくネットショップで販売されていますよね。今回もそういった製品の使用を検討してみたんですが、後々脚を利用して棚などを追加できるよう、木ネジを簡単に打ち込める木材を選んだ経緯があります。
また、スチール製の脚って幕板を取り付けられないのも難点ですね。今回のように幅が広いデスクの場合は、長手方向には幕板を取り付けた方が絶対に天板の強度は上がると思います。
続きまして、先程話に挙がりました長手方向の幕板、つまり両側の脚を繋ぐように配置される部分の製作に取り掛かります。より強度を上げる為、中央の2か所に補強用の木材を取り付けました。
長さが1,900mmもあると2本の木材の位置関係や角度がちょっとずれるだけで両端部分の寸法は大きく狂ってしまうので、これまで以上に慎重に寸法の確認を行いながら作業を行います。
この部分の両端には分解・組み立てができるよう、オニメナットを埋め込みます。こうしておかないと、そもそも家の中の設置場所まで搬入すら出来ませんからね。オニメナットって本当に便利ですが、杉材は柔らかすぎてオニメナットの固定がやや頼りないように感じました。やっぱり強固な家具を作るなら、ハードウッドの方が良さそう…。
この時点でとりあえず一旦仮組みを行い、寸法通りに加工できているのか確認を行います。
うん、うん。こうやって頭の中で思い描いていたものが形になるというのは嬉しいものですね。まだまだ作業は続きますが、テンションが上がります。
平打天板止取り付けのための加工
デスクならではの金物といえるのが、この平打天板止。これは天板を幕板に固定する為の金具なんですが、天板を固定する部分が長穴になっているのが特徴です。特に集合材や無垢材の天板は湿気等により寸法の変化が生じますから、長穴でそれを吸収することが狙いです。市販のデスクでは見かけたことがないので、本当に必要なのかどうかは少々怪しいものですが…。
ところで、この平打天板止は1mmちょっとの厚みがあるので、このままでは幕板に取り付けることができません。いや、正確には取り付けることはできるんだけど、そもまま取り付けちゃうと、天板を乗っけた時に幕板と天板との間に1mmちょっとの隙間ができてしまうのです。それはちょっとみっともないでしょ?
なので、平打天板止の厚み分だけトリマーで幕板の上面を掘ってやるのです。こうすることで平打天板止を綺麗に埋め込めるようにするわけですね。
この加工を今回は16か所も行う必要がありますので、結構大変です。少しでも作業を楽に、そして均一にできるように、今回は簡易的な治具を作ってみました。治具といっても幕板で使った杉材の残りをコの字状に組みわせただけの簡単なものです。治具は凝ったものじゃなく、こういう簡易的なものをその都度製作した方が使い勝手がいいんですよね。
ピッタリと綺麗に収まった!やっぱりトリマーはなにかと便利ですね。
ワトコオイルによる塗装
2日間程度チマチマと木材の加工を繰り返し、ようやくデスクを作る為の最低限のパーツの加工が終わりました。
わたしは無塗装の木材の質感が好きだからいつもならここで作業は終了なんですが、今回はオイル塗装にチャレンジすることに。
なんといっても今回は高額なウォルナットの集合材を使用しているんですから、少しでも長持ちして欲しいですからね。
使用するのは家具のオイル塗装ではド定番ともいえるワトコオイル。ワトコオイルにもいろいろな種類がありますが、今回使用するのはワトコオイルの原点ともいえるオーソドックスなタイプ。色調はナチュラルです。
【塗料】ワトコオイル ナチュラル 1L__wt-oil-100-w01
ナチュラルって聞くと木材本来の色調を極力邪魔しないようなイメージを抱きますが、それはどうやら木材によってかなり違いがあるみたい。
ウォルナットのような濃い色調の木材だと、このようにオイル塗装による色調の変化が超激しいんです。ぐっと色が濃くなって、木目も強調されます。そう、まるで濡れたような質感に変わるのです。オイル塗装後の色調の方がウォルナットと聞いて思い浮かぶ色調のイメージに近いとは思いますが、好みは分かれるかもしれませんね。
重厚な感じが好きなら断然オイル塗装はした方が良いと思いますが、柔らかい雰囲気が好きならばオイル塗装をしない方がよいかも。ちなみに、SPF材やホワイトウッドといった白系の木材だとオイル塗装による色調の変化はほとんどありません。
塗り方はワトコオイルのメーカー推奨の塗り方で行いました。
刷毛でバーッと塗って、1時間後にウエスで拭き取り、更に重ね塗りをして耐水ペーパーで研磨するってやつです。
しかしながら、ウォルナット製の天板に関してはシッカリと気合をいれて重ね塗りと耐水ペーパーによる研磨を行いましたが、正直それほどの効果は感じませんでした。ですので、脚などの他の部分に関してはバーッと一回塗りをしただけ。効果の割に手間が掛かって面倒臭かったから…。それでも十分満足できる仕上がり具合でした。ワトコオイルはウッドデッキ製作で使用するキシラデコール同様浸透性の塗料なので、わたしのような素人が適当に塗ってもムラになるようなことはなく、とても綺麗に仕上がります。
なお、今回の製作で唯一にして最大の誤算が、このワトコオイルの匂い。
もう、すっごい臭いの。
塗装後のウエスでの拭き取りをこれでもかというくらい行っても、すっごい臭いんです。1週間くらい乾燥させても、すっごい臭いんです。家の中がすっかりワトコオイル臭じゃないか…。
普段キシラデコールの匂いにはなんとも思わないのに、この匂いはかなり気になります。家の中ですからね。匂いは揮発成分だからいつかは無くなると思うけど、早くなって欲しいというのが今の切実な願い。あー、臭い…。
というわけで今現在も匂いには悩まされていますが、PCデスク製作の紹介はもう少し続きますよ。