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我が家のブドウ栽培、昨シーズンからボロボロです。
これまでは枝を折ったー、スズメガの幼虫が湧いたー、って騒いでいましたが、今となってはそんなのは些細なこと。昨シーズンから我が家のブドウを荒らしているブドウスカシバ(もしくはカミキリムシかも)と比べればね。
今回はブドウ栽培最強の敵ともいえる、ブドウスカシバとの戦いのご紹介です。
スミチオンでブドウスカシバは退治できるのか?
ブドウスカシバはブドウの内部で幼虫が成長する害虫。ブドウスカシバからすると、ご飯に囲まれているから食事の心配もなく、それでいてそのご飯により天敵から完全に隠れることができる夢のような環境。ブドウの木とそのオーナーからするとたまったもんじゃないですが。
昨シーズンは随分ブドウの樹が元気がないなぁ・・・と思っていたんですが、原因はこいつらでした。元気に巣立ったことを示す繭ガラがたくさん見つかったので初見のわたしでも流石に分かる。思っていた以上に大量に湧いていたのです。
このブドウスカシバの発生時期は5月下旬~6月中旬らしいので、この悲劇を繰り返さないように6月頃にせっせとスミチオンを散布したんです。ほんとうは専用の農薬がいいんだろうけど、スミチオンの説明書にはスカシバ類にも効くって書いたあったし、なにより家にあったからわざわざ専用品を買い足すのが勿体なかったんですね。こんな状態でも貧乏性なわたし。
でも、ほんとうにスミチオンで駆除できるかはサッパリわかりません。なんせ敵の姿は見えないのですから効果の確かめようがないのです。もし駆除できていなければ、また樹を食い荒らされて今度こそ完全に枯れてしまう・・・。
ちなみに、樹をしっかり観察するとそれっぽい穴が大量に見つかりました。
この穴、そして穴からもりもり出ている木くずは内部に幼虫が発生しているなによりの証。つまり、スミチオンは散布しているけど、少なくともこの時点ではまだ存命の様子。
スミチオンのような根っこから吸収される系の薬剤は即効性はないので、今後内部の虫はじわじわと弱っていくのかもしれません。だけどこういうのを目にしてしまうと、「今後ほんとうにスミチオンで弱るのかな?」と不安になっちゃいます。繰り返しますが、もし効果がなければ樹は枯れてしまうし、効果があるかどうかはなかなかわかりにくいのです。
確実なのは怪しい枝を片っ端から切り落とすこと
確実なのはこの穴の開いた箇所から上の部分を潔く切り落とすこと。まさに肉を切らせて骨を断つ戦法。樹が枯れるよりマシでしょ?という考えで、大ダメージ覚悟で幼虫を確実に駆除するのです。
というわけで試しに数か所切ってみたんですが、この判断は大正解でしたね。怪しいと思って切り落とした箇所からはおおよそ80%くらいの確率でブドウスカシバと思われる幼虫が出現しました。
なんでこんなことが分かるかというと、切り落とした枝は全てハサミで輪切りにしていったからです。幼虫が内部にいる枝を輪切り・・・想像するだけで気持ち悪いですが、もちろんご想像のとおり気持ち悪いことになります。
そんなグロシーンをブログで公開するわけにもいかないので、こちらはブログ用に縦にカットしたもの。さらに遠めからの撮影という心遣い。虫のアップの画像なんて、誰も見たくないでしょ?(わたしも見たくない)
この作業をしたのは7月下旬くらいでしたが、幼虫の発生時期が5月下旬~6月中旬なのであれば、孵化後1~2か月くらいでこれくらいのサイズ感まで成長するということですね。
今後スミチオンがじわじわ効いてくる予定だったのかもしれないけど、予想通り少なくとも現時点(散布1か月経過)ではしっかり存命な様子。に、憎たらしぃ!!
ブドウの樹は内部が一部空洞になっているので動こうと思えばこいつらはある程度木の中を動いていきそうな雰囲気ですが、実際はどうなんでしょうね?退治する方としては移動範囲はごくごく狭い範囲だと信じたい。
画像のとおり内部が空洞になっていない部分まで枝を切り落とせば一番確実なんだけど、なるべく枝を切りなくない、でも内部の虫は極力排除したい、というのは相反する思いなのでなかなか難しいところですね。
今年は完全に収穫を諦めていたので結局幼虫が発生していそうな枝の多くを躊躇なく切り落としましたが、その結果随分とさみしい感じに。今年はこれでいいんですけど、毎年こんなことをしていると収穫どころではありません。どうにかして対策方法を確立しないと・・・。
直接攻撃系の殺虫剤がホームセンターに売ってた!
以前の投稿で「ブドウスカシバに対する農薬はパダンかフェニックスくらい。あとはスミチオンが使えるかも?」ということを紹介しましたが、近所のホームセンターに行ったらこんなのが売っていました。
侵入した穴から殺虫剤をブシャーっと噴射するタイプの製品です。これだよ、こういうのが欲しかったんだよ!
インターネットショッピングは便利だけど、農業関係に関しては田舎のホームセンターの方がずっと充実していることがよくあります。
今回発生しているのがほんとうにブドウスカシバなのか、それともカミキリムシなのかは分からないけど、製品のイラストは我が家のブドウの状況と全く同じ。もし多少虫の種類が違ったとしても全く効かない、ということはないだろうから、今後は積極的にこいつで攻撃できれば楽勝じゃね?
ちなみに、近所の農業やっているおっちゃんに聞いたところ、こういうのはイチジクのテッポウムシ対策に使うそうです。テッポウムシ?そんな虫いるの?と思いましたが、どうやらカミキリムシの幼虫の俗称らしいです。
使い方は簡単。これは先ほどもご紹介しましたが、内部に虫が発生している場所には穴が開いていて、そして穴からこのように木くずが溢れてきています。
この木くずを細い針のようなもので丁寧に取り除き、
ブシューっと穴から薬剤を噴射!!!
やっぱり薬剤は直接ぶっかけるタイプじゃないとね。こんな感じで噴射したら、流石に憎っくきブドウスカシバも逃げ道はないはず。毒を吹きかけられているんだから、こんなの絶対効果あるでしょ?
ただ、惜しむべくはブドウスカシバが侵入したと思われる穴のある枝はほとんど切り落としちゃったので、本格的な使用はまた来シーズン。もう少し早くこの殺虫剤に出会うことができていたのならば!!
最近の状況。樹が枯れる事態は回避できたっぽい?
そんなわけで6月くらいからブドウスカシバへの対策をあれこれ頑張ってきました。今年はブドウの樹へのダメージがあまりにも酷かったので正直心が折れそうなことが何度もあったんです。もう、植え替えた方が早くない?って感じで。
でも最近ようやく新梢がではじめてきたので、ブドウの樹はまだガッツが残っているみたい。ブドウの樹とともに、もうちょっと頑張ってみようと思います。
今回学んだこと
- 元気だったブドウの枝が部分的に枯れたら、そしてそれはある地点から先が全滅しているような状態なら、それは内部が虫によって食い荒らされている可能性大。
- 枯れるまでダメージを負った枝は助からないから、被害が広がる前に内部の虫ごと枝を切り落とす必要あり。
- 枯れる前ならまだ薬剤でなんとかなる・・・かもしれない。とにかく虫が侵入したと思われる穴を早い段階で見つけるのが重要。
- スミチオンが効くのかどうかは分からない。我が家では、散布から1ヶ月経過しても樹の内部の虫は存命でした。少なくも即効性は無いね。
こちらは過去に不自然に枯れてしまったときの様子。もうこうなっちゃったら回復は不可能だと思うので、被害が広がる前に虫が潜んでいる場所ごと枝を切り落としましょう。