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夏の日差しを和らげるために窓辺で蔓性の植物を育てる緑のカーテン。その緑のカーテンに使う植物といえばゴーヤのような一年草がメジャーですが、毎年苗から育てるのって効率悪くない?という想いからスタートしたのが我が家のブドウ栽培。ブドウは樹木ですから、毎年苗から育てる必要はありません。冬になると落葉しますが、毎年ものすごい勢いで葉っぱをつけるので、夏の季節には立派な緑のカーテンとなります。
そんな少し変わった理由で始めた我が家のブドウ栽培も今年で7年目。月日が経つのがほんとうに早くてビビってます。7年も栽培していたら流石にうまく育てることができるようになったんじゃね?と思いたいんですが、残念ながら全くそうじゃないんですよね…。
今年もすでにやらかしてしまっています。
シャインマスカットはダメダメ
我が家には現在シャインマスカットとピオーネがありますが、まずシャインマスカットは全然ダメー。
辛うじで葉っぱがついていますが、全く元気がありません。実をつけるなんてもっての外。今年の目標は枯らさないことでしょうか。
この葉っぱの毒々しさ。記憶にはないんだけど、殺虫剤をぶっかけるとか、そういうよっぽどのことをしないとこうにはならないと思うんだけどなぁ。とりあえず、少しでも良くなるように注意深く様子を見守るしかありません。ほんとう、なんでこんな状態になっちゃったんだろう?
ピオーネはトラブルはあったものの比較的好調?
勝手に折れる貧弱な枝
災難はシャインマスカットだけではなく、ピオーネの方にも。
というのも、
ある日朝起きたら枝が落ちていました。小さい子どもの言い訳じゃないけど、なにもしていないのに勝手に枝が折れた。まさにそんな感じ。
しかも結構立派な枝が2本も。ブドウの枝ってほんとうに脆くていとも簡単に折れてしまうものではありますが、今回は全く思い当たる節が全くありません。風で折れたというよりかは、アライグマとかネコとかが木登りしたんじゃね?ってレベルの折れっぷり。幸いなことにメインの枝じゃなかったから今後の栽培には問題なさそうなんだけど、気になるのが樹液漏れ。以前も経験したんですが、ブドウの樹は樹液の量が多く、枝を折ってしまうとそこから樹液が漏れ出てしまい止まらなくなるのです。
ところが、なぜだか今回は派手に折れているというのに気付いた時には樹液がぴったりと止まっていました。
折れ口には樹液が漏れたような跡がありますが、その樹液が固まって折れ口を塞いでくれている感じ。そう、まるで剪定作業でお馴染みのトップジンMペースト(木を剪定したときに塗るお薬)を塗ったかのような状態になっていました。
人間の血液と同じく、樹液にも流れたら固まる効果でもあるのでしょうか?なぜだかよくわからないけど、結果オーライですね。
今年は花房が大量
シャインマスカットは謎に枯れそうだし、ピオーネも枝が勝手に折れたりしていますが、ピオーネの花房のつきはとてもいい感じ。今までで一番たくさんつきました。
梢という梢に、これでもかというくらい花房がついています。元気がよいのは結構なんですが、いくらなんでも多すぎ!
ただ、花房がつき過ぎてもそれはそれで栄養が分散してよろしくなさそうなので、明らかに混みあっている場所は早々に間引きしてしまいます。わたしは貧乏性なのでこういう間引き作業はかなり苦手なのですが、ブドウはかなり高い確率で結実してくれるので、今の時点でバンバン間引いても大丈夫。ここである程度残していたとしても、どのみち後でもう一回間引き作業はする予定です。
奮発して初めてのフルメット処理
今年は大量についているブドウの花房ですが、6月に入る頃にはその花房に花が咲きます。
毎年紹介していますが、これがブドウの花です。花というにはあまりに違和感がある見た目ですが、このモヤシみたいなのが花なんです。種無しブドウにするための処理(ジベレリン処理など)の時期はこの開花時期が基準となりますので、開花チェックはとても大切。栽培を始めた当初、これが花と気が付かずに開花時期を見落としてしまったのは今となっては懐かしい思い出です。
種無しブドウを作るための無種子化処理は、満開から3~5日後に植物ホルモン剤を付与することで行います。ただ、この時期の見極めって難しいですよね。そもそもブドウの樹の開花時期って同じ樹でも根元部分と先端部分とで異なるのです。根元に近い部分はすっかり落花しているというのに、先端部分はまだ満開ということが普通にあります。
こういう場合は花房毎に処理をする時期をずらせば完璧なのかもしれないけど、そんな面倒なことは当然したくないので、なんとなくそれっぽい時期に処理を行います。雨の日は処理できないといった制約もあるので、最適な時期に完璧に合わせるのは現実的ではありません。
無種子化処理ですが、例年はジベレリンを使っていましたが、今年は少しお高いフルメット剤を使うことにしました。人生初のフルメット液剤です。なんだか、リッチになった気分。
ピオーネって分類上はどのブドウなの?っていっつも悩んでいるんですが(毎年調べているけど1年経ったら忘れちゃう)、たいていの品種は満開から3~5日経った落花期に5~10ppmの濃度に調整して付与すればいいっぽいです。
5~10ppmなんて計算できないよ!と思っちゃいますが、大丈夫。ジベレリンにせよフルメットにせよ、住友化学さんの製品では希釈の方法がわかりやすく記載されているので楽ちん。今回購入したフルメット液剤は10ml入りですが、それだと10ppmの希釈液が1Lできるようです。
無種子処理で一番肝心なのは、薬液を入れる容器の選定でしょう。小さい容器だとブドウの花房がうまく収まらないし、かといって大きな容器だと大量の液剤が必要となります。ジベレリンにせよフルメット液剤にせよ、ホルモン剤は高価ですからね。極力ケチりたいところです。
今回はキツネのイラストがかわいい、300ml程度の容量の紙コップを使用しました。パッと見た感じではブドウの花房はまったく収まらないサイズ感ですが、押し込めばなんとか根元まで液剤に浸すことができます。
無種子化処理はとても地道で、そして大変です。事前にそれなりに花房を間引いたつもりなんですが、それでも数がとても多いんです。1株でこの大変さなんですから、たくさんの樹を管理されている農家の方はほんとうに重労働なはず。
ジベレリン処理にせよフルメット処理にせよ、薬剤に食紅でも添加すればどの花房を処理したかとても分かりやすいのですが、結局毎年用意するのを忘れちゃうんですよね。
これからは台風とコガネムシに注意
というわけで、本日はここ最近のブドウ栽培の様子のご紹介でした。
ご紹介している以外にもいろいろとありますが、ブドウ栽培は毎年トラブルまみれなのでそれと比べると今年は順調な方かと思います。たくさんの花房がついて一安心ですが、ブドウ栽培はまだまだこれからが本番。これから台風の季節ですから、ただでさえ折れやすいブドウの枝をしっかり守らなければなりませんし、夏になると大量にやってくるコガネムシによる食害にも気を配らねばなりません。気を抜かず、美味しいブドウをたくさん収穫したいものです。