蕾が膨らんだと思ったらあっという間に花が咲き、そして実ができ始めているお庭のブドウ栽培。梅雨の時期でなかなか作業できる日に恵まれませんが、ジベレリン処理や摘房(花房の間引き)といった、この時期に必須となる作業をこなしていきましょう。
ピオーネのジベレリン処理
先月はデラウェアのジベレリン処理についてご紹介しましたが、デラウェアにはその後2回目のジベレリン処理も行っています。2回目は種子無し化ではなく、実の肥大化目的ですね。
更にそれから遅れること2週間ほど。今度はピオーネのジベレリン処理です。ジベレリン薬剤の説明書によると、ピオーネの最適時期は"多分"満開から3~5日後の落花期。"多分"としているのは、説明書にはピオーネってはっきり記載されていないからです。ピオーネって2倍体欧州系品種です…よね?全く自信ありませんが、それなら満開の3~5日後が最適時期らしいです。
これがピオーネのお花。全く花っぽくないんですが、このちっこいもやしみたいな白いピロピロがお花です。その根元には緑色の丸っこいのがあるんですが、蕾なのか、結実しているのか、初見ではなかなか判断が難しかったりします。開花時期ってジベレリン処理ではとても重要なのに、毎日注意してみていないといとも簡単に最適時期を見逃してしまいそう。というか、これまで何度も見逃してきました。
ピオーネに使うジベレリン薬剤の希釈濃度はデラウェアの100ppmよりも薄い25ppmなので、薬剤一錠で紙コップになみなみたっぷりできます。これなら花房を浸けるのもやりやすいですね。
落花期ということだけあり、ジベレリン処理を行うと花が薬剤中に散らばってなんだか鬱陶しい感じ。これであってんの?と実は不安になりながら作業しています。これで良かったのかどうかの答え合わせは、収穫時期のお楽しみ。種有りになっていたら問題あったということです。
デラウェアの摘房(花房の間引き)作業
続きましてデラウェアの作業。これは本当はジベレリン処理の前にやる作業なんだろうけど、慎重派のわたしは結実後にやります。ジベレリン処理時の作業の手間は増えるけど、間引いた結果実が付かなかったら残念すぎますからね。
こちら1回目のジベレリン処理から早くも1か月ほど経過した現在のデラウェアの様子。ご覧のとおりたくさん結実しております。やったね!
このように放っておいたらブドウの樹は大量の実をつけますが、我々栽培者としては数だけではなく質も重要なので、たくさんつきすぎた花房を間引きましょう。この作業を摘房と呼ぶみたい。
先人たちの知恵によると、新梢につき1〜2個が適切なんだとか。鉢植えの場合は欲張らずに1個にしましょう。残す花房をしっかりと厳選し、残りはハサミでちょん切ってしまいます。
あと、こういう横にぴょーんって出てる部分も切る場合があるようですが、ジベレリン処理とか袋がけの作業に支障がないなら、別に切らなくてもいいんじゃないの?って考えてるんでしょうが、どうなんでしょう?
もったいないという想いを我慢し、デラウェアはこんくらい間引きしました。プランター植えの一株でこんだけ間引くのですから、どれくらい大量の花房をつけるかがお分かりになるかと思います。
ピオーネの摘房(花房の間引き)作業
続いてパーゴラの下に植えている地植えのピオーネも間引き作業を行います。
地植えのピオーネはこんくらい間引きました。ピオーネは地植えだし、樹の大きさもデラウェアの3倍くらいあるというのに、意外と花房の数は少ないのです。ピオーネが少ないというよりかは、デラウェアが多すぎる感じ?
また、デラウェアと比べると少ないピオーネの花房ですが、数だけでなく質もデラウェアより明らかに劣る印象です。とくに今年は結実がイマイチな様子でこんな感じで歯抜け状態のやつが多かったのです。できるだけこういうのを中心に間引いたんですが、ちゃんと収穫できるのかちょ~っと心配になっちゃいますね。
コガネムシに要注意
今年もやってきやがりました、わたしの天敵コガネムシ。根を食い荒らす幼虫も鬱陶しいけど、イチゴ栽培とブドウ栽培においては葉っぱを食べる成虫もかなり厄介です。このテカテカボディを見つける度に怒りの感情が湧き上がるのは、君たちの親やそれ以上の世代に痛い目にあわされたからです。
こいつを放っておくと、あっという間に葉っぱは穴だらけに。うざーい!むっちゃうざーい!
気がついたらピオーネはすでに結構穴だらけ。
コガネムシ対策ではスミチオン乳剤という強い味方があるものの、収穫前に薬剤を使うのはできるだけ避けたいので、とりあえず今の段階では見つけ次第速攻で捕まえて駆除するようにしましょう。幸い動きはゆっくりなので、ティッシュなんかで簡単に捕まえられますよ。