イチゴって美味しいですよね?そんなイチゴが自宅で収穫出来たら嬉しいですよね?子供の食育にもピッタリですよね?
そんな想いで始めた我が家のイチゴ栽培。その経験を元に、家庭菜園でのイチゴ栽培(四季なりイチゴ、一季なりイチゴ)の方法について月毎にご紹介させて頂きたいと思います。
今回ご紹介するのは8月のお世話。
一年で最も暑い時期は8月上旬と言われておりますが、乾燥に弱いイチゴにとっては7月同様とても厳しい時期となります。それでもこの時期にイチゴのお世話を行う理由はただ一つ、子株による苗作りです。
これまで親株とランナーで繋がっていた子株ですが、遂にひとり立ちの時期がやってきましたよ。
8月のイチゴ栽培
イチゴの状態:厳しい陽射しとコガネムシによる食害でボロボロ
必要なお世話:むっちゃマメな水遣り、コガネムシ対策、苗のお世話
気をつけること:子株から作った苗が強い陽射しとコガネムシの餌食にならないよう注意!
栽培の条件
温度管理:一切なしの屋外栽培。ありのままの気温です。
栽培場所:レイズドベッドへの直植えと各種プランターの2通り
品種:品種不明の四季なりイチゴと、一季なりイチゴ(アイベリー、ジャンボイチゴまんぷく2号)
8月のイチゴの状態
イチゴは寒さに強い植物ですが、逆に暑い季節は本当に苦手。気を抜くとあっという間に水切れをおこしちゃうし、葉っぱも厳しい陽射しでボッロボロの焼っけ焼け状態。
畑などの地植えならどうしようもないけど、プランターで栽培しているなら日陰に移動させた方が絶対にお世話は楽です。カンカン照りの場所にプランターを出しておいたら1日2回以上の水遣りが必要になっちゃいます。
この時期では四季なりイチゴだろうが一季なりイチゴだろうが、どちらも同じような状態。
四季なりといえばその分類名から一年中実が収穫出来るように思えちゃいますが、実際のところは8月以降は全く実は収穫出来ないし、花すらつかないようです。
夏はわたしが最も嫌う害虫であるコガネムシの成虫が発生する時期。
我が家に発生する品種はイチゴを好んで食害するタイプなので、もう本当に無残な状態です。
それでもお世話を続けるのは来季の収穫に使う苗を子株から育てるため。
先月からランナーに出来た子株をポットに固定して苗を作り始めていますが、1か月経ってしっかり根も張ってくれたことでしょう。コガネムシに食べられてダメになった子株も多いけど、その他はしっかりと大きくなってくれています。
必要なお世話
むっちゃマメな水遣り
イチゴは乾燥を嫌い、むっちゃ水を欲しがる植物。地植えなら特別神経質になる必要はないけど、プランターやハンギングバスケットの場合は”冬の時期でも気を抜いて水切れさせないように!”と以前から何度も紹介してきました。
冬の時期ですらそんな感じなんですから、一年で最も暑い今の時期はイチゴにとって最も過酷な時期となります。
プランターの場合は日陰でも一日に最低1回の水遣りを、陽当たりが良い場所なら最低2回の水遣りは必要となります。出張などで家を空ける場合、夕立などの降雨がなければ高確率で枯れてしまうか、その直前の状態に陥ってしまいます…。
もちろん、日中に水遣りをすると土がアッチアチになって根っこに大ダメージとなりますから、比較的涼しい夕方~朝の時間帯に水遣りをしましょう。
害虫対策
わたしが最も嫌いな害虫はコガネムシ。理由は、幼虫だろうが成虫だろうが深刻な食害を行ってくるから。
コガネムシは品種によって食べる植物が違うみたいですが、イチゴの元には当然イチゴを食べるコガネムシが寄ってきます。
コガネムシの成虫が現れるのは5月頃からなんだけど、8月になると今度はその成虫たちが産卵した卵から幼虫が発生し、幼虫による食害も開始されます。
これを放っておくとイチゴはひとたまりもないので、早期駆除の為に薬剤散布をしておきましょう。
わたしはスミチオン乳剤をよく使用します。
幅広い害虫に対して効果があるし、使える植物の種類も多いから使い勝手がよいんですよね。
コガネムシって身近な昆虫ですし、見た目も不快でないから一般的にはあまり嫌われている昆虫ではありませんよね。ところが家庭菜園やガーデニングにおいてはとても厄介で、それらに携わっている人からは蛇蝎のごとく嫌われております。せっかく育てているイチゴをダメにされないよう、最大限の警戒を行いましょう。
親株とポット苗の切り離し
先月から親株が伸ばしたランナーに出来た子株を使用してポットで新しい苗を育てていますが、8月下旬頃には苗の根っこが十分育っているはず。親株と繋がっているランナーを切り離しても枯れることはないでしょう。
親株の管理も大変なので、いよいよ株の更新を行います。
株の更新といっても方法は簡単。基本的には親株と繋がっているランナーをちょん切るだけなんですから。
本当はもう少し大きくしてから切り離したかったんだけど、ご覧の通りコガネムシによる食害と日焼けが激しすぎるので避難させる為にも早々に切り離しを行いました。
切り離し後はより大きく育つよう、ポットからより大きいプランターに植え替えます。そして強い陽射しを避けれる場所へ移動させました。
元々の栽培場所から結構距離をとったので、これでコガネムシからも逃げることが出来れば言うことはないのですが…。もしこれでもコガネムシが襲い掛かってくるようであれば、ネットかなにかを被せてやらないとダメですね。
新しい苗のお世話
先月、ポットで苗を育て始める時に肥料入りの土や元肥を使用していない場合、植え替え後の子株に肥料を与えます。
与えるのはイチゴ栽培ではお馴染みの希釈した液体肥料。一般的な園芸用のもので十分ですから、お好きなものをどうぞ。
ただし、イチゴは肥料の与えすぎに弱い植物ですから、与えるにしても様子を見ながら週一回程度で十分でしょう。もちろん、何度も何度も与える必要はありません。
また枯れた葉っぱは残しておいて良いことはないので、せっせと取り除いてやりましょう。
親株の片付けでの注意点
子株へと株の更新をしたのであれば、これまでお世話になった親株はもう不要になります。お世話も大変なので、感謝の気持ちと共に片付けちゃいましょう。
しかしながらその時に注意しなければならないことが一つあり、それは古い土の取り扱い方。
これまで使っていた土を再利用する人もいれば捨てる人もいるかと思いますが、重要なのは絶対に他の土と混ぜてはいけない・一時的でも地面に置いてはいけないということです。
理由は、コガネムシの幼虫。
この時期のイチゴの土にはコガネムシの卵や、卵から孵った小さい幼虫が紛れ込んでいる場合があるのです。それらを他の場所に拡散するのだけは絶対に避けなければなりません。
わたしの場合、使用済みの土は一旦一輪車の上に出すことにしています。
捨てるにしても少しづつになるから仮置き場は必要になりますし、再使用するにしてもここなら害虫が紛れ込んでいないか目視確認出来ますからね。
この時期金属製の一輪車は日中極めて高温になりますから、中に入れた土は勝手に高温処理されます。そう、まるで鉄板焼きのように!それにより害虫も綺麗サッパリ駆除されてしまうので、虫嫌いなわたしはとても重宝している方法です。
今回親株で使っていた土には予想通り大量のコガネムシの幼虫が湧きつつありました(赤矢印は全部コガネムシの幼虫です)。あぁ、恐ろしい…。