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『LUMIX G VARIO 14-140mm / F3.5-5.6』レビュー!子供の動画撮影にピッタリの便利ズーム


Panasonicのマイクロフォーサーズ用の交換レンズ、LUMIX G VARIO 14-140mm / F3.5-5.6 ASPH. / POWER O.I.S.を購入しました。Panasonicのマイクロフォーサーズ用のレンズとしては最も高いズーム倍率であるこの高倍率ズームレンズ。実際に使用してみてわたしなりに感じたこともいろいろありますので、レビューをご紹介したいと思います。

 

運動会の動画撮影には便利ズームが必要

このレンズの必要性を痛感したのは、去年の秋にあった子供の運動会。

わたしは子供のイベントではカメラで動画も撮るんですが、これまでは望遠レンズを主に使ってました。

ところが、運動場のトラックを一周するようなかけっこや、運動場全体を使ったダンスなどでは望遠レンズでは対応出来ないことが分かったのです。

当たり前のことなんですが、子供の前後方向の動きが激し過ぎて近付いてきた時に子供の全身がカメラに収まらないのです。ならばと広角寄りのレンズに交換したら、今度は子供が遠ざかった時に豆粒のような小ささになってしまいます。

写真撮影ならばせわしなくレンズ交換することでなんとか対応出来るかもしれませんが、動画撮影では撮影途中でレンズ交換するわけにもいきません。

そんな訳で、運動会のように子供との距離が激しく変化するようなイベントでの動画撮影では、1本で近距離から遠距離までカバーするようなレンズが必要となることを痛感しました。

Panasonicの場合、それに当てはまるレンズは今回購入したLUMIX G VARIO 14-140mm / F3.5-5.6 ASPH. / POWER O.I.S.か、その前のモデルのLUMIX G VARIO HD 14-140mm/F4.0-5.8 ASPH./MEGA O.I.S.しかありません。

 

LUMIX G VARIO 14-140mm / F3.5-5.6 ASPH. / POWER O.I.S.のレビュー

LUMIX G VARIO 14-140mm / F3.5-5.6 ASPH. / POWER O.I.S.(以下 14-140mm)はコンパクトデジカメ的な言い方をするならば10倍ズームのレンズ。あまりに便利なんで”便利ズーム”とも呼ばれてますね。

しかしながら、コンパクトデジカメでは普及機でも何十倍ズームが当たり前だし、ズームに特化した機種なら100倍以上のズームも可能。それらと比較すると10倍ズームってなんだか物足りなさそうですよね。

でも画質重視の一眼カメラでは3倍ズームとか5倍ズームが一般的であり、10倍ズームってかなりのズーム倍率なのです。

 

外観はこんな感じ

このレンズは一般的な黒色と、光沢が眩しいシルバー色の2色展開。わたしは金属の光沢が好きなんで、迷わずシルバーを選択。

このシルバーってミラーレス一眼ではちらほら見かけるものの、一眼レフカメラではあまりない色調ですよね。カメラの威圧感も少なくなっていいと思うんだけどなぁ。

 

望遠側まで写せるレンズなので、むっちゃ伸びます。伸びたところは、プラスチック感全開の真っ黒色。この質感やシルバー鏡筒との色の違いは気になる人は気になるかもしれませんが、まぁ写りに影響はないので我慢しましょう。

 

ズームリング、ピントリングはプラスチック製。安っぽさは感じないけど、高級感も決して感じない、普通な質感。どちらも操作感はカサカサしていなくて滑らかです。滑らかな操作感は動画撮影時にとても有難い!

それ以外の鏡筒部分は金属製。金属製っていうとものすごく高級感のあるイメージでしたが、こいつの金属鏡筒はあまり高級感はありません。

触った瞬間に”いい物感”がはっきりと分かるパナライカ15mmとかパナライカ12-60mmとは全然違う!

その理由なんですが、多分、金属の厚みが違うような気がします。パナライカはずっしり重厚感があってまさに金属鏡筒!って感じがするけど、このレンズは樹脂製の鏡筒に薄ーいアルミ板を巻いたような感じ。そう、まるでアルミ缶のような感じ!金属鏡筒というよりかは、金属カバーなのでしょう。

それはそれで軽くていいですし、そもそも鏡筒の材質なんて写りに関係ありません。しかしながら、所有欲も満たしたい!という人はあまり期待しない方がいいかも。

 

ちなみに、気にする人は気にしまくるMade in Japan

 

カメラに装着したらこんな感じ

LUMIX G8に装着したらこんな感じ。

レンズのサイズ感はG8のキットレンズであるLUMIX G VARIO 12-60mm / F3.5-5.6 ASPH. / POWER O.I.S.とだいたい同じくらいなので、この14-140mmとの組み合わせもごくごく自然。とても良いバランス感。まぁGX8のキットレンズにもなっているくらいですから。

 

一方、Panasonicでは最小クラスのGM1に装着したらこんな感じ。

まさにレンズ付きカメラならぬ”カメラ付きレンズ”状態。GM1はとても小さいので、これは仕方がないですね。

 

レンズとカメラボディのバランスの悪さはそれ程問題じゃないのですが、カメラボディからレンズの下側がはみ出すのはよろしくありません。こうなると三脚にセット出来なくなり、実用上支障をきたしてしまうんですよね。GMシリーズを三脚にセットする機会は稀でしょうが、そういう場合はスペーサーを挟んで対応する必要があります。

 

サンワダイレクトのフード付きレンズキャップが使えます

この14-140mmレンズのフィルター径は58mm。

 

なので、以前購入したサンワダイレクトのフード付きレンズキャップが使用できます。

 

このフード付きレンズキャップは一瞬でレンズキャップの開閉が出来る他、そのままレンズキャップがフードに変身するのでわざわざフードを持ち運ばなくていいんです。フードって嵩張るので、荷物が多い時は邪魔ですよね。付け外しも面倒くさいし。

 

このフード付きレンズキャップは見た目がちょっとアレだけど、まさにこの14-140mmのようなお手軽便利ズームにぴったり。フードの効果は気休め程度かもしれないけど、付け外しする手間を考えれば仕方がないでしょう。

なお、こういう社外のフードだと写真にフードが写ってしまう”ケラレ”が心配ですが、このフードに関しては広角側の14mmでもギリギリ大丈夫でした。

 

写りはどうなの?

いろいろなシチュエーションで試してみましたが、一言でいうなら”普通”って感じ。

広角14mmから望遠140mmまで、特に不満無く自然に使えるように感じました。単焦点レンズと比べればそりゃ画質は劣ると言わざるを得ないし、敢えて言うなれば望遠側の画質がちょっとだらしないような気もするけど、十分実用的な画質です。PCのモニターや2L判程度のプリントでは気にならない程度の差といったところでしょうか。言うなれば、キットレンズの標準ズームがそのまま望遠側まで続くような感じ。AFも全くストレスなく合います。

しかしながら決して明るいレンズではないので、パナライカや単焦点レンズに慣れきっていると撮影環境によっては思うようにシャッタースピード上げられないことがストレスに感じることも。これ以上シャッタースピードを遅くしたくないので、積極的に絞れないのもストレスに感じちゃいます。

ちなみに、フォームウェアをバージョンアップすることでdual.i.s2に対応させることが出来ます。ボディ内手振れ補正の機種を持ってる人はレンズの暗さを補う為にも絶対にバージョンアップしましょ!

 

動画撮影はどうなの?

わたしがこのレンズを購入した最大の目的は動画撮影なんですが、動画撮影の性能はどうなんでしょうか?

Panasonicのカメラは動画撮影に強いとされていますが、わたしは以前からAFの迷い、AFの遅さがとても気になっていました。とくに、距離感が激しく変化する走る子供の撮影はとても苦手。写真だとあれだけピタリと一瞬でAFが合うのに、不思議なもんですね。

しかしながら、このレンズは今まで動画撮影で主に使用していたLUMIX G X VARIO PZ 45-175mm / F4.0-5.6 ASPH. / POWER O.I.S.と比べるととてもAFが安定しているように感じました。AFが合うのも早いです。撮影場所の条件にもかなり影響されますが、これなら全然実用の範囲内だと感じています。今のところは、ですが。

 

4K動画はどうなの?

ちなみに、わたしは動画撮影はすべて4K動画(30p)で撮影しています。そして、このレンズでもちゃんと撮影出来ています。

しかしながら、LEICA DGシリーズのレンズなどの説明には”4K動画撮影をサポート”と記載されている一方、このレンズの説明には"HD動画撮影に最適"と記載されているだけです。

レンズ鏡筒にはHDって誇らしげに印刷されているけど、

  • フルHD動画と4K動画には対応してないの?
  • ”サポート”とか”最適”ってどういう意味!?
  • 他には”動画に最適な設計”とかいう説明のレンズも見かけますがそれとの違いは??

などなど疑問がいっぱい。

Panasonicは好きだけど、こういうなんだかはぐらかすような記載ははっきり言って分かりにくいし、なんだか誤魔化しているようにも感じます。

もし動画機能に制限があるなら潔く記載して欲しいし、そもそも4K動画に不向きな何か理由があるなら、4K動画や4Kフォトが売りのGX8のキットレンズに設定するのはおかしいでしょ、Panasonicさん!!

とはいうものの、繰り返しますが今のところは4K(30p)での動画撮影は特に問題なく出来ているんですよねー。Panasonicの意図が全然分からない…。

 

まとめ

画質が無茶苦茶綺麗というわけじゃ決してないけど、このレンズじゃないと撮影出来ない動画があるのは間違いありません。

撮影者との距離が激しく変化するようなシチュエーションがある人や、このレンズ1本で全て済ましてしまいたいという人には唯一の選択肢となるでしょう。

このレンズはPanasonicのスタンダードシリーズである”LUMIX G レンズ(xシリーズ除く)”の中では、7-14mmに次いで高額なレンズではありますが、その価格相応の価値があるレンズだと感じました。むっちゃ便利ですよ!!

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