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カメラは子供の成長の記録が一番の目的であるわたしが、初めてそれ以外の用途目的のレンズを購入しました。
それがPanasonicの広角ズームレンズ、LUMIX G VARIO 7-14mm / F4.0 ASPH.です。
Panasonicのレンズには標準的な"LUMIX G Lens"、高スペックな"LUMIX G Lens Xシリーズ"、そしてLEICA銘の高級レンズである"LEICA DG Lens"の3種類のシリーズがありますが、このLUMIX G VARIO 7-14mmは"LUMIX G Lens"の中で最も高額なレンズ。
定価は12万円弱、実売価格は8万円程度、中古の個人売買では5万円程度で取引されています。発売が2009年と10年ほど前であることを考えると、びっくりする位値段が落ちていませんね。
なかなか子育て世代がおいそれと購入できる価格ではありませんが、この度好奇心に負けて入手してしまったので、早速レビューしたと思います。
マイクロフォーサーズの超広角レンズはいろいろあります
焦点距離何mm以下と超広角レンズというのか分かりませんが、マイクロフォーサーズのレンズ群で最も短い詳細距離である7mmというのは間違いなく超広角レンズ。
Panasonicのホームページにも『人間の視覚を超えた超広角14mm(35mm判換算)』って書いてあるしね。人間の視野を超えるだなんて、凄いじゃない。どんな写真が撮れるのかとっても楽しみ。
マイクロフォーサーズの広角ズームといえば、このLUMIX G VARIO 7-14mmの他、
- LEICA DG VARIO-ELMARIT 8-18mm / F2.8-4.0 ASPH.(Panasonic)
- M.ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F2.8 PRO(オリンパス)
- M.ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4.0-5.6(オリンパス)
の計4本があります。LEICA 8-18mmとM.ZUIKO 7-14mm PROはでかいけど高性能、LUMIX G VARIO 7-14mmとM.ZUIKO 9-18mmとはコンパクトさが売りですね。
他にも超広角単焦点レンズなら
- フォクトレンダー NOKTON 10.5mm F0.95(コシナ)
- PROMINAR 8.5mm F2.8 MFT(Kowa)
- 7.5mm F2 MFT(LAOWA)
などがあります。
超広角レンズって普通は一枚の写真にならないような範囲を、湾曲無くごく自然に写せるように、なかなか複雑で大掛かりなレンズになるみたい。
その中でもLAOWA 7.5mm F2 MFTは圧倒的な小ささで、コンパクトさ重視のわたしにはとても魅力的。
GM1にすらぴったりなサイズに凄く惹かれて随分悩んだけど、MF・単焦点・非純正という割には少々お値段が高いので断念しました。ごく稀に中古でも流通しているようですが、新品と大差ない金額で取り引きされているみたい。やっぱり、みなさん気になってるんですね。
という訳で、そこそこコンパクトでオートフォーカスも効くLUMIX G VARIO 7-14mmがやってきたのです。
好奇心から手を出してみた超広角レンズなので最も短い焦点距離を持つのはとても魅力的ですし、手軽に持ち出せるコンパクトさもいいですね。
LUMIX G VARIO 7-14mmはこんなレンズ
フード一体型の特徴的な外観。フードを装着されていると考えると、大きさは14-42mmとか14-45mmといった標準ズームレンズと同じくらい。
フード一体型なので特殊な専用のレンズキャップが付属し、もちろん一般的なねじ込み式のフィルターは装着できません。
2009年発売ということで、外観は垢抜けていないような昔のツートンカラーのLUMIXデザイン。高級感は…無いです。とてもじゃないですが、10万円オーバーのレンズには見えません。その分、中身にお金が掛かっているということでしょう。そうに違いない。
わたしはどうでもいいけど、気にする人はすっごく気にするMade in Japan"。
レンズキャップはフードに被せる形。
最初見た時は、こんなのすぐにフードが擦り傷まみれになっちゃうじゃん!!って思っていましたが、レンズキャップの内側にはスポンジが張られているのでそんな心配は無用。キャップの嵌りも適度に抵抗があるので、知らず知らずのうちに落っことす心配も少なそうです。
このレンズはズーム操作をしても全長が変わらないタイプ。その代わり、フード内部のレンズの位置がズーム操作により変化します。こちらは最も広角側である7mmの状態。
一方で、こちらは最も望遠側である14mmの状態。望遠になるにしたがってレンズが内側に移動するのです。レンズの移動の程度は7mm~12mmまでは距離に比例するような感じですが、12mm~14mmはほとんど動いていないように見えます。
ピントリングは清々しいまでのプラスチック感で、触るとカサカサしています。凹凸の大きさも相まって、1万円強のお値段の撒き餌レンズであるLUMIX G 25mm/F1.7の方が遥かに上質。一方でズームリングはゴム巻きでしっとりとした質感。操作感も引っかかる感じはなく、キットレンズよりかは上質だと思います。
『off toco』レンズポーチがピッタリ
例え外観に高級感が無くても、このレンズは10万円オーバーの高額なレンズ。しかも、少し特殊な形状なのでなんだかすぐに傷つけそうな感じです。どうにかしていい感じに持ち運べないかな~?と部屋をごそごそ漁ると、出てきたのが以前購入したoff tocoのレンズポーチ Sサイズ。
これが狙いすましたかの如くピッタリサイズ。ジャストフィット。まるで専用品じゃないの?っていうくらいのサイズ感。クッションもしっかりしているので、これで安心してこのレンズを持ち運べます。
カメラに付けるとこんな感じ
愛用のPanasonic DMC-G8に取り付けてみました。
まぁ、普通。
流石にコンパクトと言うには無理があるセットだけど、とにかく軽いので手軽に振り回すことできます。感覚的には本当にキットレンズの標準ズームって感じ。
お次はコンパクトさが売りのGM1に取り付けてみました。
こちらもコンパクト…っていうには若干嵩張る形状をしているけど、サイズ的にはiphone程度なので頑張れば鞄に入れて気軽に持ち出すことが出来そう。このレンズは風景などの記録に向いているレンズなので、出張とか、荷物が多い旅行などで重宝しそうな組み合わせですね。
人間の視野を超え…てないじゃん!
このレンズは超広角レンズですから、なんといってもその写りがとても楽しみでした。『人間の視覚を超えた超広角14mm(35mm判換算)』ってメーカーがいう位ですからね。
楽しみ過ぎて、ゴミ出しのついでに早速早朝から持ち出して撮影してみました。
おー、凄い!
…けど、これって人間の視覚を超えて…いるのかな?
確かに普通の画角のレンズと比較すると無茶苦茶広いんだけど、なんだか、目にした風景がそのまま写っているような印象を持ちました。
早速家に帰って人間の視野角について調べてみたところ、
- 人間の視野角は水平120度
- これは35mm換算で12mmのレンズに相当する
- しかしながら、普段は120度全てを把握しているわけではなく、注視した部分が強調されるように認識している。注視した時は35mm換算で50mmのレンズくらい?
ということが分かりました。ちなみに、このレンズは35mm換算で14mm。画角は114度とのことです。
うん。人間の視野を超えてないじゃん!!
いや、普段は120度全てを注視することなんて出来ないんだから、120度分全てに鮮明に記録することが出来るという点では人間の視覚を超えているかも?
とりあえず何も考えずに使ってみた感じでは、やっぱり風景や空を撮影するのにとても向いているレンズです。
F4通しのレンズですが、風景を撮影する時はしっかりと絞り込むのがセオリーですし、このレンズには手ぶれ補正はついていません。なのでしっかりと撮影したい時や、うす暗い時は三脚を使うべきレンズかもしれません。
なお、口コミやレビューでよく指摘されているようにゴーストはとてもよく出ます。まるで、オールドレンズかよ!?っていうくらい出ます。
わたしはフレアは嫌だけど、ゴーストは光源が強調されて結構好き。なのでこの点はそれ程気にならないのですが、気にする人はとても気になるかもしれません。
また、普通のレンズでは撮影出来ない室内全体の様子を撮影出来るのはとても便利。旅行や、イベントでの記録用として大活躍な予感。
なお、広大な画角を活かして遠近感を強調した撮影が出来ると聞いていましたが、少なくても地面付近の撮影はあんまり得意じゃなさそう。写っている範囲はもちろん広いんでしょうが、後々見てもそれほど広さを感じないですね。
料理の写真に使ったらどうかな?と思って、油そば屋さんで使ってみました。
まずはこちらはすっかり国民的カメラとなったiphone7で撮影したお写真。まぁ、普通ですよね。
そしてこちらが7-14mmで撮影した同じ油そばの写真。
出来る限り近寄って撮影したので、ドンブリやネギの主張がすごいことになっています。もちろん、もう少し離れて使えば普通に料理とお店の雰囲気を一枚の写真に収めるような使い方も出来ます。つまり、いろんな使い方が出来るってこと!!
と、こんな感じでまだ少ししか試せていませんが、せっかく購入した高価なレンズなのですから今後どんどん使用して、もっと効果的な使い方を見つけていきたいと思います。