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『LEICA DG SUMMILUX 15mm』レビュー!スナップ撮影に最適な小型レンズ


パナソニックの交換レンズで高級レンズと言えば、”パナライカ”の愛称で呼ばれるLEICA銘のついたシリーズである”LEICA DG Lens”

パナソニックには標準となるGレンズよりもワンランク上のシリーズであるXシリーズもありますが、最近はこちらのLEICAシリーズに力を入れているみたい。

2018年9月末の時点でマイクロフォーサーズ用としては10本あるパナライカレンズですが、スタンダードなGシリーズのレンズが30,000円から概ね100,000円程度の価格帯であるのに対し、このパナライカシリーズは70,000円~420,000円となかなか普通の人が手を出すには躊躇するレベルの価格帯。というか、多分普通の人は手を出さないレベル。市場価格は全体的にもっと下がりますが、やっぱり高い…。

写真はiphoneで十分という意見が大半を締める今の世の中で、しかも用途は子供等を写す程度の普通の人にとって、こんな高価なレンズは果たして本当に必要なんでしょうか。価格分の価値はあるのでしょうか。

そんなことが気になったわたしは、LUMIX GM1と併せてLEICA DG SUMMILUX 15mm / F1.7 ASPH.を試しに購入してみました。このレンズは高価なパナライカシリーズの中では最も安価で、恐らく最も使用者が多いんじゃないかと思われるレンズです。

小型で持ち出しやすいのでパナライカがどういうものなのかバンバン試してみるのにぴったり。購入して以来外出する時は必ず持ち出していろんなシーンで使用してみました。その結果わたしがどう感じたのかご紹介させて頂きます。

 

LEICA DG SUMMILUX 15mm / F1.7 ASPH.ってこんなレンズ

 

パナソニック製のLEICA銘レンズ、通称パナライカの中ではLEICA DG SUMMILUX 25mm / F1.4 ASPH.と並んで最も安価なレンズです。

カタログ上の価格は70,000円とすげー高いですが、ネット通販では42,000円程度で販売されています。中古でもお店なら38,000円程度。GX7MK2のキットレンズにもなっていたこともあり流通量はかなり多そうなんですが、それでも中古価格は結構高いんですね。この価格差ならわざわざ中古を購入するメリットは少ないでしょう

 

外観はまるでオールドレンズのようなメカニカルな感じ。このレンズの特徴である絞りリングがそう感じさせるんでしょうね。

外装の大部分は金属製で、高級感を感じます。プラスチック製のレンズは嫌だ!という人ならもうそれだけでメロメロ。フォーカスリングの動きもガタが無く滑らかで、とても上質です。手元にあったらずっと回したくなる!いや、回してます!

 

F値を変更する絞りリングですが、オールドレンズと違ってこのリングは物理的な切替ではなくあくまでも電子スイッチ。

回すとカチカチとしたクリック感があるのでとても楽しいです。クリック感は”A””1.7”の間が強く、それ以外はかなり弱め。知らない間に絞りリングが動いていた!というような口コミをよく見ますが、わたしが使用した限りはそこまで軽い感じでは無かったです。

文字類の内、白い文字とオレンジの文字は全て印刷ではなく、凹み部にインクが流し込まれている手の込んだもの。これなら使い倒しても文字が擦れて消える心配はありません。

 

いかにもライカっぽい可愛らしいフォント。

このレンズは焦点距離15mmの単焦点レンズなので、ズームはできません。これってコンパクトデジカメに慣れている人には結構衝撃的なことらしいです。最近は写真はiphoneだけ!っていう人も多いから、ズームできないことに慣れている人も多いかもしれませんね。
※ iphoneは一応ズームできるとけど、デジタルズームなので明らかに画像が劣化しますよね…。

 

気にする人は本当に気にするMade in Japan。わたしは全く気にしませんが、こうやってどやぁと側面に印字されているのを見ると、やっぱり気にする人は多いんでしょうね。

 

F値1.7の明るいレンズですが、口径はそれほど巨大には感じません。フィルター径は46mm。

 

付属のフードを装着するとこんな感じ。

珍しいことにフードも金属製。すごーく高級感がありますが、巷で言われているようにやや外れやすい印象。勝手に外れて落とすようなレベルではないと思いますが、造りが良いだけに絶対に落としたくないという気持ちが強く沸き上がります。それだけにフードの固定の緩さは一層気になるかも…。

フードを装着したままだと付属のレンズキャップを使用することができません。ですのでフード用のキャップも付属するんですが、LUMIXの汎用の46mmのレンズキャップならフードを付けたままでも装着することが出来ます

このタイプのキャップを付属させてよ!パナソニックぅ!

 

カメラに装着するとこんな感じ

ミラーレス一眼カメラ最小級のGM1に装着してみました。

うん、素敵。

フードと絞りリングを除いたレンズの直径はほぼマウント部と同じなので、同じくマウント部の直径がほとんどカメラの高さと同じであるGM1とはとってもバランスがよろしいです。

 

G8に取り付けるとこんな感じ。

ボディに対してレンズが細いので少しバランスが悪い気もしますが、変って程でもありません。カメラの見た目で写真の写りが変わる訳でもないので、そもそも気にすることでもないかもしれませんが。

レンズがとても軽いことに加え、G8はとても持ちやすい形状なのでレンズの重さを全く重さを感じません。片手でブンブン振り回せるのでこりゃ楽チン。

 

絞りリングの効果はどうなの?

このレンズの特徴である絞りリング。

これってどういう挙動を示すのかとても不思議だったんです。つまり、絞りリングの数値とボディ本体側のF値の関係性ですね。両者の数値が異なっている場合は?F値が自動的に調整されるシャッター優先AEモードの場合は?

実際にいろいろ試した結果、次のように機能することが分かりました。※パナソニックのカメラの場合です。

 

絞りリングが機能するのは絞り優先AEモードかマニュアル露出モードの2つだけ。

これは説明書にしっかり書かれているのですが、パナソニックのカメラでもこの絞りリングが常に機能するわけではないんです。自分で好みのF値を設定できるモード、つまり絞り優先AEモードマニュアル露出モードでないとこの絞りリングは機能しません。

例えばシャッター優先AEモードでは、ボディのダイヤルではシャッター速度と露出補正の2つを任意に調整することができます。その2つの調整の度合いの応じて、カメラが自動でISO感度とF値を調整してくれます。このモードではいくら絞りリングでF値の数値を設定しても、カメラはそれを無視して勝手にF値を変更していきます。

 

絞りリングが機能している時はボディからは何にもできない

絞り優先AEモードマニュアル露出モードで絞りリングが機能している時は、ボディ側からはF値は一切変更できません。

ボディ側でF値を変更しようとダイヤルを回しても、うんともすんとも言いません。ダイヤルのスイッチが切られているような感じですね。なお、絞りリングを”A”にするとその状態が解除されてボディ側で変更できるようになります。

 

絞りリングって結局便利なの?

さてこの絞りリング。ただの飾りなのか、それとも実用的な装備なのか。それは組み合わせるカメラ次第といったところでしょうか。

オリンパスのカメラならそもそもこの絞りリングは機能しないので、完全なる飾り

G8のような前後にダイヤルのついている機種なら片手で即座にF値は変更できます。むしろ絞りリングだとF値を変更するのに両手を使う必要があるのでかえって不便です。なので前後ダイヤルの機種ならやっぱり飾り

ところが、GMシリーズやGFシリーズのようなダイヤルが1つの機種ならむっちゃ便利です。これらの機種は1つのダイヤルでF値や露出補正・シャッター速度などを切り替えて調整する必要があるので、操作性がとても悪いんですね。そのような機種でもこの絞りリングなら即座にF値を切り替えられるので、とっても便利。

 

パナライカの写りってどうなの?

今回紹介しているパナライカの焦点距離は15mm。パナソニックには焦点距離14mmという、かなり近い焦点距離のレンズがあります。

それがこのパンケーキレンズ。

薄くて軽くて携帯性は間違いなくパナライカ15mmよりも上。価格も中古で15,000円以下ととってもリーズナブル。

 

また、ズームレンズですが焦点距離14mm~42mmのレンズもやっぱり15,000円以下で購入することができます。これもコンパクトなパンケーキスタイルで、やっぱりパナライカ15mmよりも携帯性は優れます。

これらの安価レンズと比較して、2倍以上の価格差と携帯性を犠牲にする価値のある写りが得られるのでしょうか。これはとても重要なことです。

そう思って同じ画角で撮った写真を比べてみました。同じカメラで適当に撮っただけです。

うん。全然分からん…。

両方絞りは開放で撮っていますので、パナライカのF値は1.7、14-42mmの方は3.6です。なのでボケの量や写りのシャープさはF値の違いによるものです。

分からないっていうのは、巷で言われているライカらしい色の乗りとかいう表現のこと。

F値を揃えた撮影や、物撮りだけじゃなくて風景や人物の撮影を晴れの日の屋外や室内等様々なシチュエーションで撮影してみましたが、やっぱり分かりません。

ライカらしい色っていうけど、そんなのカメラの設定やその時の撮影条件の方が遥かに影響が大きいんじゃね?っていうのが今のわたしの考えです。そもそもメーカーであるパナソニックはそんな表現は一切していないので、そういう色調での特徴が本当にあるのかどうかも怪しいのですが…。

しかしながらこのレンズで撮影した写真をずーっと見てみると、たまにハッとするような綺麗な写真が撮れていることがあります。

こういうのは全然論理的じゃないんだけど、そういう写真が撮れることがあるのでなんだかんだでこのレンズや他の単焦点レンズを使いたくなるんですよね。ほんと、感覚的なものなんですが。少なくても、等倍鑑賞とかする人でなければ決して不満を抱くような写りではないと思いますよ。

 

まとめ

カメラは道具でしょ?って考えからの普通の人にとって、このレンズはお値段だけの価値はないと思います。

写りは綺麗だし、AFは超速いし、不満な点は全くありません。しかしながら安価な14mmパンケーキレンズよりも2倍価値のある素晴らしい写真が撮れる訳ではありません。携帯性は14mmパンケーキレンズの方が優れますし。

正直、レビューなどでよく目にするライカらしい色乗りってもっと素人でもはっきりわかるもんだと思ってました。もうね、全然わかんないの

しかしながら、金属製の質感の高いボディは確かに所有欲を満たしてくれるものですし、レンズの明るさによるボケの量は明らかに優れます。こういった部分に価値を感じる人ならば、お値段相応の価値はあるかと思います。

わたし?わたしはとっても気に入っておりますので、黒色に続いてGM用のシルバーも購入予定ですよ!

続きもありますので、続きはこちらをどうぞ!

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