外構するお金が無いという理由で仕方が無く自分で作った我が家のウッドデッキ。モルタル作業も、ハードウッドも、それまでの人生で全く経験がなかったのに、やってみたら意外となんとかなるってことを実感したのがこのウッドデッキ製作でした。
そんなウッドデッキですが、気がつけばあっと言う間に製作から6年間も経っているじゃないですか!
6年間毎日屋外で直射日光や雨風に晒されてきたウッドデッキ。当然ながら、多少なりとも傷んできた部分もでてきております。
本日はそんなDIYで製作したウッドデッキの経年変化の様子をご紹介します。使用する木材によって経年変化や痛みの様子はかなり違うことが分かりましたので、これからウッドデッキを作って人の参考になれば幸いです。
やっぱり、ウリンがおススメ!
6年間でウエスタンレッドシダーはこれだけ変化する
わたしがウッドデッキを作り始める時、最も悩んだのは”ウェスタンレッドシダーでウッドデッキを作っていいのか?”ってこと。
今となってはすっかり金銭感覚が狂ってしまいましたが、当時はたかだか木材に何万円も費用を掛けるのにかなりの抵抗があり、その為比較的安価でしかも腐りにくいとされるウエスタンレッドシダーをメインの材料にしようかと考えていたのです。しかしながら、腐りにくいってだけでしっかり腐るし、そのうち崩壊するっていう意見も多くネット上で目にしたので、とても悩んでいました。
で、結局悩んでいても答えなんてでるわけがないので、テストを兼ねて実際に試してみることに。せっかくのDIYなのだから、傷んだらその部分だけ交換すればいいんだし。
ただ、ウェスタンレッドシダーはソフトウッドなので物理的なダメージには間違いなく弱い木材。なので床板のような耐久性が求められる部分ではなく、パーゴラ部分や笠木に使ってみました。耐候性を向上させる為、キシラデコールのカラミスとオリーブで2回塗りをしています。
そんなウェスタンレッドシダーですが、
6年間でこんな感じに変化しました。
6年間の間でメンテナンスはキシラデコールを1回重ね塗りしただけ。物理的なダメージを受けにくくまた通気性の良い場所だったので、かなり放置気味。それにしては腐食しているわけでもなく、そこそこ良い状態をキープしていると思います。物理的なダメージの多い床板や通気性の悪い根太だったら結果もまた随分と違ったでしょう。
ただ、表面はかなり白っぽく変色しています。この変色の仕方はいかにもソフトウッドって感じですね。別に悪い訳じゃないけど、ウリンなんかと違って色調や質感の変化は激しいと思います。ウェスタンレッドシダーらしい温かみのある茶色い色調がお好きな方は要注意!
白っぽく変化する度合いはどうやら場所によって違うようで、あまり直射日光がガンガンに当たらない部分はそれほど退色が起こっていません。陽当りの影響はかなり大きいようですね。
6年間でサイプレスはこれだけ変化する
靴などで絶えず物理的なダメージが加わる床板は頑丈さが必要。そんな場所にソフトウッドのウェスタンレッドシダーは使いたくないなぁ…と思って選んだのがこのサイプレス。
針葉樹由来の木材なのでソフトウッドに分類されることもあるけど、比重が重くてハードウッドのような頑丈さをもつちょっと変わった木材です。節がたくさんあるので、いかにも"天然の木材"といった優しい雰囲気が素敵。和風建築とのマッチングも良いかも?
そんなサイプレスはわたしにとっては初めてのハードウッドだったこともあり、とても思い入れの強い木材です。初めてこのサイプレスで床板を張った時はその質感の良さに本当に心を打たれたのを覚えています。ハードウッドとソフトウッドの質感って、こんなに違うんだ!と感動しましたね。ハードウッドは頑丈なだけじゃなく、質感もすばらしいのです。
そんなサイプレスですが、
6年間でこんな感じに変化しました。
靴で歩く部分が擦れて塗装が剥がれているんですが、かすれるようにして剥げているこの変化は結構好みです。いかにも古材チックな雰囲気が抜群で素敵じゃないですか?
ただ、場所によってはあれ?これカビてるんじゃね?って思っちゃうくらいの変色っぷり。腐ってるのかカビてるのかは分からないけど、どうみても、黒い。黒すぎぃ!
もちろん全部が全部こんな感じってわけじゃなくて、恐らく日当たりの悪くて乾燥し辛い場所が黒っぽく変色している様子。腐食して内部がグズグズだとかフニャフニャになっている様子はなく、強度は問題なさそう。ただ、見た目がすんごく、悪い。黒いのが好きな人はかなり少数派だろうから、これは結構痛いな~。
一方こちらはサイプレスで作ったウッドフェンス。こちらは逆に白いです。
むーっちゃ、白いです。先程のウェスタンレッドシダーとは違い毎年キシラデコールを重ね塗りしているというのに、すぐに退色してしまうんですよねー。
その裏っかわの状態はかなり良いです。この裏側は状態がいいので、これまでまともに再塗装をしていません。それなのにこの状態の良さ!白っぽい方には常に直射日光が当たり、逆にその裏側はほぼ一日中直射日光が当たらないような環境なんですが、先程のウェスタンレッドシダー同様、いかに直射日光が木材の経年変化に影響を及ぼしているかがよく分かります。
サイプレスもウェスタンレッドシダーと同様にキシラデコールのオリーブで塗装を行っているんですが、場所によってはこんな感じで塗装が剥がれるような傷み方をするのがウェスタンレッドシダーとの大きな違い。
床板のような剥げ方ならかっこいいのですが、この傷み方はなんだかみっともない感じですね。元々塗料を吸いにくい性質だから?でもそれならなんで床板はこうならないの?などなどいろいろと疑問が湧きますが、いずれにせよある程度の美しさを維持するためには定期的なメンテナンス(塗装)は必須でしょう。もちろん塗装をしなければこんなこと気にする必要はないんですが、先程の真っ黒になった床板の状態をみると、少しでも表面を保護するためにやっぱり塗装しておいた方がいいのでは…と思ってしまうんですよね。
ウリンは全然変化しない
最初はウエスタンレッドシダー数本を買うだけで悩んでいたというのに、その僅か2年後に大量購入しましたウリン。なのでウエスタンレッドシダーやサイプレスと違ってまだ4年くらいしか経っていませんが、ウリンの経年変化についてもついでに紹介します。
とは言っても…
ウリンは経年変化で色調が変わっただけで、痛みに関しては全く感じません。
ウリンも他の2種類の木材同様、キシラデコールで塗装しているというのに、その塗装の剥がれ方も全然違います。というか、塗装が全く傷んでいません。塗装の痛みって木材によってこんなにも変わるんですねぇ。今回ご紹介していませんが、一部で使っているガラッパ(6年間使用)もウリンとほぼ同じ状態だったので、耐久性の高い木材はやっぱり大きな違いがあるようです。
直射日光と雨風に最も晒されている場所だというのに、この美しさ。ウェスタンレッドシダーとサイプレスを同じように使っているからこそ、この耐久性の高さをひしひしと実感しています。
ウッドデッキを作るならウリンで作ろう
というわけで結論。
ウッドデッキはウリンで作ろう!
もちろんウリンの代わりにイペとかガラッパでもいいんだろうけど、とにかく耐久性が高いとされる木材はやっぱりウェスタンレッドシダーとは全然違うってことです。これは間違いありません。
今回予想外だったのがサイプレスの経年変化。サイプレスはハードウッドに分類されることもある木材で、実際触ってみた感じや加工時の手応えは間違いなくソフトウッドではなくハードウッドなんだけど、塗装の傷み方などの経年変化はややソフトウッドの特徴が現れるみたいですね。原因は良く分からないけど、必ずしも美しい経年変化をするわけではありません。
ウリンの値段は時期によっても結構変わるような印象を受けますが、だからといってウェスタンレッドシダーやサイプレスの何倍も変わるわけでもないので、美しさや強度がずっと長続きすることを考えるとむしろコスパは良いのではないでしょうか。一度に支払う金額が多くなるのはもちろんデメリットだけどね。
この6年間の経験から、強度が求められる場所や見た目を重視したい場所にはウリンを使おうっていうのがわたしの今の考え。しかしながら、風通しがよくてそれほど雨風に晒されない場所であればサイプレスでも十分だし、軽さを重視したい場合はウェスタンレッドシダーもよい選択肢になるでしょう。なかなか難しいことですが、木材の種類によるメリット・デメリットを知ったうえで、使用する木材を選びたいものですね。