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今年の運動会の撮影は2台体制!運動会での動画撮影でのLUMIX S5とX-T3の使用感のレビュー


今年は4月にパナソニックのLUMIX S5を、そしてほぼ同時期に富士フイルムのX-T3も購入しちゃったわたくし。X-T3の方は主にブログの画像撮影用とはいえ、高額なカメラボディを同時に2台購入というのは庶民のわたくしにとってはなかなかの血迷いっぷりでした。多分、コロナ禍による自粛の連続で頭がおかしくなっていたのでしょう。お金を使うのは気持ちが良いですからねぇ。

ところで、カメラの使い勝手や信頼性って、何度でも撮り直しができたりじっくり撮影することができる日常使いではなかなか分かりにくく、逆に子どものイベントや行事のような、たった一度っきりで失敗が許されないようなシーンだとむっちゃわかりやすくなるってこと、ありませんか?少なくてもわたしはすごくそう感じています。

しかしながら、ご存知のとおりコロナ禍のせいで今年のイベント関係は軒並み全滅状態…。せっかく2台もカメラを購入したというのに、その使い勝手を試す機会になかなか恵まれず、悶々していたんです。

ところが!そんなコロナ禍も最近落ち着いてきたこともあり、先日ようやく子供のイベントである運動会が開催されたんですよ。購入後半年経ちましたが、遂にイベント撮影の機会がやってきたってわけ。

撮影でメインで使ったのはもちろんLUMIX S5ですが、ついでに富士フイルムのX-T3も使ってみましたので、運動会の撮影における両機種の使い勝手について感じたことを紹介します。なお、わたしの使用用途は80%ほどが動画撮影ですので、動画撮影で感じたことが多いのは、あしからず。

 

LUMIX S5の使い勝手ってどーよ?

まずはわたしが大好きなパナソニックさんが作っていますフルサイズミラーレス、LUMIX S5のレビューから。でかくて重たい機種ばっかり発売しているパナソニックのLマウント機の中では、唯一の現実的な大きさと重さの機種。それでも他社のフルサイズ機と比べると特別コンパクトってわけじゃないけど。

組み合わせるレンズはLUMIX S PRO 70-200mm F4 O.I.S.と×2.0テレコンのDMW-STC20だけ。本当は便利ズーム(高倍率ズーム)が欲しいんだけど、現状Lマウントには便利ズームが存在しないんだから仕方がありません。これがLマウントへの最大の不満点。

動画撮影とほとんどの写真撮影は70-200mmだけで行い、アップでの写真撮影でのみ×2.0テレコンを取り付けるイメージ。日中の屋外だから、F値が暗くなるシャッタースピードの低下はほぼ気になりません。でもそれってフルサイズの恩恵がかなり低いということなんだけど…

あぁ、そうそう…せっかく購入したシグマの100-400mmはまったく出番がありません。テレコンまで買ったというのに!

 

心配していたAFは問題無し

LUMIX S5を使い始めてからこれまで最も不安に思っていたのが、動画撮影時のAFの不安定さ。

被写体との距離の変化が大きいシーンなんかだとAFがうまく追従しなくて、しかも一度見失うと永遠に復活しないということがこれまでたくさんありました。これはマイクローフォーサーズのLUMIX G8を使っている時にもよくあった現象だけど、LUMIX G9PROとオリンパスPROレンズとの組み合わせに変えてからは全く起こらなかったもんだから、なんだか懐かしい感じです(もちろん嬉しくない)。そして、不安でいっぱいです。

そんな不安たっぷりのAFですが、運動会では被写体との距離がそこそこ離れていることもあり、不具合は一切起こりませんでした。被写体との距離の変化が思っていたよりも大きくなかったんでしょうね。むしろLUMIX S5の1点+補助(人物/動物/AF)モードは撮影したい人物にしっかりとAFが食いついてくれたので、これまでで一番安定して撮影できた気がします。AFに関しては、とりあえず今回は大満足。

 

やっぱりカバーできる焦点距離に不満が…

分かっていたことだけど、やっぱり動画撮影において70-200mmはかなり不便です。徒競走やトラック競技なら全然問題無いんだけど、ダンスのような演技系では全然ダメ。70mmはいくらなんでも画角が狭すぎます。せめて28-200mmでいいから、広角から望遠域までカバーできるレンズは必須でしょう。

SONY EマウントとCanon RFマウントには24-240mmが、Nikon Zマウントには24-200mmがそれぞれ純正であるんだから、パナソニックさんも頑張って下さいよー、ほんと。

 

動画中に写真撮影できないのは不便じゃない?

地味に不便なのがこれ。

これまで使ってきたマイクローフォーサーズ機では全て、動画撮影中にシャッターボタンを押すとキャプチャーという形で写真も撮影出来ました。厳密には写真ではなく動画の切り出しなので、画質はイマイチでしたが、それでもワンオペカメラマンには有難い機能だったのです。

しかしながら、残念ながらLUMIX S5ではこの機能はない様子。

そりゃまー、PCでも動画から画像を切り出すことはできますけど、いままで当たり前のように搭載されていた機能なんだからわざわざ省くことないのに…ってすっげー思います。ついでにいうとカメラ内でのトリミング機能も。お願いですから、これらを再搭載してください!

 

連写性能は特に不満なし

LUMIX S5はパナソニックのLマウント機の中では廉価機の位置づけなので、連写性能などは他よりもややスペックが落ちています。AF-C時の連写性能がS1が約6コマ/秒であるのに対し、約5コマ/秒って感じですね。いざとなれば6Kフォトという手もありますが、少なくても子供の徒競走の撮影なら約5コマ/秒でも十分すぎる速度です。静止画のAF-Cの挙動は特に不安定さもなく、バチっと人物認識が効いているので歩留まりがとてもよかったです。一昔前はおまけ程度だった人物認識ですが、最近はすごいですねー。

 

富士フイルムX-T3はどうでしょう?

こちらは富士フイルムのAPS-C機であるX-T3。最近機種は手振れ補正が搭載されたX-T4だけど、わたしはX-T3で十分。コンパクトなのに写りも十分で、正直フルサイズ機のLUMIX S5に価格差だけの優位さがあるとはとうてい思えません。高いお金を払ってS5を買った身としては認めたくありませんが…。

ブログの写真撮影用に購入した機材なんだけど、前述のとおり便利ズームの無いLUMIX S5では演技系プログラムの撮影ができないため、その代わりに持ち出してきました。組み合わせるレンズはXマウントの便利ズーム、XF18-135mmF3.5-5.6 R LM OIS WRです。

 

動画サイレント操作は事前に練習しておこう

X-T3といえば富士フイルムらしいたくさんのダイヤルを用いたアナログな操作性が魅力的なカメラですが、動画撮影中はそのダイヤルではなく、タッチパネルで各種設定を操作することになります。動画撮影中にダイヤルカチカチは操作音が音声に入ってしまって煩いですからねー。

タッチパネルなので動画撮影中に設定を変えてもカチカチ音声が入らないのはもちろん大きなメリットなんですが、この設定を開く為のタブがちっこいのは結構使いにくいポイントです。押す場所がズレるとタッチAFが作動して被写体とは全く関係ない場所にAFを合わせてしまうことになるので、くれぐれもタッチは慎重に。サイレント操作の設定メニュー自体は使いやすいんですけどね。できればしっかり練習して、操作に慣れてから使いましょう。できればもっと設定を変更しやすいよう、タッチボタンを大きくしてくださいよ、富士フイルムさん!

 

ズーム操作時のAFが泣き所?

これは事前のテスト時から分かっていたことなんだけど、X-T3とXF18-135mmの組み合わせでは、ズーム操作時にAFが一旦外れることが多いです。つまり、被写体にピントを合わせたままの画角の変更はかなり気を遣うってこと。。

XF50-140mm F2.8 R LM OIS WRでテストした時はそんな現象は起こらなかったので、多分ボディであるX-T3側の問題じゃなく、XF18-135mmの方の仕様のような気がします。XF18-135mmは2014年発売となかなか古いモデルですから、動画撮影はそこまで意識してなかったのでは?と素人ながらに勘ぐってしまいますね。でも、Xマウントの便利ズームはこれしかないんだから仕方がありません。撮影出来るだけよしとしましょう。富士フイルムも最近動画撮影を意識してきているみたいなんだから、便利ズームをリニューアルしてくれたら嬉しいんだけどなぁ。

なお、ボディ側の動画撮影時のAF設定で、AFを粘らない方向に変更し、更にAFの速度を高めることでこの現象はかなり改善させることが可能です。これによりピントがせわしくなるというデメリットはありますが、撮影出来ないよりかはずっとマシですからね。とりあえず今回はそれで乗り切りました。このカメラに限らず、動画撮影中のAF-Cの設定変更はかなり重要です。いろいろ試してみましょう!

 

露出が安定しないのはどーにかならない?

X-T3の動画撮影で致命的に感じたのがこれ。

たまーになんだけど、撮影中に露出が大きく変化し、2~3秒間くらい映像が明らかに暗くなることがあったのです。逆にパッと明るくなる時もあるけど、暗くなる時の方が多いように感じました。なにか操作を行った拍子に、というわけではありません。ほんとうに、いきなり勝手に露出が変化しちゃうイメージ。

設定はISO感度とF値はマニュアル、それに合わせてシャッタースピードのみオートという状態でした。もしかするとこの設定時独特の挙動だったりするかもしれませんが、この日は他の設定で試す余裕もなかったので現時点ではまだなんともいえません。なんであれ、露出が不安定になるのが仕方が無いってわけはないんですけどね。

これをてっとり早く解決するのはAEロックをすることなんだけど、悩ましいのは露出が完全に固定されるのも困るってところ。撮影中にカメラの向きを変えることなんて、ホームビデオではいくらでもあるでしょ?その度にAEロックをポチポチ解除するっていうのも…ねぇ?

この挙動の不安定さは結構悩ましい問題で、今後このX-T3をここぞという場面で使うのは少し気が進まないなぁ。写りがいいだけに、とっても残念。

 

LマウントとXマウント、動画撮影に使えるのはどっち?

というわけで、運動会で一日がっつり使用してみた結果、どちらも一長一短…というのが正直な感想なんです。

LUMIX S5の性能は優秀だと思うんだけど、レンズのラインナップに便利ズーム(高倍率ズーム)が無いのはイベントの動画撮影では致命的すぎるでしょう。これまで何度も言っていますが、早く出して!パナソニックさん!

そしてX-T3はXF18-135mm使用時のズーム操作時の一旦ピント外れやすい現象と、動画撮影中に稀に露出が変化する謎の現象の2点が残念ポイント。XF18-135mmはもう随分古いレンズだし、そろそろバージョンアップしてはどうでしょう?ズームリングも滑らかじゃないし、せっかく動画向けの焦点距離なのに、あまり動画に向いていない気がします。

というわけで、結論!

やっぱり動画撮影はマイクローフォーサーズかなぁ…。

もちろん光量が乏しいシーンなら全く結果は異なるんだろうけど、日中の屋外での撮影ならフルサイズのLUMIX S5やAPS-CのX-T3との画質の差は少なくてもわたしにはそんなに気にならないレベル。じっくり拡大したりしてみたら違うかもしれないけど、動画ですからねー。

それよりも軽さとコンパクトさ、そしてよく効く手振れ補正が圧倒的に便利です。オリンパスの12-100mm F4.0 PROGH5・G9PROあたりの組み合わせが、屋外でのイベント撮影では無敵の組み合わせなんじゃないでしょうか?

それでもやっぱり動画撮影の合間にフルサイズで写真も撮りたいので、何度も言いますが、それ1本で幅広い画角をカバーできる便利ズームを出してください!パナソニックさん!

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