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GF2、G3、G8、G9PROと10年間にわたりパナソニックのマイクロフォーサーズ機をメインで使い続けてきたわたしですが、とうとうメインの座を他のマウントに変更するときがやってきました。つい先日の投稿で、富士フイルムX-T3の購入をきっかけに、マイクロフォーサーズ機どうなんだろう…って気持ちになったと紹介しましたが、そっからはもう急転直下。勢いでのマウント変更となりました。
移行先はライカLマウント
移行先はここ2年ほどサブ機で使ってきた富士フイルムXマウントではなく、ライカLマウント。昨年LUMIX S5が発表された際にも大いに迷ったんですが、その時は結果的にLEICA 10-25mm F1.7を購入してマイクロフォーサーズ継続を判断していましたね。
この時購入したLEICA 10-25mm F1.7は世界初のF1.7通しのズームレンズということで、いかにもパナソニックらしい意欲的な一本。鏡筒の作りは素晴らしいし、性能も申し分ないのでしょう。最初は不思議に感じたその焦点距離も意外と使いやすいことに驚かされたものです。コロナ禍の第1波が落ち着いた時期に、ほぼこれ1本でディズニーにも行ったなぁ。
ただ、G9PROもしくはGH5とこのレンズの組み合わせって、同じくパナソニックのLUMIX S5とキットレンズである20-60mm F3.5-5.6の組み合わせと完全に競合してるんですよね。焦点距離も、重量も、価格も!大きさに関してはむしろフルサイズ機のS5の方がずっと小さいなんて有り様。マイクロなのに、全然小さくないよ!マイクロフォーサーズ!
ただ、F値はF1.7とF3.5-5.6と両者で大きな違いがあって、この点はマイクロフォーサーズコンビの方が有利。でもセンサーサイズでもマイクロフォーサーズとフルサイズとでは大きな違いがあるから、両者の単純な比較は難しいところ。ボケの量はマイクロフォーサーズ F1.7の方が多いかもしれないけど、室内などのやや光量が乏しい撮影環境での階調性や高感度耐性の差を埋めれるほどの差ではないなっていうのがわたしの実感。
つまり、わたしの使用用途ではLEICA 10-25mm F1.7は期待していたほどの劇的な効果は無かったのです。
LEICA 10-25mm F1.7が高額なレンズだっただけに、この点はずーっと頭の片隅に引っかかっていたんですよね。マイクロフォーサーズはやっぱり暗所撮影は苦手。やっぱりセンサーサイズの影響って大きく、その差をレンズで埋めるのは無理。それぞれのカメラにはやっぱり何かしらの得意・不得意があるのだなぁと改めて実感した次第です。
というわけで、我が家にやってきましたライカLマウント機。チョイスしたのはもちろん以前散々悩んだパナソニックのLUMIX S5です。
というか、S1シリーズはデカすぎ&重たすぎだし、ライカは高すぎだし、SIGMAは尖りすぎてるし、一般ユーザーだとLマウントはS5一択じゃない?こいつのせいでハイエンド系マイクロフォーサーズ機も、無印S1もすっかり駆逐されてしまいそうな予感。自社製品とカニバってしまって、パナソニックさん大丈夫でしょうか?
10年間使い続けたマイクロフォーサーズのまとめ
というわけでメインのカメラは今後はLUMIX S5となるわけですが、これまで10年間使い続けたマイクロフォーサーズについて感じたことをまとめておきます。
オリンパスPROレンズは神
マイクロフォーサーズ機で画質を求めるならオリンパスのPROレンズが鉄板。
これはよく耳にしますが、わたしもそう思います。写真家の岩合氏も使われているそうですが、展覧会で見た作品は凄まじく解像していました。でっかいパネルでも全然綺麗。
高性能なレンズはパナソニックにもありますが、LEICAシリーズはわたしにはあんまりしっくりきませんでした。オリンパスPROレンズのようなシャープな感じの方が好みなのでしょうね。
12-100mm F4.0 PROが特に神
マイクロフォーサーズでレンズ一本選ぶなら、即答でこのレンズを選びます。ハイエンドの高倍率ズームという、非常に珍しいレンズ。
マイクロフォーサーズとしてはデカいし嵩張るけど、これ一本でほぼ事足ります。EXテレコンを併用すれば、35mm換算で24mmから400mmまでいけるんですから。しかも画質も文句なし。動画もオッケー。防塵防滴。よく効く手振れ補正。
子連れのレジャーなど荷物を減らしたい時や幅広い画角での動画撮影の必需品。
望遠が得意
スマホ全盛期の現在におけるマイクロフォーサーズの最大の強みはこれじゃないでしょうか。いくらスマホが進化しようとも光学ズームにはある程度の物理的なスペースが必要ですから、特に望遠域はまだまだカメラの得意分野。すんごい望遠がコンパクトに使えるのはマイクロフォーサーズの真骨頂ですね。わたしはオリンパスの40-150mm F2.8 PROがお気に入り。やっぱりPROレンズはよいですよ。
高感度耐性はかなり厳しい
パナソニックのG9PROでわたしがギリギリ使えるISO感度は1600〜2000。ギリギリってだけで、800くらいから画像のザラつきが気になることも。暗いシーンは本当に苦手。
ISOを200で維持できるような屋外だと流石にザラつきはないけど、明るい時は明るい時で、白飛びなんかに悩まされることがあるんですよね。
つまり、手軽に美しい画質を得ることができる範囲は他のフォーマットよりも狭いって感じ。センサーサイズの割に画素数上げすぎじゃない?
もちろん、手軽じゃなくきちんと手間をかけたり工夫をおこなえば、厳しい撮影環境でも美しい画質を得ることができるのはインターネット上の多くの作例が証明しています。
性能を求めると全然コンパクトじゃない
わたしが最近マイクロフォーサーズに対して最も不満に感じたのがコレ。
センサーサイズの異なる機材で、同じ画角・同じF値で機材の大きさを比べたら、そりゃマイクロフォーサーズはAPS-Cやフルサイズよりもずっとコンパクトでしょう。でもそれって全然フェアな比較じゃないですよね。センサーサイズが違えば例えレンズの明るさが同じでもボケ具合や階調性は全然違うんですから。
結局のところ、マイクロフォーサーズの小さいセンサーで性能を追い求めると、レンズで補う必要がでてきます。F値は他のフォーマットよりもより小さくしないといけないし、その為レンズがどんどん大きくなるんですよね。
その結果が、冒頭でご紹介したLEICA 10-25 F1.7とS5のレンズキットの比較になるわけです。LEICA 10-25 F1.7とG9PROの組み合わせは本当に、デカい。システム全体の大きさがほとんど変わらないのなら、そこまでしてセンサーの小ささにこだわる必要、ある?
性能を追い求めなければやっぱり小型軽量
性能を追い求めれば他フォーマット並に大きくなってしまいますが、光量が少ないシーンなどを潔く諦めれば、他フォーマットでは不可能なコンパクトなシステムになります。
わたしのお気に入りのGM1はまさにその代表格。ここまで小さいと流石に使いにくいけど、これで35mm換算24mmから200mmまでカバーできるのはすごいこと。14-140mm F3.5-5.6との組み合わせなら手のひらサイズで28mmから280mmですよ。このカメラは随分昔の機種となってしまいましたが、いまだに所有し続けていますし、これからも使い続けていくでしょう。
ところで富士フイルムは?
そうそう、今回のマウント移行の背中を押してくれたのは富士フイルムのX-T3。
X-T3を所有することで、富士フイルムの第3世代機はイマイチ信頼性に欠けていたけど、第4世代機はすさまじく進化していることがよく分かりました。わたしは動画も写真も同じくらいの割合で撮影するので、買ったばかりのX-T3にX-T4を買い足してもよかったのですが、それでもLUMIX S5を選んだのは長年パナソニック製品を使い続けていることからの思い入れでしょうか。なんてったってデジカメ時代から数えますと、パナソニック製カメラを17年間使い続けているのですから。
なので富士フイルム機は引き続きブログ用画像撮影メインのサブ機として使用する予定です。ブログ用写真なら何度も撮り直しができるから練習にもってこいだし、植物の写真などは富士フイルムの鮮やかな発色がとても相性が良いのです。ブロガーの方におススメするなら、絶対に富士フイルムのカメラですね。
このマウント変更の懸念点。Lマウントには便利ズームがない!
というわけでLマウントにメインの機材を移行するわけなんですが、わたしにとって現状のLマウントにはあまりに大きな懸念点があります。
Lマウントには便利ズームがない。
子供の運動会なんかを動画撮影するなら、焦点距離の範囲が広い便利ズームが必要不可欠。望遠レンズじゃトラック競技やダンスなんかで近付いてくる我が子を捉えられませんからね。マイクロフォーサーズには12-100mm F4 PROという神のような便利ズームがありました。そんな高級路線でなくてもよいから、Lマウントの便利ズームを出してくだい、パナソニックさん!SONY Eマウントには24-240mm F3.5-6.3が、NIKON Zマウントには24-200mm f/4-6.3があるんだからできるでしょ、パナソニックさん!?
念のため富士フイルムの便利ズームであるXF18-135mm F3.5-5.6は購入済みなので、Lマウントに便利ズームが存在しない間はこれで凌ぐつもり。ただ、そもそもAPS-Cとフルサイズの画質の差なんてレンズの明るさで十分補える程度の差なので、今後Lマウントのレンズラインナップが微妙な場合はさっさと富士フイルムメインに切り替えちゃうかも。頼みますよ~、パナソニックさん!
とりあえず、富士フイルム機での動画撮影はいままでほとんど経験がないから、まずは運動会シーズンに向けて早くX-T3での動画撮影も練習しないとね。