ブドウにやってくる2種類の害虫
ブドウを育てていると毎年100%やってくる害虫が2種類います。
1種類目はわたしにとって永遠の天敵ともいえるコガネムシ(とその幼虫)。成虫は葉っぱを食い荒らす厄介ものですが、成虫とは比べ物にならないくらい厄介なのが幼虫。幼虫は地中の根っこを食い荒らしてしまうので、知らず知らずのうちに植物を完全にダメにしてしまいます。わたしはこれまでこいつに何本もの植物をダメにされてきました。
そんなコガネムシも最近よく見かけるようになり、コガネムシとの闘い(2023シーズン)もこれから本格化。成虫・幼虫ともに食害を防ぐためには薬剤散布が王道の対策となるのですが、ブドウの場合は実を育てている最中なのでそう簡単に薬剤散布できないのが悩ましいところ。しばらくの間は成虫は見つけ次第捕殺、幼虫が発生する時期になったらもう実の収穫は終わっているはずなので薬剤散布するって感じでしょうか。
放っておくっとあっという間に食べ尽くされる?大食漢なスズメガの幼虫
本日のお話のメインは、残るもう1種類の害虫。わたしのとってはコガネムシよりもずっと厄介度は低いのですが、苦手な人にとってはその見た目のせいでより最悪かもしれません。
それがこいつ。スズメガの幼虫です。大多数のイモムシ嫌いの方に配慮して、チープなイラストでのご紹介。
スズメガの幼虫といっても種類のよって大きさや模様・形も違うのですが、共通しているのはお尻に生えている一本の棘(角?)。この超特徴的な形状により、誰でも一目でスズメガの幼虫だと分かるでしょう。信じられないことに、このずんぐりむっくりとしたスズメガの幼虫が好きだという人も世の中にはおられるようです。
このスズメガの幼虫なんですが、体が大きくなることもあってかなりの大食漢。放っておいたらあっという間に多くの葉っぱが穴だらけにされてしまいます。知らず知らずのうちの植物をダメにするコガネムシの幼虫のような陰湿さはありませんが、その代わりドストレートなパワーで嫌がらせしてくる系の害虫です。
スズメガの幼虫の見つけ方
葉っぱに穴が開くようになったら何かによって食害されているってことなんだけど、その犯人を捜すとなると結構難しい話。例えばコガネムシの成虫の場合だと食べるときだけ飛来してくるので、コガネムシの食事のタイミングでなければいくら探しても見つかりっこないのです。見つけるためにはマメに植物を見張るしかありません。
でも、犯人がスズメガの幼虫の場合、探すのは比較的簡単。
というのも、スズメガの幼虫が食害の犯人の場合、食害をおこなっている植物の下にはスズメガの幼虫による糞が大量に落ちているようになるから。スズメガの幼虫はアサガオにも湧くのですが、初めて見たときは、「これってアサガオの種?」って素手で触ったことがあるのは懐かしい話。
糞が落ちている場所の上で、かつ食害により穴が開いている葉っぱがある周辺にスズメガの幼虫は必ずいます。スズメガの幼虫にとって葉っぱは食事であり、住処でもあるのです。
ほら、いた!!
体がデカいので少しはみ出していますが、葉っぱに綺麗にくるまっていて非常に上手い隠れっぷり。”スズメガの幼虫がいる”と確信をもっているので見つけることができますが、そうでなければなかなか見つけるのは難しいでしょう。
スズメガの幼虫の種類にもよると思いますが、一つの植物に対して大量に湧くことがないのはせめてもの救いですね。湧いても1匹~3匹程度な気がします。
スズメガの幼虫のやっつけ方
やっつけかたといっても、そんなに特別な相手ではないので、手っ取り早く終わらせたい人は殺虫剤をプシューっとすればすぐに解決。化学の力はすごいね!
しかしながら、もし我が家のブドウのように収穫待ちの作物にスズメガの幼虫がやってきている場合は、むやみやたらに殺虫剤を使いたくはありません。今回ご紹介するのはそういう場合の対処法。
殺虫剤を使わない場合は生きたままスズメガの幼虫を植物から引き剝がす必要があるんですが、これが結構大変なんです。というのも、スズメガの幼虫はその豊満なボディに見合うだけのパワーがあり、引き剝がそうとしても全力で抵抗してくるのです。これ以上引っ張ったら体が千切れるんじゃね?というくらい引っ張ってもしがみついていることも。きっと引き剥がされたらお終いということをわかっているのでしょう。そして、それは正しいのです。スズメガの幼虫って賢いね!
物理的に引っ張ってもかなり大変なので、わたしが愛用するのが散水ノズル。そう、水のパワーで引き剝がすのです。
コツとしては、なるべく水の勢いが強くなるようにして(ジェットモードなど)、そしてスズメガの幼虫が踏ん張る隙を与えないように初撃で勝負を決める、といったところでしょうか。
上手くやればそこそこ成長した大物でも、一瞬でブドウの樹から引き剥がすことができます。やっぱり重要なのかいかに不意打ちをするか。
植物にくっついているときはすさまじいパワーを発揮するスズメガの幼虫ですが、なぜか地面に落ちると一転して無力になるので、あとは燃えるゴミの日にでも出してやればよいでしょう。
なお、スズメガの幼虫はゴミ袋くらい簡単に食い破ってしまうので、捨てる前に殺虫剤を散布しておくことをおすすめします。