Contents
木材はDIYに欠かせない素材の代表格。
DIYで木材が多用される大きな理由は価格の安さと加工性の良さ、そして入手の容易性だと思うのですが、それに加えてその独特な質感が大好きな人はきっと多いはず。木材の優しい雰囲気は本当に素敵ですよね。
そんな安らぎや癒しのイメージが強い木材ですが、木材の中にはワイルドな雰囲気たっぷりな素材もあるのです。
その一つが今回ご紹介するOSBボード(OSB合板)。
DIY向けの素材ではなくバリバリの建築用の材料なんだけど、使い方次第ではDIYでも活用できるとても面白い素材なんです。わたしもたっぷり愛用しております。
しかしながら建築用の材料だけあり、DIYで使用する上でいろいろとデメリットがあるのも、また事実。
そこで今回はわたしも愛用しているOSBボードについて、DIYで使用する上で気を付けたいことと共にご紹介したいと思います。
今回紹介するアイテム
商品名:OSBボード(OSB合板)
メーカー:?
購入価格:910×1820mmで1,200円程度
結論:特徴的な見た目が面白いけど、使い方はやや難しい。特に端部の処理には工夫が必要
OSBボードとは?
OSBボードのOSBとはOriented Strand Bordの略で、これは日本語では配向性ストランドボードといいます…って、それでもさっぱり意味わかりませんよね、ふつう。
その正体は、比較的荒い短冊状の木片を接着剤で固めて作った板のことで、つまり合板の一種です。
木片を接着剤で固めたタイプの合板にもいろいろな種類がありますが、OSBボードはそれらの中でも木片のサイズがかなり大きく、そして強度を出す為にその木片の向きが管理されている合板です。
なんといっても、粗く削られた木片によりこのような独特な外観をしているのが最大の特徴。カラーボックスや一般的な家具に使用されている合板とは全然違う見た目をしているでしょ?
OSBボードは構造用合板なので、建物の建築(壁下地材・床下地材・屋根下地材)に使用されるのが本来の用途。なので、施工途中でない限り我々一般人がお目にかかる機会はあまりないはず。
しかしながら、OSBボードはその極めて特徴的な外観と比較的安価な価格から、本来の用途とは異なるDIYの素材として使用されることも多いのです。もしかすると、そういった用途で使用されているOSBボードならば目にされたことがある人も多いかもしれませんね。
OSBボードの活用例
店舗の内装
これはプロによる施工だからDIYではないんだけど、その独特な質感をそのまま活かしている施工例。
OSBボードは構造用合板だから壁に使用すること自体は本来の使用方法なんだけど、通常されるはずの内装仕上げ(壁紙等)は一切されていません。それでもOSBボードは木片を接着している接着剤のお陰で意外と艶やかですから、塗装などの表面仕上げをしなくても見栄えは十分良いです。
こちらの店舗では内装のほぼ全てがこんな感じなので、なかなか…いや、かなりワイルドな雰囲気を醸し出しておりました。
わたしは店舗でのこういった施工例を今まで2回見たことがありますが、なぜか両方ともラーメン屋さんでした。不思議~!
OSBボートといえばガレージ内装!
こちらはわたしがDIYで製作したガレージの内装。
OSBボードのワイルドな質感は、ガレージとの相性が抜群。ガレージでの使用事例はプロ・アマチュア問わず本当に多いですよね。
見た目だけではなく機能性も抜群。
合板ですから好きな場所にコーススレッド(木ネジ)を打ち込めるので大変便利です。
更に、OSBボードの場合はその独特な質感のお陰でコーススレッドを取り外してもその穴があまり目立ちません。なので、気軽にバンバンコーススレッドを打ち込んでやりましょう。そして、工具や部品などをワイルドにぶら下げてやりましょう。普通の壁ならばこうはいきませんよ。
なお、これまでいろいろ試してきましたが、工具の管理は壁掛が一番!
必要な工具を取り出しやすいし、片付け忘れにもすぐ気が付くことが出来ますから、紛失対策にも効果抜群なのです。
シンプソン金具とも相性抜群
シンプソン金具は2×4材などの規格木材を組み立てる為の金具ですが、OSBボードのワイルドな雰囲気は同じくワイルドな存在感が強烈なシンプソン金具との相性も抜群。なんともアメリカンな雰囲気に仕上がります。
2×4材とシンプソン金具とOSBボードをネジ留めするだけで、誰にでも簡単に机や棚を製作することが出来ちゃいます。材料の切断をホームセンターなどで行えば、必要な工具はプラスドライバー1本だけ!
DIYでOSBボードを使用する時の注意点・デメリット
ワイルドな雰囲気が特徴的なOSBボード。その外観を活かしてDIYでお洒落なものを作りたいって考える人はきっと多くおられるでしょう。
実際わたしも多用していますが、だからといって誰にでもお勧め出来る材料ではありません。OSBボードにはDIYでデメリットとなる特徴もあるので、決して使いやすい材料ではないのです。
木片が剥がれることがある
冒頭でも説明しました通り、OSBボードは粗く削った木片を接着剤で固めた合板。なので、何かの拍子に接着されていた木片が剥がれることがあるんです。そして、その木片は粗削りされているもんだからかなり鋭利。
ですので、わたしは素肌で頻繁に触れるような場所で使用する気には全くなりません。
また、水分を含むと木片の接着が弱まる傾向があるように感じていますので、水気のある場所での使用は避けておいたほうが良さそう。
これらの対策として、OSBボードの上にガラスパネルを貼り付けている施工事例(プロによるもの)を見たことがありますが、その方法だとむっちゃコストが高くつきそう…。
断面は鋭利。むっちゃ鋭利
これも合板だから避けようがないんだけど、断面は押し固めた木片がどうしても露出します。そして、そこを起点に木片が剥がれたりしちゃうのです。
無垢材であれば触り心地を良くする為に切断面をヤスリ掛け等で滑らかに加工しますが、合板であるOSBボードの場合はそのような加工はどうしても出来ません。
ガレージにようなワイルドな場所ならばそれほど気にすることではないかもしれませんが、室内や家具での使用の場合はこの切断面をいかに処理するかがとても重要になります。
わたしはこのように周囲を他の木材などで囲うなどして極力断面が露出しないように工夫しています。
安全性や耐久性をアップさせる為にはこのような工夫が必要となりますから、DIYにおいては決して使い勝手のよい材料とは言えないでしょう。
デカい!運搬が大変!そして、余る!
OSBボードは建築材料なので、販売されている大きさは多くの場合910mm×1820mm。この寸法、ボード系素材ではかなり多いですよね。
壁一面に貼ったりする用途ならこの大きさは都合が良いのでしょうが、DIY用途となるとこの大きさは大きすぎます。かなりの大物を作る場合じゃなきゃ、絶対、余る。
そして、いくら自家用車があったとしても、そのままの大きさじゃそもそも持ち帰ることすら困難。
ですので、自家用車での運送をしなくてもよいネット通販で購入するか、ホームセンターで購入する場合は有料のカットサービスを利用することになるでしょう。
わたしはウッドデッキ材であればネット通販で購入しておりますが、OSBボードに関しては必ずホームセンターで購入するようにしています。
長さ1820mmもあるボードを綺麗に切断するには、DIYでの丸ノコよりもホームセンターでのカットサービスの方が精度が高いからです。また、事細かにカット寸法を伝えるのは店頭の方がネット通販よりも遥かに効率がいいんですよね。
まとめ:使いどころは難しいけど面白い素材
というわけで、本日はOSBボードのご紹介でした。
ご紹介させて頂きました通り、OSBボードは本来建築用の材料であり、DIY用の材料ではありません。
DIYで使用する場合はそれによるデメリットもあり、決して使い勝手の良い材料ではありません。DIYにある程度慣れた人向けの素材かな~ってわたしは考えています。
一方でその独特な外観、比較的安価な価格、接着剤による艶のある質感(塗装やヤスリ掛けは不要)などなど、メリットもたくさんあります。DIYではいかにデメリットに対処しつつ、そのメリットを活かせるかがポイントとなるでしょうね。
しかしながら、大抵のホームセンターで売っている入手の容易さと、価格の安さから挑戦すること自体のハードルはかなり低め。その独特の外観を魅力的に感じたのであれば、難しいことを考える前にとりあえず挑戦してみてはいかがでしょうか?