DIYの家具製作

家具製作に使うにはあまりにクセが強すぎるけど、便利でお手軽な『シンプソン金具』


皆様は『シンプソン金具』ってご存知?

本日は使う場所は限定されるけど、知っているとなにかと便利な『シンプソン金具』のご紹介です。

 

シンプソン金具ってなに?

シンプソン金具っていうのは、アメリカの企業「シンプソン(SIMPSON)社」が作っている金具のこと。だから、シンプソン金具。そのまんま。

2×4工法と呼ばれている建築方法(アメリカではプラットフォーム工法と呼ぶらしいですね)では2×4材などの規格化された木材を使いますよね。シンプソン金具はこの2×4材などの規格化された木材を、面倒な加工を施すことなく、誰でもサクサクと簡単に組み立てることが出来る金具です。木材同士を接続する為の部品なので、コネクターって呼ばれることも。

木材の組み立て方にはいろんな方法があるように、シンプソン金具もそれに合わせてたくさんの種類があります。

例えば、

こういう角っこに使うものや、

 

こういう梁を取り付けるものとか、

 

木材を延長するためのものとか。

こんな感じでほんとうにたくさんの種類があります。その数、なんでも200種類以上あるんだとか!?

しかしながらそれは本場アメリカでの話であって、日本で手軽に入手出来るのはせいぜい数十種類くらいでしょうか?普通のホームセンターではそうそう並んでいるものではないけど、規模の大きいホームセンターなんかでは数種類並んでいることもありますよ。

 

シンプソン金具のメリット

難しい加工を省略できる

シンプソン金具の最大のメリットはこれ。

木材同士の接合って、面倒臭いですよね。木材を正確に切断して組み合わせてネジ留めするだけでも素人には結構難しいというのに、強度を高めようと思ったらホゾや組み手の加工が必要になっちゃいます。

しかしながら、ホゾ?組み手?何それ?って人の方が圧倒的に多いと思うし、これらの作業を綺麗に行うにはそれなりの経験や道具が必要となるもの。

だけど!

そんな面倒な木材の接合を、むっちゃ簡単に、しかも強度抜群で出来るんですよ。シンプソン金具ならばね!

作業は簡単。

木材をお好きな長さに切って、シンプソン金具をネジ留めするだけ。それだけで強度もしっかりと出るし、水平・直角もビシッと決まります。

なんて便利なやつなんだ、シンプソン金具ってやつは!

 

強度は抜群

前述の通り、ネジ留めするだけの簡単お手軽仕様にも関わらず、シンプソン金具による接合部の強度はなかなか強靭。

元々が住宅の組み立てに使われているような金具だから、棚や机のような家具程度での使用ならビクともしません。

わたしはバイクのエンジン(当然、激重)なんかを乗っける棚なんかにも使っていますが、全く問題無く使用できていますよ。

なんてすごいやつなんだ、シンプソン金具ってやつは!

 

屋外でも使える

シンプソン金具にはウッドデッキやパーゴラの製作にも使えるタイプの金具もあります。面倒臭い加工をすることなく、丈夫なウッドデッキやパーゴラを製作できるのはとても魅力的ですよね。

しかしながら、屋外で使うとなると気になるのが耐腐食性。つまり、錆びないかどうかっていうこと。

耐腐食性に優れる素材と言えばステンレスですが、シンプソン金具は残念ながらステンレス製ではありません。溶融亜鉛メッキ鋼板という材質です。

溶融亜鉛メッキというのは鋼板、つまり鉄の板に溶融亜鉛メッキという表面処理を施したもの。

溶融亜鉛メッキは街灯、道路標識の支柱、ガードレールといった屋外の至る所で使用されているもので、メッキでありながらとても耐腐食性に優れているのが特徴です。ステンレスほどじゃないけどね。

 

建築業界では”ドブづけ”だとか”テンプラ”と呼ばれることも。このキラキラとした幾何学模様が溶融亜鉛メッキの証。

経年変化により光沢が無くなったり白っぽくなっちゃうみたいだけど、耐腐食性能は抜群に高いので、屋外でも安心して使えるみたいですよ。

 

ワイルドな見た目

これは見たまんまなんですが、金属感溢れる外観(だって金属だもの)と隠す気がさらさらない大量のネジのおかげで、なんともワイルド感たっぷりの見た目になります。

ただ、これはデメリットでもあって、これを家の中の家具として使うのはデザイン的にかなりの上級アイテムですよね。こういう外観が好きな人には堪らないんだろうけど、室内の雰囲気次第ではかなり浮くでしょう。

 

シンプソン金具のデメリット

正確な組み立ては難しい

これが結構悩ましいデメリット。

手軽に組み立てることができつつも、直角・垂直と言った精度もそれなりに得ることが出来る便利な金具なんですが、一方で”きっちり”と仕上げるのは結構苦手。わたしが下手っぴなだけかもしんないけど、結構難しいです。

どういうことかというと、この写真のように接合した木材同士に隙間が生じたり、段差が生じたりすることが多々あるんです。これは、結構慎重に組み立てたつもりでも起こったりします。

 

ほら、ここも段差が。

これらの段差や隙間はシンプソン金具を取り付ける時のネジの打ち込む順番によって生じることが多いように感じますが、そこまで分かっているのに関わらず完全に防ぐのは難しいのが悩ましいところ。どうやったらきっちりと組み立てることが出来るんだろう?

ワイルドな見た目がメリットの一つとして挙げさせて頂きましたが、こういう部分も含めてワイルドだねぇ…って思えない方には、ちょっと向いていないかも。

 

意外と高価

シンプソン金具、高いです。

いや、金具一個の価格自体はそれほど高価なもんじゃないんだけど、それも数が増えると結構馬鹿に出来ない金額となります。

例えば簡単な構造の机を作る場合は2×4材を3方向に接合するRTC2Zリジットタイというシンプソン金具を最低4個使うんだけど、

これだけで3千円弱もします。補強の為に2個追加したら、5千円弱…。

それに対し、木材にホゾや組み手加工を施して組み上げた場合はこの費用は丸々節約できます。これを安いととるか高いととるかは人によって異なるでしょうが、わたしはちょっと高いな…っていっつも思っちゃいます。

 

屋外での使用には注意

メリットの項目で”屋外でも安心して使える”って紹介したんだけど、屋外で使用する場合は少しだけ注意が必要です。

それは、取り付けネジ。

これはよくシンプソン金具とセットで販売されているネジなんだけど、このネジ自体は耐腐食性に優れる溶融亜鉛メッキではありません。

つまり、シンプソン金具が錆びなくてもこのネジは錆びる危険性があるってこと。

シンプソン金具を屋外で使用する場合は、より耐腐食性の高いネジ、例えばステンレス製のコーススレッドなどと組み合わせて使用しましょう。

 

わたしはこんな感じで使っています

ワイルドな感じになっちゃうけど、手軽に、頑丈に、木材を組み立てることが出来るシンプソン金具。

わたしは主にガレージで使っています。たくさん、使っています。

作業台、棚、梁、筋交いなどが主な使用箇所で、使っているのはTP35タイプレートRTF2リジットタイRTC2ZリジットタイLUS24ダブルシェアハンガーなど。

ガレージでは重量物を乗せることが多いから、手軽に強度を得ることが出来るシンプソン金具は本当に便利なんです。

もちろん、シンプソン金具のワイルドな外観はガレージ内部だと全く違和感もありませんしね。

 

シンプソン金具のまとめ

シンプソン金具のメリットは、何と言っても誰でも簡単に木材を頑丈に接合出来ること。

木材の細かい加工は初心者にはなかなか難しいものですが、このシンプソン金具を使うことで初心者でも手軽に木材を組み立てることが出来るのです。

しかしながら、その費用の高さや精密さに欠ける点はデメリットと言えるでしょう。

また、金属感丸出しのワイルドな見た目は使用環境によってメリットになったり、デメリットにもなったり。それらの特徴から家具製作で使うにはあまりにクセが強すぎると言わざるを得ない材料だけど、なんだかんだでとても便利金具で、DIYの強い味方ですよ。

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