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素人がDIYでいちから作るガーデニング小屋製作。
住宅のように人が入ることを想定している小屋に欠かせないものの一つが、屋外の光を取り込む窓ですよね。昼間でも真っ暗な空間というのは決して居心地はよくありませんし、何をするにしても灯が必要というのは少々不便なものです。
わたしが作っているのは小屋といいつつも人が入ることをほぼ想定していない道具置き場、つまり所謂倉庫なんです。それでも物を探しやすくするためや換気の為に絶対に開閉式の窓は必要だと考えています。
今回はそんな小屋に欠かせない『窓』の製作作業のご紹介です。
今回の作業
どんな作業? : 開閉式窓と窓枠上部の水切り金具の製作
必要な費用 : 6,000円程度
肉体行使度 : ★★☆☆☆(2)細かい作業が多いので手間暇は掛かります。
言いたいこと : 窓の製作は意外と簡単。逆に窓枠上部の水切り金具の製作は簡単そうでとても難しかったです。
開閉式窓の製作
必要な材料
窓を製作するのに必要な材料は、フレーム用の木材・窓部分の透明な材料・開閉機構用の各種金物のたった3種類だけ。窓の構造はとてもシンプルなのです。
まずこちらは窓のフレームとなる木材。端材なので素性はよく覚えていませんが、おそらく杉の荒材だと思います。ちょうどいい寸法の物が転がっていたので、それを組み合わせて窓の形にします。
窓部分にはアクリル板を使用します。
アクリルってガラスに比べたら安価とはいえ、かなり高い素材っていうイメージがありました。しかしながらAmazonで中華メーカー品が破格の安さで販売されていたので、今回はそれを使用することに。200mm×300mm×厚み3mmのものが4枚で1,400円。ホームセンターではあり得ないお値段じゃないでしょうか?
割れにくさを重視するなら粘りのあるポリカの方が向いていると思うんですが、完全に安さに釣られてしまいました。割れた時は作り直そう!
画像では半透明のようになっていますが、これは保護シートが貼られているため。剥がせばちゃんと無色透明です。
窓を開閉させるためには丁番・マグネットキャッチ・取っ手といった金物が必要となります。これらもアクリル板同様、Amazonで売っているものから価格重視で選びました。凝り出したらいくらでも凝ることはできる部分ですが、その分お値段もどんどん上がっていきますからね。今回はなるべくお安くする方向で各種材料を選んでいます。
部材の加工と組み立て
それでは早速窓を製作していきましょう。細かい作業が多いですが、造り自体はとってもシンプル。
今回は窓となるアクリル板をフレームとなる木材に埋め込むような構造にしますので、木材にはアクリル板を埋め込む為の溝を掘らなければなりません。そのためにまずはアクリル板の厚みを確認して、
その厚みと同じサイズの刃をトリマーに取り付けて溝を掘ってやるのです。トリマーは加工音も煩いし発生する木屑の量も多いので極力使いたくないんですが、それでも毎回使ってしまうくらい、唯一無比の便利な電動工具なんですよね。
ただ、今回は加工する木材がかなり小さいので、トリマーで正確に加工するにはいか木材を固定するかが重要になってきます。トリマーで加工する際の力はかなり強いので、木材の固定が甘いといとも簡単に木材が暴れてしまいます。木材が暴れるだけならまだいいのですが、その弾みで刃が身体に当たったりしたら、それこそ大怪我に繋がってしまいます。
いろいろ検討した結果、適当な大きさの木材で挟むようにして万力で固定すると、がっちり安定させることができました。まぁ、実はこの方法に至るまでに2回ほど失敗しているんですけどね。単純な作業でも加工対象物が小さいとグッと難しくなります。
窓の組み立てと取り付け
溝を掘ったフレーム部の木材は毎度お馴染みのキシラデコールで塗装し、その後窓となるアクリル板を埋め込んで組み立てます。構造的にビスは使いにくいので、組み立ては木工用ボンドのみで行います。ボンドが窓にはみ出してしまうと当然曇ってしまうので、もしはみ出してしまったら丁寧に水拭きして取り除いてやりましょう。
ボンドが乾いたら丁番で小屋に取り付けてやります・・・と、文字で書くだけだととても簡単そうなんですが、丁番ってその構造のシンプルさとは裏腹に調整がかなりシビアなんですよね。少しでも取り付け位置がズレてしまうと窓の開閉がスムーズにいかなかったり、窓枠に接触してしまうようになるのです。一度に全部のビスを取り付けるのではなく、まずは1か所だけ仮で固定し、開閉具合を確かめながら少しづつ固定していくようにしましょう。
この窓の反対側(小屋の内部側)にはマグネットキャッチが取り付けられており、カチャっと気持ち良く窓が閉じるようにしてあります。
窓枠上部の水切り金具の製作
続きまして行うのは、窓枠上部への水切り金具の取り付け。
水切り金具というのは雨漏りしないように建物の各部に取り付ける金物の総称であり、屋根に取り付ける軒先唐草やケラバ水切りなどが有名ですね。
そんな水切り金具ですが、このような窓枠上部にも必要です。
というのも、窓枠と壁の下地材は当然別々の材料から作られていますから、どれだけ高い精度で施工したとしてもその組み立て部には絶対に隙間ができてしまいます。当然コーキングも行っていますが、コーキングは永遠に劣化しないものではありませんから。
それでも窓枠の横側や下側であればそれほど問題にはならないのでしょうが、水平で雨水が溜まりやすい窓枠の上部だと、そこに溜まった雨水がその僅かな隙間から下地材との隙間に入り込んでしまうのです。
だから、この部分には雨水が溜まらないように水切り金具が必要となるわけですね。
水切り金具はやっぱり売っていないので、自分で作ろう
そんな窓枠上部の水切り金具ですが、これまで散々軒先唐草やケラバ水切りが入手出来なかったのと同様、やっぱりなかなか入手することができません。なので小売店で購入することはさっさと諦めて、自分で製作することに。
使用するのはトタン板。トタン板の入手性も決して良くは無いんだけど、大規模なホームセンターに行けば置いてある可能性はまだ高いです。カラーラインナップも豊富なので、小屋のイメージを損なわない色のものを選びましょう。
小屋の窓枠の寸法を採寸し、トタン板に油性ペンでカットラインを書き込みます。水切り金具の寸法は窓枠の幅よりちょっと大きめにしましょう。小さいと肝心な水切り機能に支障がでるし、大きすぎるとその後の外壁材の取り付けが少々難しくなります。
カットラインに沿って金属ハサミで切り出します。小屋の屋根を作る時に購入したSK11のストロング万能はさみがここでも大活躍。
切り出したトタン板を水切り金具の形に整形しなきゃいけないんですが、これがなかなか難しいんです。そこそこ長さのあるものを、均一に真っ直ぐ曲げなければなりません。まずはこのように型となる木材にトタン板を固定し、
木槌で叩いてみたんですが、美しく真っ直ぐ曲がってはくれませんでした。薄々気付いていたけど、ハンマーで殴る系はダメですね。上手な人ならこれでもピシッと綺麗に曲げることができるんでしょうが、残念ながらわたしにはそのようなセンスも技術も無かったようです。
いろいろ試した結果、万力を使う方法が一番綺麗に折り曲げることができました。万力でトタン板を挟み、木材をあてがってグイっと曲げてやるだけのシンプルな方法です。コツは一回で曲げようとせず、挟む位置を頻繁に変えながら少しづつ曲げていくことです。慎重に、慎重に、曲げていくのです。勢いで一気にやるのは上手くいきません。
この曲げ具合、なかなかいい感じじゃないでしょうか?
先程折り曲げた部分ですが、更に90度ほど、先程の折り曲げと合計して180度分折り曲げてやります。90度を超えてからは先程の万力で挟む方法は使えないので、そこから先は木材で挟んでそれを万力で落し潰すようにして折り曲げていきます。
すると、このように綺麗な折り返しを作ることができました。トタン板は薄い金属板なので、切りっ放しだと切断部が鋭利で怪我をする恐れがあります。なので端っこはこのように折り返し加工をしてやり、素手で触れても怪我をしないようにしてやるのです。
窓枠周辺は屋根と違い人の手が触れる機会も多いので、このような安全対策はとても大切ですね。もちろん、見た目的にもこちらの方がずっと良いです。
先程の折り返し加工と同じような手法で更に2か所折り曲げ加工をしてやれば、水切り金具の完成です。
ところが、側面部の折り返し加工をするのをすっかり忘れており、それに気が付いたのはこれから随分後のこと。外壁も取り付けたあとだったのでやり直すこともできず、今回の失敗ポイントの1つとなってしまいました。
先程窓を取り付けた窓枠の上に、早速水切り金具を取り付けます。これで窓枠上部の水平な出っ張り部分をカバーすることができましたね。
水切り金具の固定はビスで行っています。トタンは薄いとはいえ金属板なので、予め金属用のドリルで下穴を開けておきましょう。
水切り金具を取り付けた後で気が付いたんですが、水切り金具の側面にはどうしてもこのように三角形の隙間が生じてしまいます。横殴りの雨が降ればこの隙間から雨漏りする可能性が十分ありますので、
コーキング材をしっかりと充填しておきましょう。
窓の完成
窓にアイアン製の取っ手を取り付けたら開閉式窓の完成です。
水切り金具は外壁材の下に取り付ける必要があるので、これまで外壁材の取り付け作業は中断していました。しかしながら今回水切り金具を製作・取り付けしたことで外壁材の取り付けも再開させることができ、随分と小屋らしい見た目になってきましたね。
いよいよ完成も近づいてきたわたしのガーデニング小屋製作。残すは扉の製作と外壁材の取り付けの残り、そして内装といったところでしょうか。