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『FUJINON XF18mmF2 R』レビュー!絞りリングのついた唯一のパンケーキレンズ


少し前に購入したFUJIFILMのミラーレスカメラ、X-E1

レトロな外観はすごく好みなんですが、あくまでもわたしのメインカメラはPanasonicのG8。FUJIFILM X-E1はオールドレンズ専用機、言うなればお遊び用カメラなんです。

そう心に決めてたんですが、実際にX-E1をオールドレンズ専用機として使用していると、このカメラに専用のレンズである"フジノンレンズ"を使ったらどんな感じの写真になるんだろう?ということがだんだん気になってくるんです。

でもなぁ、そんな好奇心の為にお高いフジノンレンズ買うのもなぁ…

うーん…

と少しだけ悩んだんですが、カメラのレンズはリセールバリューがとても良いので、要らなくなったら売ったらいいですやん?と自分を言い聞かせて、あっけなく好奇心に負けてしまいました。

人生初のフジノンレンズです。

 

タイからやってきたフジノンレンズ

人生初のフジノンレンズはEMSで届きました。そう、今回購入したフジノンレンズはなんとタイからやって来たのです

メイドインジャパンの製品をタイから購入?

どう考えても送料分やら関税分割高になるハズなんですが、何故だか価格は激安。ちなみに購入先はヤフオクで、新品です。

 

理屈から考えたらどう考えてもおかしい話ですし、なんだか不安を感じる入手経路。

精密機器だから流石にパチモンってことはないでしょうが、もしかするとリファービッシュ(不良品のメーカー修理品)とかB級品とか、そういう訳あり品かも?

でも今回はそれでもオッケーなんです。お試しなんで、安さこそ正義!

 

EMSの中から出て来たのは、FUJINON XF18mmF2 Rと書かれた箱。

Pansonic LEICA(パナライカ)の箱もかっこいいけど、FIJIFILMの箱もシックで高級感があってかっこいいじゃないですか!

 

「DO NOT ACCEPT IF SEAL IS BROKEN」という、この「シールが破られていたら受領しないでね!」と書かれたシールは既に破られていますが、なんでも現地で保証書に記載する為だそうです。し、仕方がないよね?

 

箱を開けると、中から更に2つの箱が出てきました。

薄い方はマニュアルとレンズポーチが入っており、もう一方の大きい箱にはレンズとフードが入っています。

 

レンズとフードが収められている箱の方は、蓋の開閉部分にはマグネットが仕込まれているし、内部にはスポンジ素材が張り付けられています。なんともまぁ、コストが掛けられまくっているような高級感のある仕上がり。

FUJIFILMのレンズの全てがこのような仕様ではないようですが、このレンズに対するメーカーの気合の入れようが伝わって来ますね。

 

中から出てきたのはパッケージに記載されている通り、FUJINON XF18mmF2 Rという単焦点のパンケーキレンズです。

 

FUJINON XF18mmF2 Rってどんなレンズ?

FUJIFILMのミラーレスカメラ用のレンズとして、一番最初に発売された3本のレンズの内の1本。コンパクトなパンケーキスタイルの広角寄りなレンズです。

他の2本はマクロ用のXF60mmF2.4 R Macroと、標準レンズのXF35mmF1.4 Rなんですが、XF35mmF1.4 Rは”神レンズ”と呼ばれるほど今でも評価が高いレンズです。

そんな凄いレンズと兄弟とも言えるこのXF18mmF2 Rというレンズの方はどうかというと…

ハズレがないフジノンXFレンズの中で、唯一のダメダメレンズ

とか、

周辺画質が全力で逃げるレンズ(つまり、周辺の画質がすごく悪い)

とか、

ガコガコすげー五月蝿いレンズ

など散々な言われよう。ひ、酷い…!

しかしながらこのレンズは”薄いパンケーキレンズでありながら絞り環がついている唯一のレンズ”という大きな個性があります。

FUJIFILM機でコンパクトさを優先するならこのレンズしかない!という理由でチョイスしました。カメラにおいて画質はもちろん重要ですが、わたしにとっては気軽に持ち出せることも同じくらい重要なんです。

 

外観はこんな感じ

レンズキャップやリアキャップが付属していると丸っこい見た目ですが、レンズ自体はちゃんと薄っぺらい部類のレンズ。

正直マイクロフォーサーズ規格であるPanasonicのレンズのサイズに慣れきっているわたしとしては、あんまり小さいという印象は受けませんでした。しかしながらお店で一般的なAPS-Cのレンズを見ている限りでは、確かに小さいし、明らかに薄いレンズだと思います。

 

F値をダイヤルを回して調整する”絞り環(絞りリング)”があるのがFUJIFILMっぽくていいですね。XF27mmというレンズも薄くて軽くて魅力的だったのですが、そちらは絞り環がついていないのでこちらのレンズを選んだ程です。アナログな操作感は楽しいし、見た目もかっこいい!

ピントリングはヒンヤリ冷たい金属製。やっぱり金属パーツは高級感があっていいよね!

 

SUPER EBCって何のこと?と思って調べたら、どうやらFUJIFILMのレンズコーティングのことみたい。

FUJIFILMのレンズにはXFシリーズとXCシリーズという2種類のラインナップがあるのですが、このレンズにはそれらの記載はありません(他のレンズにはあるみたい)。

 

レンズフードはこれまたコストが掛かっていそうなものが付属します。

 

フード本体の材質は金属製で、マウント部分は樹脂製。

せっかくの金属製なのですが、下地の仕上げが荒いのか、引っ搔き傷のようなものが凄く気になりました。

フードの内側は光が反射しないように艶消し仕上げになっています。

 

少し変わった形状のフードなので、フードを装着すると一般的な円形のレンズキャップが装着できません。

そこで、このようなレンズフード専用のキャップが付属します。気が利いてる!!と思いきや、すげー外れやすいのが残念…

 

このレンズで最も残念に感じたのがこのCEマーク

CEマークはEUに輸出する場合に必要なマークなので、それ自体に不満がある訳じゃないんです。不満があるのは、それがシールであること。FUJIFILMのレンズって、なぜかシール部分がありますよね?そのシールがやがて擦れたり、剥がれたり、ボロボロになるのがどうも気になるのです。嫌なら剥がせって?そうなんですけど、それも億劫なのでプリントして欲しいんですよ、わたしは。

 

X-E1に装着するとこんな感じ

上から見ると出っ張り感はこの程度。

この薄さならカバンに入れて気軽に持ち出すことが出来ますね。コンパクトさが特徴のX-E1,E2,E3にはこのレンズか、同じくパンケーキレンズのXF27がベストマッチでしょう。

 

なお、フードを付けるとこのような出っ張り感。

しっかりとしたフードなのはよく分かるんですが、これだけ出っ張ってしまうとパンケーキレンズとしてのコンパクトさが失われてしまうのが惜しいところ。わたしは多分使わないかな~。

 

ちなみに、パナライカ15mmを装着したPanasonicのGM1と比較するとこのようなサイズ感。

パナライカ15mmはパンケーキレンズじゃないけど、レンズ自体の長さはだいたいそれと同じくらいです。コンパクトさではマイクロフォーサーズ機の方が優れていますが、この程度の差であればX-E1+XF18mmも十分気軽に持ち出せるサイズだと思います。

 

使ってみて感じたこと

操作感はパナライカの方が良いです

FUJIFILMのレンズの特徴の一つが、多くのレンズにオールドレンズのような絞り環が付いていること。

カチカチと絞りを調整する操作感は分かりやすいし、楽しいですよね。わたしも大好きです。

絞り環は数字の場所と、その間に2箇所ずつある場所ではクリック感が微妙に異なります。多分、目で見なくても感覚的にどの程度の絞りになっているか分かるようにするため?好感が持てる芸の細かい造りだけど、微妙な違い過ぎて分かり辛いよ!!

そんな芸の細かい絞り環も、そのお隣のフォーカスリングも、手で回してみると僅かに引っかかるような抵抗を感じるのが少々残念。滑らかというよりかは、金属が擦れるような感覚でしょうか?グリス足りてないんじゃないの?

特にフォーカスリングは厚みが薄くて剛性が低いのか、操作する指の力の入れ具合で抵抗が変わるように感じました。強く握るとリングが僅かに変形して、抵抗が増えている感じ?

 

この点は同じように絞り環と金属鏡筒を持つPanasonicのパナライカ15mmの方がかなり上質な感じ。パナライカ15mmの方がレンズの直径が小さいので、剛性を出しやすいのかもしれませんね。

 

AFは遅いし、五月蠅い!!

このレンズはインナーフォーカス式ではなく、レンズ全体が動く『全群繰り出し式』

ピントを合わせる度に内筒が前後に2回ほど動くので、AF速度はかな~りのんびり。動体撮影はかなり厳しいんじゃないでしょうか?

わたしは動き回る子供の撮影が多いのですが、その用途であれば全く不向き。このカメラとレンズはお遊び用だから全然オッケーなんですが、子供の撮影用として購入していたら多分即売却していたんだろうなぁ、と感じます。Panasonicの20mmパンケーキレンズと一緒ですね。

また、AFの作動音はものすごーく五月蠅いです。

ジーというよりかは、ガガッ!ガガッ!っていう方が近いかも。こ、壊れてないよね!!??といちいち不安になります。

このカメラとレンズで動画撮影は最初から考えていませんが、もちろん動画には作動音が激しく入るでしょう。また、ここまで音がすると静かな場面での撮影だとちょっと気になるかも…

なお、このAF作動音の大きさも『全群繰り出し式』によるデメリットとされてています。全てのレンズを一気に動かす必要があるので、力強いモーターが必要になるんですね。

AFの遅さに、作動音の大きさ…『全群繰り出し式』ってデメリットばっかじゃないの!?って思ってしまいそうになりますが、一方で画質面では有利とされています。つまり、このレンズは画質を優先した設計ということです。画質に拘るFUJIFILMらしいレンズですね。周辺部の画質が悪すぎる!!っていうご意見も多く寄せられているようですが・・・

間違いなく、ちょろちょろ動く子供の撮影にはかなり不向きなレンズでしょう。しかしながら、じっくり構えて撮影するシーン、例えば静体の撮影やスナップ撮影にはとても優秀なレンズなのかもしれません。

 

でも、コンパクトさはやっぱり正義!

このレンズの特徴はなんといってもコンパクトさ。少し分厚いパンケーキレンズというそのコンパクトさはとても魅力的

ぶらっとお出かけして、お庭や風景を撮影するのに最適なレンズだと感じました。スナップ写真を撮るなら、やっぱりコンパクトさは正義!!街中で巨大なレンズを取り出すのは恥ずかしいですしね。

コンパクトさで言えばPanasonicのGM1の方が優れていますが、写真を撮影する楽しさと操作性はX-E1とXF18mmF2 Rの方が勝ってます。やっぱりアナログな操作性は写真を撮ってる感があって楽しいですね。

 

それはそうと、巷ではこのレンズの最大の問題とされている周辺画質のイマイチさに関しては、わたしはいまのところ一切に気になりません。

多分、わたしの眼がヘボヘボだから気にならないだけなんでしょうけど、わたしと同じようにそういう細かいことには拘らない!iphoneみたいに気軽に持ち出して写真をバンバン撮りたいんだ!という人にはお勧めのレンズだと思いますよ。

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