今の住宅に住み始めて10年目となる今年。
10年目っていうと住宅では一つの節目のようで、住宅メーカーの保証が一区切りとなったり、設備の耐用年数の区切りとなったり、売電価格がドカッと変わったり、今年はまぁいろいろと住宅関係で忙しいです。DIY関連ではないけど、『戸建て住宅って実際どうなの?長期間住んでみて感じたことシリーズ』の記事も最近はボチボチ書かせていただいています。10年後の維持費なんて、購入時には誰も教えてくれませんからね。
それらの中でも最近一番大きな出費となったのが、発電機能付き給湯器『エネファーム』の更新。
間抜けなことに、エネファームは10年ちょっとで発電を停止するなんてことをわたしはつい最近知ったのです。ネット上には"エネファームは元を取れない!"とか書かれていることも多いので結構悩みましたが、結局そのままエネファームを更新することにしたのは以前ご紹介したとおり。
そんなエネファームも無事更新工事が終わりましたので、更新したエネファームをご紹介したいと思います。ただ設備が入れ替わるだけだと思っていたんですが、10年間でいろいろと進化した部分もあったので、今のところ満足度は非常に高いです。
エネファーム更新時の工事内容
エネファーム本体の入れ替え作業
エネファームは給湯器と発電ユニットの2つの筐体から構成されていますが、これらはすべて丸ごと入れ替えです。「エネファーム入れ替え」と聞いて想像する工事はこの部分でしょう。
入れ替え後のエネファーム。随分、コンパクトになったなぁ・・・。携帯電話にせよパソコンにせよ、技術が進化すれば小型化が進むのは世の常ですが、それにしても10年間でコンパクトになり過ぎでしょってくらい小さくなりました。かなーり、薄くなりました。
今回設置したのは、『燃料電池発電ユニット192-AS15』と『バックアップ給湯器136-N460』とのことです。
赤線部分が従来のエネファームが設置されていたスペース。
ご覧のとおりかなりコンパクトにはなっているんですが、基礎は再利用ですし、エネファームが小さくなったからといってその周囲に物を置きまくっていいわけでもないので、わたしは小型化の恩恵はほとんど受けることができていません。もちろん、これから家を建てる人であれば基礎も小さくして設置スペースを抑えることができるので小型化の恩恵はあるでしょうね。
なお、工事の前には下見をして基礎の状態を確認されていました。問題があれば基礎の補修作業が入るみたいですが、もし必要となっても追加費用は不要とのことです。
ガス給湯器の操作パネルの入れ替え
エネファームは発電機と給湯器、そしてそれらを操作する操作パネルがセット。なので今回の更新で操作パネルも新品に入れ替えです。
これまでのボタン操作+モノクロ液晶から、カラータッチパネルになりました。機能的に向上するわけじゃないし、なんならボタン操作の方が操作しやすいかもしれないけど、カラー液晶になるとなんだか嬉しいですね。
停電時自立発電用コンセントの増設
これはエネファーム更新とは関係ないんだけど、更新のついでにお願いしてやっていただいた作業。
10年前に取り付けてもらった停電時自立発電用コンセント(非常用コンセント)の位置が少し使いにくかったので、使いやすい場所に新しく増設してもらいました。
10年前につけてもらったのはすぐ左についているようなタイプ(これは太陽光発電の非常用コンセント)だったんですが、今回のはカバーつきのタイプに変更されていました。見た目の統一感的にはちょっとアレですが、これなら停電時以外に間違ってコンセントプラグを刺してしまう心配もないし、使用容量が書いてあるし、機能的にはこちらのカバーのあるタイプの方が断然よいですね。
エネファームが10年間で進化した点
エネファーム、10年間でいろいろ進化しているみたいです。わたしが把握していない点でもたくさん進化しているんだろうけど、今回は2週間ほど使って感じた点を中心に紹介したいと思います。大半はエネファームとしての進化ではなく、給湯器としての進化なんですけどね。
インターネットでの遠隔操作が可能に
これがぶっちぎりで便利に感じた機能。
え?今時の家電ではこんなの当たり前じゃないかって?でもこれ、家電じゃないから!給湯器だから!そして、わたしの知識は10年前で止まってますからこんなのでも大感動ですよ。
もうそのまんまなんですが、ガス給湯器に関する操作をスマホアプリを使って外出先からできるようになりました。
あー、今日は汗をかいたなー。帰ったらすぐにお風呂に入りたいなー。というときに、さっとスマホから操作すれば、家に帰れば沸きたてのお風呂があなたを待っている!という感じ。
ただし、もちろん事前に排水栓を閉めていないとお湯はだだ流しです(途中でエラーで止まるけど)。窓も閉じておかないと、せっかくの湯気も台無しです。この機能を使うには外出前に沸かす準備をした状態にしておくことが必須。そして、操作するときはお風呂の準備を絶対にしてきたという強い確信が必要です。正直、使い勝手はよくありません。排水弁が電磁弁で遠隔操作できれば随分使い勝手がいいと思うんだけど・・・。
じゃあ何が便利なの?ってことになりますが、便利なのは風呂沸かしではなく、床暖房の操作ですね。床暖房は暖かくなるのに時間の掛かる設備ですが、かといってタイマーで必要以上に暖めておくのも費用的にイタイ設備。遠隔操作できるようになったので、帰宅時間に合わせて無駄なく暖めることができるようになりました。もちろん、外出先で消し忘れチェックもできますよ。
浴室に人がいるのかどうか分かるように
浴室に人がいると、『人がいるよマーク』が点灯します。
お風呂に入ろうとしたら、性別違いの幼馴染とバッティング!という昔の漫画でのベタすぎる展開ももうこれでは起こりません。誰かが浴室にいるかどうかくらい、脱衣所からわかるんじゃね?という野暮なツッコミは無しで。
なお、この表示はかなりタイムラグが長いので、浴室を出ても数分は点灯状態が続きます。
あれ?風呂場がめっちゃ遠いようなよっぽどの豪邸でもないと、この機能は意味ないんじゃないかな・・・。
入浴中の人がいるかどうか分かるように
先ほどの表示はガバガバなこともあって実用性は???でしたが、こちらは実用的。先ほどは浴室でしたが、こちらは湯船に浸かっているかどうかの表示です。先ほどの白く光るお風呂アイコンがオレンジに光ります。
これは湯船に入った・出たの追従性も良いので、家族の長湯監視や浴槽で事故が起こったときの早期発見に有効でしょう。
入浴の有無は浴槽内配管のセンサーで感知しているようですが、身体が小さい子どもだと感知しないっぽいです。センサーが感知するには、小学校中学年くらいの体格が必要?
長湯警告音が鳴るように
湯船に一定時間浸かっていると、ポーンって警告音がなるように。これでうっかり長湯しちゃう人も安心?ただし音はかなり控えめなので、湯船で寝ちゃう人には効果なさそう。危ないからお風呂で寝るのはダメですよ(わたしはよく寝ちゃう)。
発電停止日が管理会社によってコントロールされるように
ここまでの進化点はガス給湯器と共通だと思うんだけど、ここから先はエネファームならではの進化点。
エネファームって実は何日かおきに発電を停止する日があるんだけど(1か月弱間隔で1日)、もしその発電停止日に停電が起こると非常用電源として使えなくなるそうです。
これまではその停止日が完全に一定間隔だったそうなんですが、エネファームがインターネットに接続されるようになり、災害が起こりそうな日と停止日が被りそうな場合は意図的に停止日を前倒ししてずらすことが可能になったようです。管理は運営側でおこなわれるので、我々ユーザーは完全放置でオッケー。
まさに”万が一”のリスクがさらに低減されたような改良なので正直あんまり実感はないんですが、少しづつ改良されているのですね。
エラーを管理会社と共有できる
これもインターネットと繋がったことによるメリットなんだけど、エラーが発生しても管理会社が監視してくれるようになりました。これまでいちいち管理会社に電話する必要があったけど、その手間が省かれるはず。エネファームって壊れやすいっていう口コミをよく目にするけど、そんな人でも安心ですね(そもそもわたしはあんまり壊れるって感じていないけど)。
なお、当然ですがエラーとして感知できない物理的な破損は監視のしようがないので、従来どおりユーザー側からのお電話が必要です。配管の腐食による水漏れとかですね。
発電可能期間が12年に
以前使っていたエネファームは10年を過ぎたらいずれ発電を停止する仕様でしたが、今度のは10年目で保証延長を行えば発電停止までの期間を2年延ばすことができます。延長保証には点検費用がかかるものの、使用可能年数が2年も伸びるのはでかい!設備投資を償却する期間が2年も長くなるってことだから、どんぶり勘定で従来機よりも17%ほど安くなることになります。17%!
停電時の自立発電が350Wから700Wに
これまでのエネファームの停電時の自立発電は最大350Wでした。冷蔵庫(200W)を接続したら、もうあとは消費電力の少ない機器しか併用できないくらいの能力です。それでも停電時に電気が使えるだけですごいありがたいとは思いますが。
そんな停電時の自立発電機能ですが、今回のエネファームでは倍の700Wになりました。700Wもあると、冷蔵庫つないで、テレビつけて、扇風機つけて、お風呂も沸かせます。正直この機能を使うときがくる可能性は低いと思うけど、これなら万が一のときでもより安心。
エネファーム更新して微妙に感じた点
これは一点だけですが、すごく残念な点があるんです。
それは、
屋外のエネファームの設備、開口部だらけじゃないか!
以前のは裏側にちょこっと開口があるだけでしたが、それでもネズミやハチが訪問し放題で随分悩まされたものです。今度はもう、がっつり開口。しかもこの部分だけではなく、もう一つの設備にもでっかい開口があります。これは早急にネズミ・ハチ対策をしないと・・・。安い設備じゃないんだから、こういうところのカバーくらい作ってほしいものです。
思い切ってエネファームを更新していまのところは満足
そんなわけで、10年で発電できなくなりますよーという通告により急遽設備更新かエコジョーズへの切り替えを判断しなければならなかった我が家の給湯設備。販売店さんによるシミュレーションや15万円の補助金、そして販売店さんからのキャンペーンなどにより、結局エネファームの更新となりました。
エネファームは元が取れないだとか壊れやすいという口コミをよく目にするのでかなり慎重には考えたんですが、これまでの10年間の経験や、新しいエネファームを2週間ほど使った感覚では、エネファームを更新してよかったと感じています。いまのところはね。
デメリットは初期費用の高さと開口部の大きさくらい?初期費用が高いといっても何百万円もするもんじゃないし、後者は・・・うん、DIYでなんとかしよう。
光熱費の削減効果がどの程度になるのかは正直正確に把握するのは難しいんじゃないかと感じているけど、せっかく更新したんだからどうにかして記録して皆様にも紹介していこうかなと考えています。