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本日は住宅設備の一つである「エネファーム」に関するお話です。
戸建て住宅の維持費は10年ごとに200万円必要だって?
わたくし事で恐縮なんですが、実はわたしが現在の住まいに住み始めてもうすぐで10年になるんです。
戸建てとマンションはどちらがよいのか!?
というテーマは雑誌・ネット・テレビなど様々なメディアでよく取り上げられますが、そんなの各々の価値観によるので絶対的な答えなんてあるわけありません。でも、間違いなくその判断基準の一つとなるのが維持費でしょう。
どんな建物だろうが年月とともに傷んでいくのは避けられませんから、戸建てだろうがマンションだろうが維持費が掛かるのは当然同じ。
しかしながら、戸建てとマンションとではその維持費の形は大きく異なるようです。マンションだと共益費や修繕積立費といった形で毎月維持費が強制的に徴収されますが、その代わりに設備の管理や修繕の手配はお任せできるケースが多いでしょう。一方、戸建ての場合は強制的に徴収されることは全くない代わりに、いつ何を直すかはすべて自分で判断しないといけません。そんなの無理ー、よくわからーん、って人にはこれはものすごいデメリットとなるでしょう。
戸建て住宅の場合、10年毎に200万円程度の維持費が必要になるという意見を聞いたことがありますが、実際のところそのようなことは家を買うときに説明があったわけでもないので、これまであまり考えたことはありませんでした。ほんとうは考えなきゃいけないんでしょうが、ほら、嫌なことからは目を逸らしたいじゃないですか。
そして我が家も最初の10年を迎えるわけですが・・・ほら、200万円なんて嘘っぱちでしょ?と思っていた矢先、いきなり大きな出費第一弾がやってきました。そう、エネファームの更新です。え?エネファームって更新制だったの!?
エネファームの発電は10年でお終いなんて聞いてない!
エネファームは発電ユニットを備えた給湯器。ガスを使って発電するときに同時にお湯を作る機械です。
光熱費を抑えることができる、エネルギー効率が高くてエコである、そして停電時にも電力を供給できるといった点がメリットとされていますが、初期投資がめちゃ高いという大きなデメリットがあります。10年前に設置したときは160万円でした(基礎の施工費が入っているかどうかは不明)。
まぁ、性能が高い物がよい値段するのは仕方がないよね、と当時はあまり深く考えてなかったんですが、設置から10年目にして初めてとても重要なことを知りました。
エネファームの発電は設置後10年を過ぎるとやがて停止するということを。
設備って故障するまで使えるものだと考えがちですが、エネファームの発電ユニットは故障すると危険なものらしく、ある程度の時間が経つと故障しないように運転を止めるんだとか?それがだいたい10年くらいで、機種によってはメンテナンスを追加することでそれが12年になったりだとか?
いやいやいやいや、それめっちゃ重要なことじゃん!
つまり、エネファームのメリットを金額ベースで考えるのであれば、10年間という期限付きで考えなくてはならなかったのです。
エネファームはお湯を使えば使うほど光熱費削減効果が得られます。そして、当然長く使えば使うほど初期投資費用を光熱費削減効果で回収しやすくなります。しかしながら、10年間という期限があるのであればお湯をあまり使わない家庭(=光熱費削減効果が少ない家庭)だと損をする可能性があるということです。
ちゃんと説明を受けていたもののわたしが忘れていただけっていう可能性も完全には否定できないけど、たぶんそんな説明を受けた覚えはありません。そもそも新築時ってハウスメーカーも説明することが多すぎるし、各設備メーカーの担当が直接説明する機会もなかったから、説明書渡して終わりってことも多いと思うんですよ。多分うちもそんな感じ。
そもそもこういうのは設置を検討する段階でシミュレーションするもんだと思うんですが・・・10年前のわたしはこんなこと微塵も考えていなかったなぁ。
エネファームを更新するべきか?選択肢は3つ
エネファームは10年でお終いという衝撃の事実を知ったわたくし。知ってしまったからには、じゃあどうするのか?ということを決めなければなりません。
選択肢は、
- 新しいエネファームを購入し、設備の更新を行う
- ガスでの発電はやめて、エコキュート(給湯器だけ)にする
- 発電ユニットを停止させたまま、現在のエネファームをただの給湯器として使用する
の3つとなります。費用としては、1>2>3となりますね。
新しいエネファームを購入し、設備の更新を行う
最も王道となるのは、現在と同じくエネファームを継続使用するというもの。
現在の機種だと発電停止までの期間が12年に伸びていたり、設備自体も少し小さくなっているなど、10年間で少し進化しているみたいです。
細かい進化もうれしいけど、内部にネズミやハチが入らないようになりませんかね?
この選択肢のデメリットはやっぱり価格ですね。いきなり百何十万円という費用が掛かるんですから、タイミング次第では家計を圧迫しかねません。
ガスでの発電はやめて、エコキュート(給湯器だけ)にする
エネファームって初期費用が高いし、かといってその初期費用をカバーできるほどの光熱費削減効果は期待できないし・・・っていう人に人気が高いのがこの方法(ネット上での口コミ情報ですけど)。
ガス発電は止めて、ガス給湯器だけの設備であるエコキュートに入れ替えるというものです。
エコキュートはエネファームよりもずっと安いので、設備更新の費用をグッと抑えることができるのがメリットです。その代わり毎月の光熱費はやや高くなる点と、当然停電時の発電はできないのはデメリットでしょう。
なお、エネファームからの入れ替えの場合は、エネファームの撤去費用が加算されることが多いようで、その費用が意外と高くなるという点は注意が必要です(エネファームの更新の場合はその部分はサービス?)。
発電ユニットを停止させたまま、現在のエネファームをただの給湯器として使用する
この方法は設備の入れ替えをしないのでお金は全くかかりませんが、危険性のある発電ユニットを長期間放置するのってどうなの?という点や、そもそも給湯器の一般的な耐用年数も10年程度という点がリスクとなります。
少し前にあったじゃないですか、全国的なガス給湯器不足。
長期間同じガス給湯器を使用されているユーザーさんに販売会社さんが設備更新をおすすめしても、「まだ使えるじゃないかー」と大抵は断られてしまうと。わかますよ、壊れてから交換したらいいじゃんって考え方。
でも、それは新品のガス給湯器がすぐ入手できる場合。話題となったときはガス給湯器が品薄で全然入手できなくて、いざ壊れた時に販売店に交換の依頼をしてもすぐに交換できなかったのです。夏ならまだ我慢できますが、冬場だとかなりキツイですね。
こんな悲惨なことになる可能性もありますから、設置から10年以上経過して発電機能を停止したエネファームをそのまま使い続けるっていうのはあまりよい選択肢ではなさそうです。
10年間使って感じてエネファームのメリット・デメリット
設備更新をどうするのか考えるにあたり、10年間エネファームを使って感じたメリットとデメリットについて改めて考えてみました。しかしながら、最大のメリットとされる光熱費削減効果については実はよくわかりません。エネファームからこの10年間で何kwの電力が供給されていたかなんて、全く記録していませんでしたから・・・。今からでも調べればわかるかも知れませんが、実はそんなことをしている時間的余裕が今回はなかったのです。詳しくはまた後ほど。
エネファームで感じたメリット:メンテンナンス費用
わたしがエネファームを使っていて感じた最大のメリットは、メンテナンスコストが完全に0円だったこと。
エネファームの発電ユニットは高度な機械ですから、定期的な点検が必要となっています。その点検費用や、傷んでいる部品の交換も、ぜーーーっんぶタダだったのです。わたしの住んでいる地域は水質があまりよくないらしく、エネファームの配管にピンホール(穴)が開いたこともありましたが、その修理費用もタダ。部品交換が必要な故障も2回ほどありましたが、それもタダ。軽度の水漏れが発生したときも当然タダでした。
よくエネファームのデメリットは壊れやすいことっていう口コミを見るけど、お金掛からないんだし大した問題じゃなくない?って思っちゃいます。補償内容が違うのでしょうか?
エコジョーズの場合はこれだけの手厚い保証はないと聞きましたので、それが本当ならばこれだけでもかなりのメリットといえるでしょう。当たり前ですが、メンテナンスや修理はわざわざ専門の業者さんにお越しいただいて作業してもらうのですから、本来はそこそこの費用が発生するもの。そのような緊急の支出が発生することのない安心感はよいものです。
エネファームで感じたメリット:停電時の自立運転
停電なんてそうそう起こるもんじゃないでしょ?って思っていたんです。10年前は。
しかしながら、この10年間で停電は何回もありました。その多くはごく短時間のものばかりでしたが、つい先日の停電は結構長くて、そんな短時間でも暑さがすごくて結構身の危険を感じました。近くの阪神地域では台風で大規模かつ長時間の停電が起こったこともあったし、停電時の電源確保はとても重要です。
これまでの停電では結局エネファームの非常発電を使用するには至りませんでしたが、同じく非常用の電源として使用できる太陽光による非常用コンセントは、天気が悪くて使用不可でした。実際に経験して痛感しましたが、太陽がなくとも緊急時に発電できるのはエネファームの強みですね。
災害に備えて大容量のポータブル電源を購入するのもいいですが、エネファームなら充電切れや日頃の管理を気にしなくて良いというのも気楽でよいなーって最近思っています。
エネファームで感じたデメリット:機械もシステムもややこしすぎ
光熱費の計算にも関わってくるんですが、オール電化なんかと比べてややこしすぎるんです。機械も、システムも。
わたしが使っている電気ですが、
- 電力会社から買っているもの
- 太陽光発電しているもの
- エネファームで発電したもの
の3種類あるので、実際にエネファームでいくらくらい得をしているのか、パッとわからないんですよ。もしかしたら簡単に把握する方法があるのかもしれないけど、少なくともわたしは把握していないし、10年間見たこともありません。
そもそも月々の電気代すらWEBで見るのが面倒だったり、見方がよくわからない程度なのです。暮らしのハイテク化に全くついていけない・・・。
わたしがそんなレベルですから、エネファームで作った電気は電力会社に販売できない(多分)とか、エネファームの発電は10年を過ぎると徐々に止まるということすら最近知った始末。
投資や保険の世界では、理解できないものには手を出すなという教えがありますが、本来はエネファームもこの設備が自分にとってメリットがあるのか自分で判断してから購入するべきなのでしょうが、残念ながらわたしにはあまりに複雑すぎます。でも、そういう人って多いんじゃないでしょうか。
我が家の結論はエネファームの更新。決め手は値上げと補助金
で、我が家がどうするかということなんですが、結論としては1番。エネファームの更新にしました。
光熱費のシミュレーションとかもやったんですが、今後の10年(延長したら12年)のガス代とか電気代なんて分かりっこないし、正確な試算は無理でしょう。
ガス温水式の床暖房など、お湯を使う量が多そうで、かつ初期費用が無理なく払えるのであればエネファームにするのが無難じゃないでしょうか。
逆に、子どもが一人暮らしを始めたなど同居家族が減ったことによりお湯の使用量が減りそうな場合は、エネファームの更新は微妙かもしれません。
ほんとうは今回もっとしっかりと検討したかったのですが、
- 9/26受注分からエネファームが値上がりする
- 今ならまだ国の補助金がでる15万円
- そのような状況なので、販売店も頑張って営業してくれる
いう状況で、半ば勢いで契約してしまいました。
ここから補助金15万円が返ってくるので、消費税を含めると更新費用は100万円ちょっとということになります。
これが安いのか高いのかは分からないし、もしかすると数年後にはあれは判断ミスだったと嘆いているかもしれません。でもとりあえずは、今後10年間は給湯器関係の心配はしなくてよいという安心料だと前向きに考えておくことにしましょう。
2023/11/12追記
エネファームの更新をしたら、いろいろと便利になったり進化している点もあることが分かりました。最新のエネファームを使って感じたメリット・デメリットについて紹介します。