お庭に何か植物を植えたいけど、園芸書に書いてある内容はなんだか難しいし、何を植えたら良いのか分からない……。
そんな方の為にお送りする、ど素人のわたしによる、素人の為の素人目線での植物紹介。
肥料とか土作りとか面倒臭いことを抜きにして、とりあえず育ててみて感じたことを中心にご紹介するコーナーです。
第4回はアジサイ。今の梅雨の時期にぴったりの植物ですね。
一言でいうなら、
アジサイってどんな植物?
必要なお世話は剪定だけ!梅雨の時期にお庭を賑やかにしてくれて季節感たっぷり。
入手先 | 知人から頂く(ホームセンターでも苗を入手可) |
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常緑樹?落葉樹? | 落葉樹 |
嫌な虫くる? | ほとんど来ないから安心 |
手間かかる? | あまりかからない。年1回の剪定くらい |
難易度 | 非常に簡単 |
おすすめ度 | (低)★★★★★★★☆☆☆(高)【7点/10点中】 |
その他 | 地植えだと予想以上に大きくなります |
草っぽいけど、実は樹木です
アジサイといってもいろいろな種類や定義があるみたいですが、ホームセンターなどで見かけるアジサイは野生の品種ではなく、ガクアジサイという植物を園芸用に品種改良した植物なのだそうですね。
アジサイはその背丈の低さと緑色の茎から一見すると草のようですが、れっきとした樹木の仲間。最初は緑色をしていた茎も、成長するにつれてちゃんと木質化していきます。
落葉樹なので寒くなると落葉し、なんだか貧相な姿になってしまいます。こうやって葉っぱがなくなると、草じゃなくて樹木だってことが良く分かりますね。
低木と言っても1mくらいまでは伸びますし、しかも1本だけの枝ではなく複数の枝が密集して伸びていくので、地植えだと結構大きくなります。思っている以上に、大きくなります。
小振りな姿で楽しみたいのであれば鉢植えをおススメしますが、鉢植えは鉢植えで水切れなどの心配があるので注意が必要です。
特徴はなんといってもその花
アジサイと言えばなんと言ってもその花が特徴的ですよね。
ボンボンのようなドーム状の綺麗な花…と思いがちですが、実は見えている花の大部分は花ではなく、装飾花という花っぽい別のものなのです。本物の花はその更に奥にひっそり存在しているんですよ。知っていましたか?
アジサイの花は土壌のpHで色が変わるっていうのは結構有名なことで、一般的にアルカリ性の土壌でピンク色に、酸性の土壌で青色になるとされています。
あれ?リトマス試験紙とは真逆?
アジサイの花の色が変わる理由ですが、アジサイはアントシアニンという色素を含んでいるのでピンク色をしているのが標準。しかし、土壌が酸性の場合は土壌のアルミニウムイオンがアジサイに吸収されやすくなり、アルミニウムイオンが吸収されちゃうとアントシアニンと反応して青色になるっていう仕組みだそうです。
アジサイの花と言えば梅雨や6月というイメージが強く連想されるように、5月末から6月が開花時期。
品種によっては四季咲きと呼ばれる5~11月の期間ずっと花が咲くものもあるようですが、そういった品種を植えれば必ず長い間花を楽しめる、ってわけでもなさそうです。
というのも、我が家のアジサイはまさにその四季咲き品種である霧島の恵なんですが、四季咲きの気配は全くありません。ごく一般的なアジサイ同様、毎年きっちり5月末から6月の時期にのみ開花します。もしかすると四季咲きさせるには温度管理など特別なお世話が必要なのかもしれませんね。きっとそうに違いない…。
【開花株】アジサイ(紫陽花) 霧島の恵 3号小苗【20年入荷株】
植える場所には注意!
鉢植えなら好きな時に好きな場所に移動させることが出来ますが、地植えだとそうはいきません。なので植物を地植えする時はその植える場所にかなり気を遣う必要があります。
なのに、かつてのわたしはそんなことを気にせず、知人からもらった嬉しさでアジサイを目立つようにお庭のど真ん中に植えてしまったのです。
これがもう、大失敗。
アジサイはあまりカンカン照りの強い陽射しに強くないようで、申し訳ないことに真夏は葉っぱが焼けてボロボロになってしまったのでした。
さらに、アジサイはたくさんの花をつけるように品種改良されているのか、根っこに対して葉っぱや花が多いんですよね。なのであまり陽射しが強い場所に植えてしまいますと、あっと言う間に水切れを起こしてしまいます。
ならば陽射しの弱い場所に…としたいところなんですが、一方で陽射しが弱すぎると今度は花が付きにくくなるらしいんだとか。
そんなわけで、アジサイを育てるのに理想的な場所は、ほどほどに陽が当たる場所ってことになります。
なお、乾燥は嫌うみたいだけど、一方で水捌けの良い土壌を好むそうです…って、なんだか注文が多いな!
我が家ではその後モミジの樹の根元に植え替えました。ご近所でも他の樹木の根元に植えているパターンが多いようです。真夏の厳しい陽射しは樹木の葉っぱが適度に遮ってくれますし、背丈が低いので樹木の根元にいい具合にボリューム感を出してくれます。
樹木がお庭に無い場合でも、一日の内適度に日陰が出来るような建物や塀・ウッドフェンスのすぐ傍などであれば、植えるのに適しているでしょう。
必要なお世話は剪定くらい
地植えする場合はいろいろと注文が多かったアジサイさんですが、一方で日常的なお世話は全くと言っていい程手間が掛かりません。
完 全 放 置 。我が家の場合は。肥料なんてあげたことありません。
ただ、日常的なお世話はそれでいいんですが、アジサイは成長スピードが速いので、大きくなりすぎて困る場合は毎年剪定をする必要があります。上手な方は剪定の仕方で花を咲く位置を調整されるようですね。
その剪定時期ですが、アジサイは次の年の花芽が7月中旬頃から準備されるようなので、6月の花の時期が終わったらすぐに剪定作業を行いましょう。
アジサイはその年花が咲いた枝には次の年には花が咲かないという性質があるので、その年に花がついていた枝は強めに、そうでなかった枝は弱めに剪定するのがポイント。
あまり伸びてしまうと茂り過ぎて困るというのもありますが、このように花や葉っぱの重みに耐えかねて倒れてきちゃうんですよね…。
え?人の手が入らないとこうなっちゃうの!?って思っちゃいますが、園芸用に改良を続けたことの弊害なのかもしれませんね。
虫の心配は大丈夫
お庭に植物を植える時にわたしが一番気にするのが、嫌な生き物が来ないかどうか。これはとても重要なことです。
たとえ大好きな植物だろうが、それが毛虫の巣窟になるのなら絶対植えません。嫌な虫、絶対嫌ー!
そんな虫嫌いのわたしでも、アジサイなら大丈夫。嫌は虫は来ません。ただ、4月頃からカエルはよく来ます。アジサイにカエルだなんて、なんてイメージ通りなんだ!
これはわたしの家の周りに田んぼがあるからなんだろうけど、アジサイの密集した葉っぱが日中の隠れ家にちょうどいい感じの様子。
お庭にいる小さい羽虫類はどんどん食べてくれるので、とても有難い存在です。
アジサイについてまとめ
というわけで簡単にまとめますと、
- 植える場所にさえ気を付ければ、後は日常的なお世話は一切不要
- 花の季節が終わったらすぐに剪定を行う必要がある
- 嫌な虫は来ないから、虫嫌いでも安心
と言った感じでしょうか。
わたしはアジサイの鮮やかで綺麗な葉っぱが大好きですが、もちろん6月に開花する独特の形状の花もとても綺麗で大好きです。梅雨時期が開花時期の花は他の季節と比べるとやや少ないので、梅雨の季節をより楽しむためにお庭の片隅にでもアジサイを植えてみるものいいかもしれませんね。