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お庭に何か植物を植えたいけど、園芸書に書いてある内容はなんだか難しいし、何を植えたら良いのか分からない……。
そんな方の為にお送りする、ど素人のわたしによる、素人の為の素人目線での植物紹介。
肥料とか土作りとか面倒臭いことを抜きにして、とりあえず育ててみて感じたことを中心にご紹介するコーナーです。
第3回はシマトネリコ。このコーナーでは初となる樹木です。
樹木は草花のようにそう簡単に植え替えたりすることができませんので、植える時はより慎重な判断が必要になります。植えた時はいいんですが、その後あまりに大きくなりすぎて結局切り倒した・・・という話もよく聞きます。
今以上にド素人であった当時のわたしも当然そのようなことは一切考えずに樹木の選定をしてしまいましたが、このシマトネリコに関しては幸いなことに後悔することはありませんでした。今となってはすっかりお気に入りな樹木です。
シマトネリコってどんな植物?
一言でいうなら、
シマトネリコってどんな植物?
目隠しにもシンボルツリーにもなる、お上品な樹木。風に揺らぐ様子が素敵!!
入手先 | お庭を作る最初期段階に、造園業者が植えました |
---|---|
常緑樹?落葉樹? | 常緑樹・・・と思いきや、冬むっちゃ葉っぱ落とすやん!! |
嫌な虫くる? | 夏はセミのドリンクバー状態 それ以外は多分大丈夫 |
手間かかる? | あまりかからない。冬場の落ち葉拾いくらい |
難易度 | 非常に簡単 |
おすすめ度 | (低)★★★★★★★☆☆☆(高)【7点/10点中】 |
その他 | すげー生命力!! |
シマトネリコは漢字で書くと島戸練子。モクセイ科トネリコ属の樹木で、沖縄から南の亜熱帯や熱帯の山地に自生する樹木です。
そんなトロピカルなエリアの樹木なのに、超和風な和名が付いてるじゃん!?って思って調べてみると、どうやらこのシマトネリコに寄生するイボタロウムシという生物が分泌する蝋物質が引き戸や襖の潤滑剤代わりに使用されていたことが由来のよう。
動きの悪くなった戸の敷居の溝に塗るから、戸に塗る木・・・トニヌルキ・・・トネリコ!!
いや、その仮説はだいぶ無理があるんじゃ・・・。
どう考えてもトネリコにはならないし(むっちゃ活舌悪い?)、そもそも蝋物質を出すのはこの木自身じゃないんですけど・・・。
そんなシマトネリコなんですが、わたしは実際に我が家に植えられるまで全く聞いたこともない植物でした。なんならしばらくは ”シマネトリコ” と覚えていたくらい。
"シンボルツリーにもなって、でも適度に目隠しになる樹木" というオーダーに対して造園業者様がチョイスくれたのが我が家にやってきた理由です。
シマトネリコは"株立ち"の代表格
こんな感じで根元から数本の幹がでている樹木を "株立ち" と呼ぶようです。
幹が一本の樹木よりも横に広く広がりますので、お庭の目隠しとしてはとても良いですね。
造園業者様によると本当に1本の株から分かれているものもあれば、複数の株を集めて株立ちっぽくしている "なんちゃって株立ち" も存在しているのだとか。もちろん前者の方が良いのですが、後者にはリーズナブルであるというメリットもあるようです。
そんな目隠しに最適な株立ちの樹木の中でも、冬でも葉っぱが付いている常緑樹となると意外と選択肢が無いようです。その為このシマトネリコは特に洋風なお庭に植える樹木としてはとてもメジャーなようです。
たくさんの葉っぱが付いている樹木なんですが、葉っぱが小ぶりでなおかつ優しい色合いなので為圧迫感がありません。まさに目隠しにはぴったりの樹木。
風に吹かれてサワサワ揺れている感じはとても涼しげで上品ですよ。
シマトネリコは常緑樹?いや、葉っぱむっちゃ落とします!
トネリコ属の樹木は基本落葉樹なんですが、このシマトネリコはトネリコとしては唯一の常緑樹とされています。
常緑樹というのは一年を通して緑色の葉っぱがついている樹木のことを指します。
実際、このシマトネリコも冬の時期でも緑の葉っぱが付いてるんですが、
暖かい時期のふっさふさ状態と比較すると、
冬は明らかに葉っぱが少なく、葉っぱの色も茶色っぽくなって元気がなさそう。
常緑樹とされてはいますが、寒さが厳しくなると葉っぱの一部は枯れて落としてしまうのです。
多少は耐寒性もあるようですが、元々は沖縄から南のトロピカルな地域の樹木。やっぱりこの樹木にとって日本の冬はやや寒いようです。
落葉するのは秋でも冬の始まりでもなく、寒さが厳しい2月頃。
落ち葉は多少なら放置するのですが、元々の葉っぱの量もあってかなりの量になります。
肥料やりとか害虫駆除とか剪定とかそういうお世話は一切不要なのですが、ご近所に迷惑をかけない為にも、落ち葉掃除だけは必須のお世話と言えるでしょう。
セミに大人気!
わたしのような虫嫌いにとってとても重要なのが、害虫に対する人気度。どれだけ素敵な植物でも虫が大量発生するようなら迷わず選択肢から外しちゃいます。
このシマトネリコの場合はどうでしょうか?
ずばり、
注意ポイント
セミに大人気!
夏の時期はまさにセミのドリンクバー状態。
近くにあるモミジやハナミズキ、ヒメリンゴには全く興味を示さないくせに、シマトネリコは常にセミが付いています。
近くを通ると高い確率でいきなりセミが飛び立ってびっくりさせられますが、わたしにとってセミは不快害虫という程ではありません。しかしながら家族はむちゃくちゃ嫌がっていますので、人によっては大きなマイナスポイントになりそう。
他にはアシナガバチが周りをうろちょろしているくらいで、毛虫等が湧くようなことはありません。
なお、和名の由来のなっているイボタロウムシは未だかつて見たことがありません。イボタロウムシは"虫"とついていますが、カイガラムシの仲間で昆虫類とは異なる種類の生き物のようです。
とにかく生命力が強い
このシマトネリコと一緒に暮らし始めて2年ほど経ってから気が付いたのですが、シマトネリコの周りには雑草が明らかに生えません。
この木の根元部分なんて本当に生えません。びっくりする位生えません。雑草の勢いが最も強い初夏に完全放置していてもこの程度。
不思議だなー、不思議だなーと思っていたのですが、ある日周りの土を掘り返して納得。
そう、周りの地面はシマトネリコの根っこがびっしりだったのです。
シマトネリコの根っこは地表の浅い部分でかなりの範囲に広がっており、その影響でどうやら他の植物は成長しにくくなっているようです。この木の近くで共存しているのは、同じく生命力豊かな芝生くらい。
我が家のシマトネリコには肥料も水も一切与えていない完全放置状態ですが、それでもすくすくと大きくなっていくのはこの強力な根っこのお陰かもしれませんね。樹木のお世話に時間なんかかけれないよ!というズボラな方には心強い性質ですが、周りに何かを植えたいという方には要注意です。
シマトネリコについてまとめ
わたしはこの樹木に出会うまで "株立ち" という言葉すら知りませんでしたが、木の根元から広く広がっていく樹形はお庭の目隠しにぴったりだと思います。
たくさんの枝にたくさんの葉っぱが付いていますが、葉っぱの大きさも小ぶりで色が薄い為、目隠し効果が高いにも関わらず圧迫感が少ないのが良いですね。
生命力も強くこれといったお世話も不要ですので、樹木の世話に時間を費やすことが出来ない忙しい方や、樹木の世話に関する知識に自信の無い方にもお勧めです。