イチゴって美味しいですよね?そんなイチゴが自宅で収穫出来たら嬉しいですよね?子供の食育にもピッタリですよね?
そんな想いで始めた我が家のイチゴ栽培。その経験を元に、家庭菜園でのイチゴ栽培(四季なりイチゴ、一季なりイチゴ)の方法について月毎にご紹介させて頂きたいと思います。
今回ご紹介するのは7月のお世話。
7月は乾燥に弱いイチゴにとって、とても厳しい季節。四季なりイチゴだろうと満足な収穫は望める時期ではありませんので、子株を増やす目的がなければ、無理をして育てる必要はない時期といえるでしょう。
7月のイチゴ栽培
イチゴの状態:収穫も終わり、厳しい陽射しと食害ですっかりボロボロ
必要なお世話:むっちゃマメな水遣り、害虫対策、親株のランナーのお世話
気をつけること:気を抜くとすぐに水切れしちゃいます!
栽培の条件
温度管理:一切なしの屋外栽培。ありのままの気温です。
栽培場所:レイズドベッドへの直植えと各種プランターの2通り
品種:品種不明の四季なりイチゴと、一季なりイチゴ(アイベリー、ジャンボイチゴまんぷく2号)
7月のイチゴの状態
6月は液体肥料を追肥することでなんとかまだ実の収穫が出来ていましたが、7月ともなると流石にもう満足な収穫は期待できません。たま~にちっこい実が付くこともあるけど、暑さですぐに傷んでしまい、ハエなどの不快な虫が寄ってくるだけなのでさっさと取り除いてやりましょう。
この時期になると、一季なりイチゴと四季なりイチゴの様子に特に違いはないようです。
イチゴは乾燥に弱い植物とされていますが、夏の厳しい暑さもどうやら苦手な様子。関係あるかどうか分かりませんが、3~5月頃と比べて明らかに葉っぱが硬くなってきた気がします。なんか、しなやかさがすんごく失われてる感じ。葉がパリパリしてる。
その硬くなった葉っぱも日に焼けたり、後述の害虫類に食害されたり、もう本当にボロボロ状態。不憫なくらい、無残な姿に。
それでもこの暑い時期にせっせと引き続きお世話を行う理由はただ一つ。それは次の収穫シーズンに向けて子株を増やす為。
品種によっては冬の寒い時期からずーっと子株を増やそうとランナーをしつこく伸ばしてきたイチゴたち。でも、そんなことに栄養を使う余裕があるなら実に栄養を回せ!ってことでわたしに繰り返しちょん切られ続けていたランナー。そのランナーを、遂に育てる時期が到来したのです。お待たせしました!
…まぁ、激選した子株以外の余分なランナーはやっぱりちょん切るんですけどね。
ところで、子株を育てる為の元となる株を親株と呼びますが、その親株以外のイチゴはきっぱりと片付けた方がよいとわたしは思います。
というもの、これはイチゴの根元であるクラウン部なのですが、この入り組んだ茎と茎の間は害虫たちの格好の隠れ家となっちゃうのです。
なので収穫時期が終わり、子株も育てていないイチゴをダラダラ育てていると、その株が害虫の住みかとなって他の大切な株に悪影響を及ぼしかねないのです。実際、我が家のイチゴの根元には大量のナメクジと少量のセマダラコガネ、そして根っこにはコガネムシの幼虫が生息していました。いやー!!!
必要なお世話
むっちゃマメな水遣り
イチゴは乾燥に弱い植物です。
なので4月頃から、いや、なんなら冬の時期から度々水切れには注意しましょうと紹介してきましたが、7月の厳しい暑さの前ではいくら注意していてもすぐに水切れを起こしてしまします。
もちろんこれは栽培環境に大きく左右されるんですが、日当たりの良い場所で、かつ小型のプランターやハンギングバスケットで栽培している場合は水の管理がかなりシビアになります。
どれくらいシビアかというと、朝出勤前にたっぷり水を与えていたのに、夜帰ってきたらありとあらゆる葉っぱが下を向いて盛大に水くれアピールしているくらい、シビア。
なのでプランターなどの栽培環境でカンカン照りの日ならば最低でも一日2回以上の水遣りが必要となります。出張なんかに行ってしまったら、間違いなく枯れちゃいます。
そんなマメな水遣りなんかに付き合ってられないよ!って人は、子株を育てる為の親株は地面に植えて栽培するか、土の量の多いプランターで栽培しましょう。
害虫対策
これまでご紹介してきた通りイチゴには様々な害虫が寄ってきます。
寄ってくる虫の種類は地域や環境によって異なるでしょうが、我が家の場合、この時期最も注意が必要なのがコガネムシ類。
コガネムシの幼虫は根を盛大に食害して植物をダメにするわたしの天敵ですが、その始まりとも言えるコガネムシの産卵時期が7〜9月とされています。そう、まさに今の時期。
産卵に向けて栄養を蓄えているのか、今の時期はブドウやイチゴの葉っぱを食べまくるコガネムシの成虫をよく見ます。
卵を産まれ、土の中で幼虫に根っこを食い荒らされるのは本当に最悪ですが、成虫による葉っぱの食害も全く軽視できないくらいに被害が大きいので、見つけ次第速攻で補殺しましょう。コガネムシは本当に厄介な害虫なのです。勘弁してくれ~。
親株と子株のお世話
7月のお世話のメインがこれ。来季の収穫の為に、親株から伸びてきたランナーを使って子株を育てましょう。
イチゴは多年草なので収穫が終わった株もそのまま育て続ければ翌年また実を収穫することが出来ます。しかしながら夏場のお世話は結構大変ですし、大きくなり過ぎた株は根元のクラウン部が害虫の隠れ家となるのであまりよろしくありません。また、園芸書によると同じ株からずっと実を収穫し続けるのもあまり良くないらしいので、特に理由がなければ子株を育てて株の更新をした方がよいでしょう。
親株の追肥は元気が無くなったときだけ
新しく育てる子株はランナーから、そしてそのランナーは親株から生えてきますので、つまり親株の元気さが大切なのは当たり前のこと。
しかしながら冒頭で紹介しました通り、その親株は厳しい暑さと害虫による食害でボロボロ状態…。
それでも新しい葉っぱが次々に出てくるようであればそれほど心配する必要はありません。イチゴは強靭な植物なのです。
以前から紹介しております通りイチゴは肥料を過剰に与える必要はない植物ですから、ボロボロだからといって急いで肥料を与える必要はありません。
肥料を与えるのは、新しい葉っぱが出てこない、もしくはその勢いが明らかに無くなった時まで我慢しましょう。
与えるのもこれまで通り液体肥料を使います。
子株はポットで育てよう
親株がボロボロになろうが、ランナーは相変わらず活発に伸びてきます。そのランナーの一部が肥大化し、根っこや葉っぱが伸びてきて新しい子株となるのです。
もちろん出来る全ての子株を育てるのは無理がありますから、元気が良さげなものを選んで育てることになります。ちなみに、親株から最も近い1つ目の子株は奇形の果実が出来やすいらしいので、2つ目以降の子株を育てるといいらしいですよ。
子株の育て方は地面に直接根を張らせる方法と、ポットやプランターに根を張らせる方法の2つがあります。
前者は放っておいても勝手に育ってくれる手軽さがメリットですが、一方で親株に肥料を与えるとどうしても地面を通じてその影響を受けてしまうなど、お世話の独立性が損なわれてしまうのがデメリット。
後者は根を張らせるためにランナーをピンで固定する必要があるなど少しだけ手間が掛かりますが、お世話の独立性はばっちりというメリットがあります。水切れに注意する必要もありますが、わたしは後者で子株を増やしています。コガネムシの幼虫に度々痛い目に合わされているわたしとしては、栽培箇所を物理的に分断しておかないと怖いのです。一つの栽培箇所で育てていると、万が一コガネムシの幼虫が発生した時にそこで育てている植物が全滅する可能性がありますからね。
ポットの上にランナーを誘導してピンポイントで根を張らせるには、ピンなどによる物理的な固定が必要不可欠。しかしながらポットに対応するピンは市販品ではあまり見かけないので、わたしは文房具の針金クリップ等を分解して使用しています。ステンレス製の針金で自作しても良いですね。自作と言っても、適当な長さに切ってUの字型に折り曲げるだけです。