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わたしのカメラの主な使用用途は子供の撮影。
日頃は手持ちで写真ばかり撮っていますが、運動会や発表会などのイベントでは4K動画もカメラで撮影しています。
愛用しているPanasonicのミラーレス一眼「DMC-G8」には強力な手ぶれ補正がありますが、快適な動画撮影にはやっぱり三脚が必要ですよね。
これまではごく一般的な写真用の三脚を利用して動画撮影していましたが、より快適な動画撮影を目指してビデオ雲台(ビデオ三脚)なるものを購入しました。
本日は、マンフロット製のビデオ雲台『小型フルードビデオ雲台 40mmフラットベース(MVH400AH)』のご紹介です。長い名前だな…
スムーズな動画撮影にはビデオ雲台が必要です
ご紹介の前に、わたしがこれまで使用していたのはこういう三脚でした。
このカメラを取り付ける部位を雲台と呼びますが、このタイプは3way雲台と呼ばれる最も一般的なタイプ。
カメラの向きを上下、左右に変えられる他、カメラを縦向きに構えることもできます。だから3wayなんですね。
このタイプはしっかりカメラの向きを調整するのには向いてるんですが、撮影しながらカメラを動かすような動画撮影は少し苦手。操作する撮影者の力がダイレクトに反映されるので、どうしてもスムーズに操作できません。結果、ブレたり、カクカクした動きの映像になっちゃうんです。
そんなカクカク映像をスムーズ映像に改善する為に必要なのがビデオ雲台(ビデオ三脚)。可動部に高粘度のグリスを使用することで撮影者の余計な動き・ブレを吸収、ジンワリと動くように工夫されている雲台です。
マンフロット製ビデオ雲台『MVH400AH』レビュー
ビデオ雲台と言えば国産のベルボンの製品が有名ですが、マンフロット大好きなわたしは迷わずマンフロット製を選びました。
各サイトでのレビューがあんまりよろしくなかったので少し不安でしたが…。
外観はこんなの
MVH400AHは単品か、三脚とのキット販売がされています。セットになる三脚はbefreeトラベル三脚か290Light三脚なんですが、これらはいずれも最大で150cm程度までしか伸ばすことができず、ギリギリ人の頭を超えることが出来ません。子供の発表会などで使いたいわたしとしては、どうしても160cmは高さが欲しい!!なので、これらの三脚は残念ながら使うことが出来ません。あとたった10cmあれば文句ないのに…。
なので今回は単品で購入しました。
せっかく割安では無い単品購入なのですから、どうせならもう少し本格的なやつでも良かったんですが、マイクロフォーサーズのミラーレスカメラを乗っけるには少し大袈裟過ぎ!やっぱり機材は軽くて小さいのに限りますよね。
わくわくしながら箱を開けると、中身はまさかのこんな感じ。なんというか、包装とか緩衝材を忘れたんじゃないの?って思ってしまうスカスカっぷり。エ、エコだなぁ。
付属品は1/4→3/8の変換ネジとマニュアルくらい。シンプルなもんです。
素材はアルミ。
ビデオ雲台と言えば国産のベルボンが有名です。ベルボンの方が安いし、評価も高いのですが、わたしは外観と素材がアルミ製ということでマンフロット製をチョイス。ベルボンは樹脂製なんですよね…
金属製というのは強度面で優れた点ですが、見た目は完全に好みの問題。
わたし、いかにも外国のデザイナーが考えたような、マンフロット製品の見た目が大好きなんです。
290xtraと組み合わせたらこんな感じ
雲台だけでは使用できませんので、別に三脚を用意する必要があります。
用意したのは同じくマンフロットの製品、290extra。
この290xtraは3way雲台か自由雲台とのキットでしか販売されていません。無駄になる、と分かっていてもマンフロットの製品で統一したかったので、仕方が無く3way雲台とのセットを購入。マンフロットのデザインっていいですよねー。
箱から出してすぐさま取り外された3way雲台。
ノブは短くしてコンパクトに出来るし、デザインもかなり好み。しかしながら、3way雲台じゃないと!という場面がわたしにはないんです。ビデオ雲台やギア付き雲台がある中で、こいつが必要になるのってどういう場面でしょうね?
雲台を取り付ける部分のネジは1/4で、MVH400AHを簡単にポン付け出来ます。マンフロットマークがおしゃれ!
290xtraは少しゴツめの三脚なので、コンパクトなMVH400AHと組み合わせるとややアンバランス。とはいうものの雲台が軽い方のアンバランスなんで、安定感は全く問題ありません。
三脚のベースの方が大きいので、マンフロットマークがチョイ見え。わたしは一切気になりませんが、きっちりしたのが好きな人はもしかしたら気になるかも。
カメラを付けたらこんな感じ
早速オールドレンズの望遠レンズを装着したFUJIFILMのX-E1を乗っけてみました。
まぁ、こんな感じです。これまで使っていたどの三脚よりも、もの凄く安定感が良いです。
その秘訣が、
この長い形状のクリックリリースシュー。
この長い形状により、カメラの取り付け位置とシューの取り付け位置を調整できるんです。つまり、カメラやレンズの重量に応じてある程度重心位置の調整が出来るってこと。
これってすごく便利!!
三脚座のついていない望遠レンズのような重いレンズを取り付けると、どうしても前側が重くなって三脚が負けやすくなるんですよね。そんな問題もカメラと三脚の取り付け部を後ろにずらすことで簡単に解決出来るんです。
ただしこのタイプにも欠点があって、
それはカメラボディよりレンズが出っ張っている場合は、とりつけそのものが出来ないってこと。
LUMIX G8とLUMIX G 45-200mmのレンズの組み合わせでは、レンズに長いシューが当たってきっちり固定出来ませんでした。また、ズームリングががっつり当たっているのでレンズの操作も出来ません。
そんな場合はシューとカメラボディの間にスペーサーを挟んでやれば解決できます。わたしは安くてすぐに手に入るアルカスイス互換プレートを挟んでいます。
使用感はどう?
肝心な使い心地・効果ですが、ものすごくスムーズな動画撮影が出来ます。
オイルダンパーとかがあるんじゃなくて、ただ単に粘度の高いグリスを使ってるだけなんだから、正直そこまで期待していませんでした。3way雲台よりマシになるかな、程度にしか思ってませんでした。
しかしながら、固定ノブを緩めた瞬間にカックンと動くこともないし、操作時のブレも全然気になりません。これは凄い!
むしろ、なんで普通の雲台全てこの機構にしないの?と疑問にすら思ってしまいます。
しかしながら不満もあって、
それはこのチルト(カメラの上下の振り)の固定ノブ。ノブがちっこくてしかも前側にあるので操作性は良くありません。これは多分収納時のコンパクトさを優先してだと思うけど、もっと大きくて、出来れば横側か背後にあった方がいいなぁ。ノブを多少大きくしても、軽さはそんなに変わんないでしょ?
また、パン(カメラの左右の振り)とチルトが別々のノブなのも面倒臭さを感じます。もしかしたらパン方向のノブは緩めっぱなしで操作しないという設計思想なのかもしれないけど、ベルボンのビデオ雲台みたいに一箇所で両方の固定を操作できる方が使い勝手が良いでしょうね。
なお、ビデオ雲台といえば滑らかな動きを可能とする可動部の粘りに加えて、重量のある機材を載せてもピタリととまるカウンターバランスが特徴とされます。
カウンターバランスはバネの力を利用して機材を安定させる機構のこと。狙いはよりブレの少ないスムーズな操作性です。
そんなカウンターバランスですが、このMVH400AHには搭載されていません。
カウンターバランスは重量のある機材向けなので、軽い機材がメインのこの雲台には必要ないということなんでしょうね。
結論!子供の動画撮影に是非おススメ
子供の動画撮影の質を向上させたくて購入したこのMVH400AHですが、高粘度グリスの効果は予想以上!こんなちっこい雲台なのに動画のスムーズさは格段に向上しました。
このMVH400AHのレビューはあんまり見つからないし、あってもネガティブなことばかり書いてあって不安も多かったけど、これほどの効果があるなら大満足。動画なので、その違いをご紹介出来ないのがとっても残念。
しかしながら不満もあって、それは同じブランドのbefreeトラベル三脚との組み合わせを前提としていること。
その組み合わせならコンパクトに収納出来るというメリットがあるんでしょうが、わたしのようにそれ以外の三脚と組み合わせると、コンパクトさを重視したことによる操作性の悪さが気になるのです。
とはいうものの、befreeトラベル三脚はコンパクトながら高さも150cm程度まで伸びます。その程度伸びれば十分!という人は、befreeトラベル三脚とのセットを購入すれば、MVH400AHのコンパクトさを存分に活かすことが出来るでしょう。