素人でもできるウッドデッキ製作

ウッドデッキは塗装すべき?塗装のメリットとその方法を紹介


決して安くはない材料費とたくさんの貴重な時間を費やす、DIYでのウッドデッキ製作。

せっかく作ったウッドデッキなんですから、作り手としては少しでも長持ちして欲しいですよね。

そこで今回はウッドデッキの耐久性にも影響を及ぼすかもしれない塗装についてご紹介します。

 

ウッドデッキに塗装をするメリット

ウッドデッキは当然木材で出来ているんですが、塗装する場合もあれば塗装しない場合もあります。

ど素人のわたしがいろんな場所で見ている限りでは、ハードウッドだと塗装されていることはほぼ無く、ソフトウッドだと塗装されていたり、塗装されていなかったり半々といったところでしょうか。

ウッドデッキに塗装するメリットは、耐久性の向上と色調の調整の2点だと考えています。

 

耐久性の向上

木材は腐ります。

ハードウッドだろうがソフトウッドだろうが、屋外で雨風に晒されていればいつかは朽ち果てます。しかしながら、塗装をすることでその”いつか”を先延ばしにすることが期待できます。

塗装に使う塗料にもいろんなタイプがあるので一概には言えないのですが、塗料は雨を物理的にはじくことや、防腐に有効な成分などで大切な木材を守ってくれます。

塗装により具体的にどの程度木材の耐久性が上がるのかは、木材の種類や塗料の種類、メンテナンス頻度や環境など様々な要因に左右されるので、その明確な答えは誰にも分からないでしょう。

ハードウッドのように元々耐久性が高い場合は塗装してもあまり変わらないかもしれないし、ソフトウッドなら倍くらい伸びるかもしれません。

 

わたしは少しでも耐久性を向上させたい!という考えなので、屋外で使用する場合はハードウッドだろうがどのような木材でも塗装するようにしています。

 

色調の調整

木材って何色?と聞かれたら多分大多数の人は茶色と答えると思いますが、ウッドデッキに使用する木材にはウリンのように赤っぽい茶色の木材もあれば、サイプレスのように薄い茶色の木材もあります。

更に木材は経年変化により銀色がかった茶色に変化していきます。

単に茶色と言っても、天然素材である木材の色彩は個性豊かで複雑なのです。

使用する木材の色調が自分好みなら問題ないのですが、そうでないならば塗装によりその問題を解決できるかもしれません。

また、ウッドフェンスなどで人気のある白色やパステルカラーなんて天然の色調では絶対できませんが、塗装をすればどんな木材だろうとそのような色に出来ますね。すごくオシャレですよねー、パステルカラーのフェンス。

この色調の調整という目的であれば、無塗装でも高い耐久性があるハードウッドでも塗装する意味は大いにありますね。

 

塗装に使う塗料には浸透タイプ塗膜タイプがあります。詳しくは後程説明しますが、浸透タイプだと写真のように塗装していても経年による色調の変化が生じます。写真上の部分が塗装して1ヵ月程度の状態、写真下の部分が塗装して2年程度の状態です。

色調を優先するなら木材の表面を塗料が覆う塗膜タイプの方が綺麗に発色するのですが、木目など木材が持つ風合いを活かすことが出来ないという欠点もあります。

 

ウッドデッキに塗装するデメリット

作業が増える

塗装するということは単純に工程が一つ増えますので、手間が掛かります。

工賃だとか施工費というものが無いDIYですから手間が掛かかるのは然程問題無いのですが、厄介なのがその作業内容。

塗装はとても場所を使います。

塗料が乾くのに時間も掛かりますので、塗装をしてすぐに片付けるというわけにもいきません。一回の塗装作業で数日間、広いスペースを占有することになります。

 

メンテナンスが必要になる

塗装の効果を維持するためには定期的なメンテナンスが必要になります。作業としては塗り直しですね。

当然といえば当然なのですが、塗装は上を歩くことや雨の影響で徐々に失われていくのです。このカスレ具合が堪らん!!という人もいるかと思います。わたしもアンティーク感があって良いと思うのですが、残念ながら木材の保護という観点では好ましくありません。

 

また、この不思議な模様は多分雨水による塗装の摩耗。ホンマかいな!?と今でも疑っているのですが、それしか原因が考えられないのです。

このような箇所は真っ先に木材が痛んでしまいそうですし、何よりも見た目がイマイチですので、塗装の塗り直しで綺麗にしてあげましょう。

その塗り直し作業ですが、これも塗料の種類なんかで作業負担は大きく異なります。単純な重ね塗りなら大した作業じゃないですが、古い塗装の除去が加わると無茶苦茶重労働になります。

 

塗料には塗膜タイプと浸透タイプがあります

塗装は塗料を木材に塗ることですが、”塗料”と一言でいっても様々な種類があります。水性・油性のように溶剤の種類で分類することも出来ますが、今回は塗膜の形成タイプについてご紹介したいと思います。

 

塗膜タイプ

まずは木材の表面部を塗装の膜でコーティングする「塗膜タイプ」「造膜タイプ」とも呼ばれていますね。”ペンキ”という言葉からイメージするのはこのタイプ。

木材の表面を厚みのある塗膜でコーティングするので、塗料の発色がとても良いです。真っ白のウッドフェンスが欲しい!という人にはこのタイプがお勧めかも。塗料の発色が良いのは下地の木材の影響を受けにくいからなんですが、見方を変えれば木材本来の風合いだとか木目を活かすことは不向きです。

 

これは塗膜タイプで塗装した杉です。杉と言えば節がたくさんあって表情豊かなんですが、見事にのっぺらな表面になってしまいました。

このタイプは塗膜が剥がれたり、傷がついたりするとその部分から木材が痛むことになりますので、マメなメンテナンスが必要となります。また、重ね塗りも不向きなので、塗り直しの時は古い塗膜を取り除く作業が必要になります。これが無茶苦茶大変な作業なので、わたしはあまり積極的にこのタイプは使用していません。

 

浸透タイプ

こちらは木材表面に塗装の膜は作らず、木材に塗料が浸透するタイプです。ナチュラルテイストな家具のDIYで大人気のオイルステインや、ウッドデッキ製作でメジャーなキシラデコールがこのタイプ。

このタイプの特徴は木材本来の木目や雰囲気をそのまま活かすことが出来る点です。木目が好き!!という人にはお勧めできますが、一方で鮮やかな発色は苦手。

また木材に塗料が染み込みますので、ある程度の傷や摩耗が生じてもそう簡単には塗装の効果が落ちることはありません。

しかしながら塗料が浸透している木材の厚みは意外と薄く、わたしの感覚では1mmもありません。ですので、木材の表面を削るような場合は塗料が浸透している層は失われてしまいます。

 

試しにサンダーでバーッと削ってみると、あっという間に綺麗な木材そのままの層が出てきました。

 

とはいうものの塗膜タイプのように塗装部分が剥がれるということはありませんので、メンテナンスの際は重ね塗りすることが出来ます。理屈上は古い塗装部分を取り除かないと新しい塗装が染み込みにくいみたいですが、これまでのところそれ程気になったことはありません。素人の適当施工での話ですが…。

 

浸透タイプの施工方法

塗膜タイプと浸透タイプのどちらの塗料も試してみましたが、木目を活かしたい、素人でもムラが出来ずに綺麗に塗れる、という2つ理由からずっと浸透タイプをメインに使っています。浸透タイプでもメジャーとされるキシラデコールがわたしのお気に入り。

今回は浸透タイプでの代表格であるキシラデコールでの施工例を紹介します。

 

まずは塗装に必要な道具たち・・・と言っても、特別なものは必要ありません。

  • キシラデコール
  • 塗装を入れるカップ
  • 軍手
  • ゴム手袋
  • 塗料を塗る為の適当な布切れ

全てホームセンターで入手可能です。キシラデコールはどこで購入してもお値段はほとんど変わらないのですが、ホームセンターとネットショッピングでは扱っているサイズと色が異なります。ネットショッピングでは業務用の大きなサイズや、店頭ではない色があるのでわたしはいつもネットショッピングで購入しています。

塗装と言えば刷毛やローラーで塗るイメージがありますが、浸透タイプの塗装は布切れは一番綺麗に塗れます。

 

キシラデコールやオイルステンのような油性の塗料が肌につくと、綺麗にするのがとても大変。ゴム手袋は必須です。

しかしながらゴム手袋だけだと塗装作業中に木材のささくれ部で簡単に破れてしまうので、このゴム手袋の上から更に軍手を重ねるのがポイント。これ、本当に重要です。

 

キシラデコールは仕様前にしっかり缶の中で混ぜて、塗料を入れる使い捨てのカップの中に出してやります。後は布切れに含ませて塗りつけるだけ。

 

布で塗りつける方法はとても簡単です。浸透タイプは木材に塗料が染み込むので、このような適当な塗り方でも塗りムラが全く出来ないのがとても良いです。塗りムラがあると一気に日曜大工っぽさが出ちゃいますから。

 

このような施工法だと軍手はこのように塗料まみれでビチョビチョになりますが、中にはビニール手袋があるので素手には塗料は付着していてません。

 

ムラ無く綺麗に塗れました。塗った直後はとても艶やかでとても綺麗です。乾燥すると艶は無くなり落ち着いた色調になります。

季節にもよりますが、完全な乾燥は1週間程と考えておいた方がいいでしょう。寒い時はもっと伸びます。また、ハードウッドとソフトウッドでは塗料の吸い込みの量が全然違いますので、木材の種類によって乾燥時間や必要な塗料の量も異なります。

なお、キシラデコールのような油性浸透タイプは灯油のような油の臭いが結構します。施工場所がご近所さんのすぐ近くである場合は、必要であれば事前にお断りを入れておく方がいいでしょう。もちろん、乾燥して溶剤が揮発すると臭いは無くなります。

 

ソフトウッドの場合は専用の下塗り塗料の使用が推奨されていますので、ウェスタンレッドシダーのようなソフトウッドに塗る場合は気を付けましょう。

 

わたしは断然、塗装派

わたしはこれまでウッドデッキを塗装することで耐久性が著しく向上したとか、長持ちするようになったという具体的な経験をしたことがありません。恐らく、その答えを出すには同条件での比較実験をしないと分からないし、そもそも元々耐久性の高いハードウッドだと答えが出るまでにかなりの時間を要するでしょう。

しかしながら塗装をしていて耐久性が悪くなるとは考えにくいですし、ならば少しでも耐久性が上がるように塗装した方がいいんじゃね?というのがわたしの考え。

 

塗装をすると明らかに雨水をはじくようになりますし、なんだかすごく木材にいい気がします。この撥水効果は割とすぐに無くなるんですが、きっと防腐剤などの効果は損なわれていないはず?

銀色に変化する天然材そのままならではの風合いを重視する人にはお勧め出来ませんが、浸透タイプの塗料ならば木目などはそのまま活かすことが出来ます。色の調整や耐久性の向上にメリットを感じる方は、是非とも塗装に挑戦してみてはいかがでしょうか。

 

自然な風合いもいいけど、浸透性塗料で塗装したウッドデッキも素敵!!

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