素人がDIYでいちから作るガーデニング小屋製作。前回はACQ防腐木材で土台と柱を、杉胴縁材で垂木を製作しました。小屋の骨組みがおおよそ出来上がったわけですね。
今回ご紹介するのは壁と屋根の組み立て作業。前回作った骨組みに壁や屋根の下地となる板を貼り付けていきます。
今回の作業
どんな作業? : ガーデニング小屋の壁と屋根の下地材の取り付け
使うもの : OSBボード、野地板、各種工具
必要な費用 : 6,500円程度(今回作業分の材料代)
肉体行使度 : ★★★☆☆(3)貼り付けるOSBボードの寸法次第では、一人作業だと結構大変
言いたいこと : 屋根と壁の接合部は雨漏りしやすいポイントらしいので、どうやって雨漏りを防ぐのか考えながら組み立てましょう
壁の下地の材料はOSBボード
最終的に小屋の壁をどのように仕上げるのかはまだちょっと悩んでいるんだけど、どんな仕上げにするにしても下地となるボードは必ず必要となります。その下地材として今回用意したのは、OSBボード(OSB合板)。おしゃれなガレージの内壁に剥き出しで使われることもある、独特な外観の合板です。
わたしもこれまでガレージの内装やら作業台などの材料にこのボードを多用してきました。端部を綺麗に処理できない素材なので家具の材料としてはとても使いにくいけど、綺麗な処理は不要であるガレージなどではとても便利。丈夫だし、なにより安い。前回の投稿からお値段のことばかりでなんだかお恥ずかしいですが、お値段ってやっぱり大切でしょ?
ところが…
今回久しぶりに購入したら価格が高くなっててもうびっくりです。以前は9mm厚だと一枚1,100円程度でしたが、今回は1,800円くらいもしました。1.5倍以上じゃん!
OSBボードは海外産の材料なので、最近の円安やら海上輸送コストの高騰っぷりを考えると、今後ますます値上がりするんだろうなぁ。今回購入したものの製造国はドイツ。以前購入してたやつはアメリカ産だった気がします。製造国によってお値段も変わりそうですね。
ボードの貼り付け時は柱の垂直確認も忘れずに
作業自体は前回よりもずっと簡単。小屋の寸法を測って、その寸法通りにボードを切って、そしてビスで固定していくだけ。OSBボードも、骨格となるACQ防腐木材も、どちらも柔らかくてビスが簡単に食いついていくので、下穴を開ける必要もありません。とっても楽ちん。
ボードを固定していく時に気をつけないといけないのが、各柱がきっちり垂直になっているのかどうかということ。
この点については前回しっかり調整したはずですが、調整不足だったり、木材の反りやねじれにより調整後に歪みが生じることもあるでしょう。いずれにせよ、まだこの時点では修正が可能なので、ボードを固定する時にエイっと修正しながら最後の調整を行うのです。ボードを貼り終えると小屋はガチガチに補強されるので、それ以降の修正はもうできません。これが最後のチャンス。
ところで、OSBボードは本来建物の補強をする為の構造用合板であり、しっかりと強度を出す為には取り付ける際に決められた方向を守る必要があります。良く見るとボードには向きを示す矢印が印刷されているでしょ?
今回の小屋はそもそも強度計算なんて高度な話とは全く無縁の小さなものなので、この方向性よりもいかに効率よく建物全体にボードを貼り付けることができるのかということだけを重視して作業しています。強度に拘りたい方は、こんな貧乏っちい方法じゃなく、しっかりと方向を守って下さいね。
ところで今回わたしが結構悩んだのが、ボードの下側をどの位置から貼り付けるかということ。
わたしのようなど素人が普通に考えたら土台のACQ防腐木材の下側と高さを合わせちゃうんだけど、そうなるとこのあと外壁を貼ったとしてもOSBボードの断面が床下に剥き出しになるんですよね。OSBボードって別に水気に対して特別耐久性が高い木材ってわけでもないから、なんだかそれが気になってしまう、わたし。
なので散々悩んだ挙句、下側は土台よりも少し引っ込めることに。この後印をつけた位置までボードをカットしました。
この後の工程でOSBボードの上には防水シートを貼り付けるんだけど、この位置までカットすればOSBボードの断面を覆うように防水シートを貼り付けることができるかもしれない…という考えです。
屋根の下地は野地板を使用
壁のボード貼りが終わったら、お次は屋根。屋根部分の下地にはOSBボードではなく野地板を使用します。
当初は壁同様にOSBボードを使おうと考えていたんたけど、たまたま屋根を作るのにぴったりの分だけ野地板の余りを持っていたので、それを有効活用することに。野地板はもともと屋根下地用の木材ですから、これが本来の使用用途というわけですね。
これまでの作業で小屋はかなりがっちりしていますから、小屋の形の微調整などはもう全くできません。なので先程の壁下地とは違い、屋根材は垂木に沿って丁寧に固定していくだけ。野地板は荒材なので反り・歪みも激しいので、丁寧に修正しながらコーススレッドで固定していきます。画像のとおり、それでも結構板が暴れていますね。
計画性のある人なら野地板の幅に合わせて屋根の大きさを決めるんでしょうが、計画性のないわたしが作るとこんな感じで最後に嫌な感じのスペースができてしまいます。
そういう時は現物あわせで野地板を割りまして、ピタっと寸法を合わせます。板を丸ノコで細く加工する作業はほんとうに怖いので、こんな作業はできればやりたくありません。丸ノコテーブルがあったら安全なんだろうけど、大きくて邪魔だしなぁ。
裏側から見ると一気に小屋っぽくなりました。野地板ってウッドフェンスなどで使うとガサガサした質感のために安っぽくなるけど、こうやって建物内側でみると杉ならではの木目のお陰で随分素敵な雰囲気に見えます。雰囲気はOSBボードよりずっと好み!ただ、板の修正が不十分で少し隙間ができているのはご愛敬。この後防水シートや瓦を取り付ければ分からなくなる程度のものですので、気にしないでおきましょう。
破風板と鼻隠しの取り付け
今回小屋を作るにあたって建物の屋根の構造についていろいろ調べたんですが、そこで分かったのは素人(わたし)が思っているよりも雨漏り対策はとても重要で、そして難しいということ。というのも、雨漏りって上から降ってくる雨だけではなく、それが屋根や壁を伝って隙間から入り込んでくる水のことまで考えなければいけないみたいなんです。
わたしが作っているのは所詮ガーデニング小屋ですから、極端な話多少雨漏りしても大問題ってわけじゃありません。だけど作るからにはやっぱり長持ちして欲しいですから、素人なりにちゃんと雨漏り対策もがんばります。
その為の工夫の一つが、屋根の側面にしっかりと破風板と鼻隠しを取り付け、そしてそれらと壁の間の隙間をできるだけ少なくするというもの。
雨漏りするポイントの一つは屋根と壁の接合部(今回の小屋だとOSBボードと野地板の間)らしく、例え立派な屋根があっても暴風雨で横殴りの雨が降るとどうしてもそのような場所に雨水が当たってしまいます。そこで、今回はその部分に絶対に雨水が当たらないよう、破風板と鼻隠しでしっかり覆ってしまおうというわけです。これなら下から上向きに雨が吹き込まない限り、絶対に濡れないでしょ?
一般的には垂木の断面を隠す為に屋根勾配の下側に取り付けるものを『鼻隠し』、屋根の側面に勾配方向と平行に取り付けるものを『破風板』というらしいです。破風の読み方は”はふ”なんですって。”はふう”だと思っていました。
じゃあ、今回のように片流れの屋根の場合、鼻隠しの反対側の板はなんていうの?とか、今回のわたしの小屋は垂木が通常とは90度角度が違うけどそれでも鼻隠しって呼ぶのかな?とか、破風板側の屋根の端っこはなんでカタカナでケラバっていうの?とか、新しいことに挑戦すると分からないことだらけで疑問は尽きません。またそれが楽しいんですけどね。
今回で小屋の形状は完成。次回は防水シート貼り
とりあえず、今回の作業で小屋の形ができました。わたしにとって人生初の小屋作りですから、なんとも感慨深いものです。
しかしながらただ屋根や壁の下地材を貼っただけの状態なので、このままでは雨が降ると雨漏りだらけでとんでもないことになってしまいます。雨漏りしたからといってすぐに腐ることは流石に無いと思うけど、せっかく作った小屋にシミやカビが生えてきちゃうことはあるでしょう。そうならないように続けて防水処理をしていきますが、そちらの作業はまた次回のご紹介。