サイクルポート製作

【DIYで作るサイクルポート#3】支柱の設置と垂木・屋根下地の組み立て


DIYでイチから作るサイクルポートの製作作業の続き。

これまではレンガ等で基礎を作ってきましたが、それから随分と時間が空いてしまいました。

今回製作するサイクルポートは、屋根のあるものとしてはこれまででもっとも大型の製作物ですから、いろいろと検討を重ねたり、ガーデニング小屋製作で屋根作りの勉強と練習をしたりしていたのです。それらの経験を活かして、いよいよこちらも製作を本格化させていきましょう。

今回の作業

どんな作業? : サイクルポートの支柱と垂木、野地板の組み立て

使うもの : 杉荒材、杉KD材桟木、杉野地板、各種工具

必要な費用 : 13,000円程度

肉体行使度 : ★★★☆☆(3)体力的にはきつくないけど、手の数がもっと欲しい

言いたいこと : 大きなものを一人で作業するのはめっちゃ大変で、危険。できれば誰かに手伝ってもらうべき

 

支柱の準備

サイクルポートは自転車の為の屋根。そして屋根を設置する為に必要なのは屋根を支えるための支柱。というわけで、まずは支柱がないと始まらない。

でもその支柱を入手するのに少しばかり苦労したのは以前ご紹介したとおり。何も気にせず選んだ75mm角用の支柱金具のせいです。90mm角なら簡単に入手出来るのにね。

あまり選択肢の無い75mm角の支柱を探した結果、今回は杉の荒材を用意しました。

これくらいしか選択肢が無かったという消極的な理由ですが、いざ購入してみるとその安さはとても魅力的であることを知りました。75mm角の3,000mm長で1本2,000円程度。バグっているような価格です。

その代償として未乾燥だったり、それゆえに派手に割れが発生したり、派手に反りが発生したりするんですけどね。精度を求める場所に使えるような木材ではありません。扱いがとても難しい。

 

今回は屋外での使用なので、あまり神経質なことは考えずに使います。怪我をしないように表面を研磨して、角を落として、そして耐久性を向上させるためにしっかりと塗装もしました。塗装後こうやって乾燥させておくと、明らかに反ってくるのは結構ビビりました。さらに続けて放置していると、盛大に割れてきてもっとビビりました。

荒材はほんとうに安いですが、多少の、いや、そこそこの割れや反りを許容できるおおらかな人向けの木材です。組み立ての際は反りを上手く修正しないとだめですから、手間と工夫も必要です。

 

支柱金具の準備

こちらは支柱を立てる為の金具。90mm角の木材はあまりにも見た目がごつくて嫌だったので、見た目をすっきりさせたくて75mm角用の支柱金具を購入したんです。それでのせいで支柱用の木材の選択肢がぐっと減ったのは頭の痛い話。

 

この支柱金具、角材をすっぽり覆うようにして固定する構造なんですが、雨が降ったあとに見るとどうみても内部に水が溜まっています。いや、溜まっているというよりかは抜けが悪いという表現の方が正しいのだけど、いずれにせよ排水性や通気性は絶望的な感じ。まぁ、見たまんまですが。

 

このまま支柱を立てても雨が降る度にこの水分が支柱の底部から木材に移行して長持ちしないだろうし、少しでも支柱への水分移行を減らすべく、支柱金具と支柱との間に基礎スペーサー(基礎パッキン)を挟んでやることにしました。

ただ、75mm以下のサイズの基礎スペーサーって、少なくても我々素人がAmazon等で簡単に購入できるものではないようなので、手に入りやすい100mmサイズをいい感じに切断。

 

目論見どおり支柱金具の中にすっぽり収まりました。

 

支柱を立てて桁の取り付け

支柱と支柱金具の準備ができたら、いよいよサイクルポートの組み立てを開始。

まずは支柱を支柱金具に差し込みます。この支柱をぐるっと囲むタイプの支柱金具を使うのは今回が初めて。スポッと支柱が簡単に入るだろうと思っていたんですが、ネジをしっかり緩めても木材に対して支柱金具の穴の方が狭い為、ドライバーかなにかで支柱金具を広げながらじゃないと支柱を差し込むことができませんでした。支柱金具の方が狭いんじゃなくて、未乾燥の荒材の方が規格寸法よりも太いだけかもしれないけど。

 

支柱を設置したわけですが、支柱の角度はこの支柱金具の固定ネジの締め付け具合でも変わってしまうので、この時点ではまだ本締めしません。支柱がグラつかない程度に軽くだけ締めておきます。本締めするのは結構後の工程で、ブログでの投稿でいうとなんと次回になります。

 

支柱が立ったらサイクルポートの長手方向で支柱を連結する『桁』を取り付けます。3mちょっともの長さのある木材をまだ不安定な支柱の上に乗っけるわけですから、1人でやるとなかなか危なっかしい作業です。できればどなたかに支柱を支えてもらったり、桁をもっていただきながらやりたい作業ですね。わたしは1人作業ですから、危なっかしいなぁと思いながらもなんとか頑張って取り付けるしかありません。

 

垂木の加工と取り付け

桁を取り付けたら、その桁を使って『垂木』を取り付けます。垂木は屋根を支えるための部材です。

この垂木の角度がそのまま屋根勾配になるんですが、最初っから計算してもなかなか数値が合わないんです。だからこの時点で今一度建設中のサイクルポートから寸法をひろってきて、垂木の角度や必要となる加工の寸法を決めます。学校の授業以外で一番三角関数が役立った瞬間かもしれません。サイン・コサイン・タンジェント。覚えていますか?ここまでしても実際はなかなか寸法が合わないんですけどね。

 

設計図に従って、スライド丸ノコで切り欠き加工をしていきます。切り欠きはもちろんノミで仕上げるんだけど、切り込みの数が多い程、素人でも綺麗に、そして簡単に加工できるようになります。手ノコでも時間をかければできるんだろうけど、やっぱりスライド丸ノコがあると超便利。買ってよかったスライド丸ノコ。

 

垂木が乗りました。垂木は杉のKD材。桟木(さんぎ)用として販売されていたものです。取り付けの間隔はおよそ600mm程度。

 

木材の反りやわたしの加工精度の悪さなどにより、なかなか寸法通りといかないのが素人DIYの難しいところですが、パッと見はそこそこ目論み通りになりました。

 

野地板張り

続けて屋根の下地材の取り付け。

屋根の下地材はガーデニング小屋と同じく、杉の野地板を使用します。以前は10枚で2,000円くらいだったというのに、最近では6枚で2,000円程度になっていました。これから先物価はどうなっていくんでしょうね。

 

屋根下地は野地板本来の使用用途ですから、表面を研磨することも無く、ただ寸法通りにカットして取り付けるだけ。取り付けるのは高さ2m以上の場所ですから、あまり脚立を昇り降りしないで済むよう、加工済みの野地板は一気に垂木の上に運搬しておきます。

 

あとはひたすら垂木に固定していくだけ。この作業は脚立の上で行うのでそれほど危険ではないんですが、まだこの時点ではサイクルポートの骨格はグラグラで不安定なので、結構怖いです。わたしは早くルーフィングシートを貼りたくてこんな手順でやっていますが、できればもっと補強してからの方が安全でよいかと思います。DIYで一番大切なのは怪我をしないことです。

 

側面にはやはりガーデニング小屋と同じく、破風板鼻隠しを取り付け。この部分は滴る雨水で絶対に傷みやすいので、今回は豪華にウリンを使いました。ウリンって本当に重たいので、こういった高い場所に設置するのは本当に大変です。重たい材料を支えながら固定するのはとても危ないので、やっぱりこういう作業は1人でやるべきじゃないなぁ、と強く感じました。危なっかしい作業を繰り返していると、いつ怪我をしてもおかしくありません。

 

ルーフィングシート張り

野地板を取り付けただけでは雨は染み込みまくり、隙間から雨漏りしまくりなので、そうならないように防水対策となるルーフィングシートを貼り付けます。

使うのはもちろんガーデニング小屋製作で余っているカラールーフ。安価なアスファルトルーフィングです。このカラールーフは見た目以上にとても重たいので、屋根の上まで持ち上げて採寸・カットするのはとても非効率的。予め屋根の寸法を測定しておき、地面の上でその寸法になるようにカットした方がずっと安全です。

 

カットしたルーフィングシートを乗せて、タッカーでバチン、バチンと固定していきます。

 

これで屋根の雨仕舞が完成!…といいたいところなんですが、実は野地板をあと4列分、そしてルーフィングシートをもう1枚張らないとダメなんです。けれど作業スペースの問題上、ここから先の作業は屋根の上に上る必要があります。これまでは屋根の隙間から脚立を使って作業していましたが、屋根が完成に近付くほどそのスペースが無くなるでしょ?

早速屋根の上に登って作業を完了させたいんですが、まだまだ支柱の補強も足りないので、とてもじゃないけど人が乗って作業できるような状態ではありません。わたしが上ってるときに倒壊したらそれこそ大惨事なので、そうならないようにまずは全体をガチガチに補強してやりましょう。

 

なので残りの部分には野地板を仮置きし、その上にルーフィングシートを置き、ルーフィングシートは重しを置いて仮固定しておきます。強風が吹いたら飛んでいきそうで怖いなぁ。

 

とりえあず雨をしのげるようにはなったけど…

というわけで、実際はまだまだ仮固定の部分のあるんですが、とりあえずは雨漏りしないような屋根が出来上がりました。一応、これでもう自転車は置けます。

ですが、そもそも支柱自体まだしっかりと固定していませんし、その為全体はグラグラ。垂直も出ていません。ほんとうに、ただ雨を防げるだけ。強風が吹いたら倒壊の危機すらありそう。ルーフィングシートも飛んでいきそう。

なのでまずは早急に全体の補強。そして、その後に残りの野地板とルーフィングシートの固定はしないといけません。また、その後は屋根材の取り付けもしなければなりません。更に快適度を上げるのであれば壁や扉も設置したいですよね。梅雨も明けましたし、これからはもっとスピードアップして仕上げていきたいと思います。

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