素人でもできるウッドデッキ製作

『ウリン』を実際に使って分かった素人目線のメリット・デメリット


わたしはこれまでのウッドデッキ、ウッドフェンス製作ではサイプレスという木材を主に使ってきました。

サイプレスはハードウッドにしては軽くて扱いやすいという点でとても気に入っているのですが、割れが発生しやすいというデメリットも抱えている木材。割れた場所は鋭利なので、素足で歩くことのある床板には使用しにくいですよね。

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『サイプレス』を実際に使って分かった素人目線のメリット・デメリット

Contents1 サイプレスって何なの?2 サイプレスはハードウッド?3 サイプレスのメリット4 サイプレスの欠点5 まとめ:使い方によっては便利な木材 わたしはこれまでのウッドデッキ、ウッドフェン ...

サイプレスに対してそんなモヤモヤな気持ちを抱えていたわたしは、代わりにウリンという木材を使用してみることに。

ウリンといえばアイアンウッドとも呼ばれ、その耐久性からウッドデッキ材の代表的な扱いをされている木材の一つ。今までずーっと気にはなっていたんですが、これまでは主に金銭的な理由で縁がありませんでした。

しかし!

サイプレスじゃ割れが気になるでしょ?危ないでしょ?という大義名分もできたので、床板に限定ですがようやくウリンにチャレンジすることができました。いいものなんだろうから、多少高くても仕方がないよね?ね?

加工性が悪いとか、樹液汚れが酷いとか悪い噂も聞きますが、素人が実際使ってみてどう感じたのかご紹介したいと思います。

 

ウリンってどんな木材

素人のわたしがウッドデッキを作ろうと少し調べただけでも覚える位、ウッドデッキの材料としては有名な木材。インドネシアとマレーシアが原産のクスノキの仲間に分類される木。つまり、海外製の木材なんですね。インドネシアではウリン・マレーシアではビリアンと呼ばれているようです。

ウッドデッキの材料としてはかなり有名な一方で、供給が不安定なのか、使用用途がニッチすぎるのか、ホームセンターではまず売ってません。わたしのような素人が購入する場合はもっぱらインターネット通販が中心になるでしょう。

 

ウリンのメリット

硬くて耐久性抜群?

ウリンと言えばアイアンウッドと呼ばれることで有名なように、その硬さがメリットの一つ。

木は密度がある程硬いとされますが、ホームセンターで売っているソフトウッドのSPF材やウエスタンレッドシダー材の密度が0.3g/cc程度であるのに対し、ウリンの密度は0.93g/ccとか0.96g/cc。つまり、わたし達の身近にあるDIYではごく一般的な木材よりも、3倍以上の密度があることになります。すげぇ。

硬い木材というのは一般的に耐久性が高いとされていますので、つまりウリンという木材はとても耐久性が高いということになります。

DIYに挑戦する方の中には仕事に子育てに大忙しの方も多くおられるでしょう。貴重な休日の時間と安くない材料費を注ぎ込むウッドデッキなのですから、少しでも長持ちして欲しいですよね。だから、

耐久性が高い。これだけでもこの木材を選択するに十分すぎる理由ですね。

ただ問題なのが、実際どれだけもつのか具体的に分からないこと。数年で朽ち果てる木材では困るのは当然ですが、巷で言われてるように数十年壊れなくてもそれはオーバースペック。公共の場所ならともかく、個人のウッドデッキでは明らかに持て余します。50年以上長持ちしたとしても、下手したらウッドデッキより先に亡くなっちゃいますよ、わたし。

耐久性に関してはわたしがよく使用するサイプレスでも十分かもしれませんが、その答えはすぐには分かりません。数十年後にもこのブログがあれば、答えを追記できるかも・・・。

 

重厚感のある見た目

節があっていかにも天然素材っぽい見た目も良いのですが、ウリンは一見すると木材っぽくない重厚な見た目をしています。

色も赤みが強く、木目はあまり目立ちません。見た目は完全に好みが分かれるところなのでメリットとは必ずしも言えませんが、いかにも重厚な見た目は高級感があって良いですね。

 

制作後2年ほど経過したサイプレス製のウッドデッキの補修の為、2枚だけウリンの板を張った時の様子。赤い色がとても目立ってますが、ウリンも多くの木材同様時間とともに銀色っぽく変色するそうなので、今後どうなるか楽しみです。

 

ウリンのデメリット

とにかく重い。マジ、重い。

密度が高いから当たり前じゃね?そう思ったあなたは大正解。わたしは木材が届いて自分で持ち上げる瞬間まで気がつきませんでした。

この重さ(密度の高さ)は高い耐久性を得るために重要な要素なんでしょうけど、素人DIYでは作業性も重要。

わたしが今回使用したのは床板用の薄ーい木材なんですが、この重さというのはかなり気になりました。作業性は決して良くないなと感じました。

もちろん薄い板一枚なら一人でも全然持てるのですが、実際はこのように6枚位がまとまって梱包されてます。これ1セットで30kg位。

重量自体は一人で持ち運べる範囲のものですが、長物で持ちにくいので実際の重量以上に感じました。理論上はサイプレスの1.35倍位の重さだけど、感覚的には1.8倍位。SPF材やウエスタンレッドシダー等のソフトウッドと比較すると、感覚的には5倍位重いよ!

梱包を解いて薄板一枚ずつなら楽々持てる重さですが、角材や構造材用の分厚い寸法の物を使う時は注意が必要かもしれません。

 

表面のささくれ

サイプレスのようにガツンと割れるわけじゃないですが、購入時から多少のささくれがあります。

多少のささくれと言ってもすごく硬い木材でのささくれなので、紙やすりのようなザラザラ感を強く感じます。つまり、裸足で歩くと大人でも痛いのです。

ハードウッドなんてどんな木材でも似たようなものかもしれないけど、どうしても裸足で歩いたりゴロゴロしたいなら、やすりがけ等の丁寧な加工、メンテナンスが必要に感じます。

 

その他感じたこといろいろ

意外と高価では無かったウリン

ウリンと言えば高級な素材、というイメージが強かったのですが、いざ購入してみるとそこまで高価ではありませんでした。

例えば20mm×105mm×2100mmの床板用の木材で比較すると、わたしがこれまで使っていたサイプレスの場合は1,523円。ウリンの場合は1,809円でした(2018年3月時点でわたしが購入した業者様での場合)。

サイプレスはコストパフォーマンスに優れることがメリットの一つですので価格は当然ウリンの方が高いのですが、その差は約20%。10万円分のサイプレスをウリンに置き換えたら、12万円。この違いをどう感じるかは人それぞれですが、耐久性がアップするという性能面での安心感を考えると意外とそこまで高くはないんだな、と感じました。

ちなみに、より高級な素材として有名なイペ材の場合、20mm×105mm×2100mmだと2,500円以上します。10万円分のサイプレスをイペ材に置き換えたら、16万円以上。これだけの価格差となると、わたしの場合はなかなか手を出すことができません。

 

加工性は特に気にならない

ウリンはその硬さの為に加工性が悪いとよく紹介されてます。

なのでドキドキしながら丸ノコで切断したり、

 

ドリルで穴を開けたり、

 

コーススレッド(木ねじ)で締めこんだり、ウッドデッキの制作で一般的な作業をしてみました。※ 加工性が良いとされるサイプレスだろうが、ハードウッドの場合はコーススレッドを取り付けるには下穴が必要です。

それらを行った感想は・・・

うん、普通。全然普通。

重さ同様、加工性も1.8倍位大変かと思ってたんですが全然そんなことありませんでした。

多分手作業なら違いは感じるんでしょうけど、ウリンだろうがサイプレスだろうがハードウッドを加工するには各種電動工具が必須になります。電動工具なら余裕で加工できるので、多少の硬さの差はまったく分からないんでしょうね。トリマーのような無茶苦茶負荷の掛かる電動工具なら違いが分かるかもしれませんが、ウッドデッキ制作では使ったことがないのでわたしにはやはり分かりません。

 

樹液で基礎が汚れ・・・・てない!

ウリンは独特の赤っぽい色をしていますが、この赤っぽい色を含んだ樹液が雨水で溶け出して基礎を汚すんだとか。

ウリンで施工後二ヶ月位経ってますが、今のところそのような汚れは我が家ではありません。どぎつい色の衣類を洗濯した時の色落ちのように、ウリンを使用したらすぐに汚れが出てくるものだと覚悟していたので、少し拍子抜け。

まだ施工して日も浅いので、その後どうだったかはまたブログでご紹介したいと思います。

 

まとめ:重いのが気になるけど、人気があるのも頷ける木材

重いことによる作業性の悪ささえ我慢すれば、意外と高くないお値段、重厚な見た目、抜群の耐久性と良いところばかりの木材。人気があるのも分かります。

耐久性は具体的にいつまで持つのか確かめる術がないので正直信じるしかできませんが、サイプレスのように割れないだけでもかなりのメリット。多少のささくれは天然素材なので我慢しましょう。

素人のわたしが実際施工できてることからも加工が極端に悪いという訳ではないので、丈夫なウッドデッキを作りたい!重厚なウッドデッキを作りたい!という方は是非挑戦してみてはいかがでしょうか。

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