お庭造りの材料

木製の支柱の立て方には注意が必要。支柱金具によっては支柱が腐る!?


お庭でウッドデッキやウッドフェンス、パーゴラを製作するときに必ず必要になるのが支柱。ウッドデッキの場合は束と呼びますが、つまりは柱となる部分です。我々素人のDIYにおいてこの支柱を設置する作業って結構難易度が高いんですよね。

そこそこの太さのある木材を綺麗に切断するのも難しいし、それをまっすぐ立てることも難しい。でも一番難しいのは、この支柱を地面に固定する方法を考えることなんです。とくにウッドフェンスだと風による横方向の力に耐えるための工夫をしなければならないので、施工の難易度はとても高いです。最もメジャーなのは支柱を地中深くにコンクリートで埋め込む方法なんですが、地面を深く掘るのはとても大変だし、コンクリートで木材を固定するのも長期的にみると懸念があるんですよね(詳しくはまた後で)。

一方で、四隅でしっかりと地面に固定されるパーゴラのような構造であればこのような支柱金具で十分。これまでわたしはこのタイプの支柱金具に大変お世話になってきました。コンクリートブロックに金具を取り付けるだけで支柱を簡単に立てることができるので、とっても便利。もちろん、基礎としてはとても貧弱ですから、荷重がかかるような用途には使えないというデメリットはありますが。

 

そんな支柱金具ですが、最近75mm角の支柱を立てるために、このような製品を初めて使いました。これまでは別のメーカーさんの製品を使っていたんですが、なぜだか入手できない時期があったのです。そのため代わりにこの製品を何気なく選んだんですが、もうこれが大失敗でした。

何がダメって、支柱金具内の排水性が最悪だったのです。

木材を長持ちさせるには雨で濡れたあといかに速やかに乾燥させるかが重要ですが、この支柱金具はその点がダメダメ。

 

このことに気が付いたのはたまたまでした。施工後、しばらくしてから支柱の寸法を変更したくなって支柱金具から木材を取り外そうとしたのですが、これが支柱金具から全く抜けなかったのです。

 

あれ?差し込むときって確か緩々気味だったような・・・と思いつつも、施工後に木材の寸法が変わることなんて珍しくもないので、最初はそれほど気にしていませんでした。ハンマーで軽く叩けばすぐに抜けると思っていました。

ですが、叩けど叩けど、まったく支柱は抜けず。しかも、ハンマーで叩くたびにビスを打つための穴から水滴が飛び出してくるんですよ。とても嫌な予感がします。

 

30分ほど叩き続けた結果、10mmほど支柱金具が動きました。支柱金具があった部分の木材は明らかに抜ています。そう、どうやら支柱金具の内部に水が溜まり、それを吸った支柱の木材が膨らんでしまっているのです。だから抜こうとしてもびくともしないんですね。

 

少しずつだけど、ハンマーで叩き続ければ支柱金具が動くことが分かったので、ひたすら無心で叩き続けます。

 

やった!やっと抜けた!!・・・もうこの作業は2度としたくありません。

 

支柱金具の内部は予想通りかなりウェッティー(濡れ濡れ)。この作業をした日の3日前ほどに雨は少し降りましたので、少なくともその日からずっとこの内部は乾燥していなかったことになります。下手するとそれ以前の水分も残っていた可能性も十分あるでしょう。画像では分かりにくいですが、内部は既に錆び始めています。

 

実はこのようなリスクは施工時に多少想定していて、木材が内部に溜まった水分を吸いにくいよう、底部には基礎パッキンを入れていました。

 

でも残念ながら木材はしっかりと水分を吸っているじゃないですか。画像じゃ少し分かりにくいかもしれませんが、むっちゃ濡れ濡れ。様子からして木口から吸ってるみたいだし、もしかして支柱金具の内部は基礎パッキンの厚み以上に水が溜まっていたのでは?

 

で、今回なんでこんなことが起こってしまったかというと、おそらく支柱金具の形状が悪かったからだと思っています。支柱を固定する部分が完全に筒状になっており、内部に溜まった水がとても抜けつらい。

 

これは以前から使用している別のメーカーさんの支柱金具の一つ。これも筒状の形をしていますが、右上がスリット状に開口しているので水が溜まることはないはず。決して木材を乾燥させやすい構造とは言えませんが、それでももし木材が水を吸って太ってしまっても抜くのは簡単そうです。ネジを緩めたら金具をグイっと広げることができますから。

 

排水性と木材を乾燥させるという点では、このような構造の支柱金具がベストでしょう。確かこれはジョイフル本田のPB商品だったかな?支柱を固定する力は筒状のタイプよりも弱そうですが、そのかわり排水性は抜群。通気性も抜群なので、支柱の木材もすぐ乾くはず。

というわけで、支柱金具の種類によっては支柱となる木材がずっと湿った状態になる可能性があるってことが今回分かりました。木材を湿った状態にしておくと、当然すぐに傷んでしまいます。ウリンなどのハードウッドであればそれでも長持ちするのでしょうけど、傷みやすいソフトウッドだとこれは致命的。杉やウェスタンレッドシダーなどは数年でダメになってしまう可能性があります。支柱の痛みは怖いですよー。倒壊につながりますからね。

この排水性の問題ですが、支柱をコンクリートで地面に埋め込むことが多い、ウッドフェンスの支柱においても同様です。金属製の支柱金具よりもコンクリートの方がまだマシですが、それでも埋め込まれた木材が湿った状態になりやすいことは同じ。根元が腐敗して折れてしまったり、水分を吸って木材が太ったことにより根元のコンクリートが割れたという事例を実際に見たこともあります。このような施工をする場合は、せめて傷みやすいソフトウッド類は避け、より強靭なハードウッド類を選んだ方がよいのでしょうね。

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