家具製作

【DIY】桐の集合材で作る、床の間用の開閉式収納棚


今回の作業

どんな作業? : 床の間に設置する開閉式収納棚(戸棚)の製作

使うもの : 桐集合材、OSBボード、各種杉材、丁番、マグネットキャッチ、コーススレッド、卓上丸ノコ、電動ドライバー、電動ドリル、トリマー

必要な費用 : 10,000円強 (工具代除く)

肉体行使度 : ★★★☆☆(3)作業時間は半日程度

言いたいこと : 開閉扉の調整って、予想外に面倒臭くて結構難しいです

 

床の間に子供用のロッカーを作ろう

皆様のお家にありますか、床の間?

床の間といえば和室にある神聖とされるスペースですが、マンション含め現代の住宅では床の間を設ける方はそれほど多くないのではないでしょうか?あっととしても、かなり小さいスペースかも。

我が家にも一応あるんです。床の間。小さ過ぎて床の間というよりかは床スペースって感じですけど。でも、こういう住宅も最近多いそうですよ。雛人形とか飾るのにそんなに大きなスペースは要らないですからね。昔のような大きな家ならともかく、コンパクトな最近の住宅では生活空間の方が重視されるのは当然のことでしょう。

わたしの場合、将来的に実家とかの仏壇を持って行って欲しいといった要望が親からでる可能性がゼロとは言い切れなかった為、そんな万が一に備えて一応ギリギリ仏壇が入るだけのスペースを確保したのがこの少スペースの理由です。親はそんなことは絶対無いって言っているけど、人生100年時代、今後なにがあるのか分かりませんから。

そんな床の間と呼ぶにはおこがましいような床スペース。当面はこれといった活用方法がなかったのですが、最近子供の学用品を収納する手頃な場所が無くなってきたことから、この床の間に子供用のロッカーを作ってやることにしました。

 

材料

今回メインで使用するのは桐(きり)の集合材

家具製作では無垢の角材を使用することが圧倒的に多いのですが、今回は奥行きが必要なので無垢材は不向き。奥行きを出す為に接合を繰り返すとどうしても歪みが生じますし、見た目も美しくありません。なので今回は予め複数の木材を接合して板に加工されている集合材を使うのですが、床の間に合う質感ということで選んだのが桐です。ちなみに、桐の集合材を使うのは初めて。

 

厚みは13mm。

見た目的には薄い方が目立たなくていいんだけど、もちろん強度も必要だから厚みの選定は難しいところ。製作後に振り返ってみると、厚みはこの13mmでちょうどよかったと思います。

 

開閉式の扉を付けるので、その為の部品もいろいろと購入。

丁番にはいろんなタイプがありますが、最も一般的なこのタイプの丁番はトリマーによる掘り込みが必要で、意外と取り付けの難易度は高いように感じました。

今回はこれらの他に土台用の杉材や、背面パネルに使用するOSBボードなども準備。それらはおいおいご紹介します。

 

設計図を書いて材料の切り出し

材料も揃ったところで、早速作業の開始。

まずはお決まりの落書きクオリティの設計図を書きます。省略しすぎてもはや設計図の体をなしていませんが、頭の中での構造の整理と、各部の寸法の計算が目的ですから…。

 

そして材料をカット。スライド丸ノコといえども幅400mmある木材は一発では切れません。しかしながらひっくり返して2回に分ければ幅600mm程度までなら綺麗にカットすることができますので、やっぱりスライド丸ノコは便利です。小物だけじゃなく、そこそこの大物を作りたいならスライド丸ノコは超おススメですよ。少々値が張るだけの価値はあります。

 

切り出した部品に背面パネルを取り付ける為の溝を掘ります。削りカスは飛散するし、加工音は大きいし、できれば使いたくないなーといつも思いつつも、便利すぎて結局いつも使ってしまう。それが、トリマー。

 

ここらへんの構造は市販のカラーボックスや組み立て式家具の真似ですね。こんな加工が綺麗にできるなんて、トリマーって本当に便利です。

 

次に丁番を取り付ける為の加工を。丁番にもいろんなタイプがあるんですが、こういう最も一般的なタイプはその厚みの分だけ溝を掘って、埋め込む必要があります。埋め込まないと、扉と収納棚本体との間に3mm程度の結構大きな隙間ができちゃうのです。言い換えると、その隙間を許容できるなら、そんな面倒な加工は不要です。

 

この埋め込む作業を行うのであれば、DIYではトリマーが無いとできませんから、誰でも簡単・お手軽ってわけにはいきません。トリマーって敷居の高い工具なのです

 

角っこ部分はノミで仕上げます。ノミっていかにも大工さんチックな難しそうな道具ですが、意外となにかと重宝しますよ。もちろん高級品の切れ味は素晴らしいのですが、安物でも研げば切れ味は十分良くなり、DIYなら十分使えるように感じます。

 

うまく埋まりました!

 

同様にして、扉となる木材の方にも同様に掘り込みを行います。

 

開閉式収納棚の組み立て

各パーツの加工が終わったら、次はそれらを組み立てていきます。シンプルな構造なので組み立てはとっても簡単。

ただ、集合材といえども結構歪みや反りはあるので、それを修正しつつ丁寧に組み立てていきます。

 

今回製作する開閉式収納棚は当面は子供用のロッカーとして使用しますが、冒頭のとおり将来的にはどうなるのか分かりません。そのため容易に分解できるよう、組み立てはコーススレッドのみ、そしてそのネジ頭の埋め込み作業は行いません。桐はソフトウッドで簡単にネジを打ち込むことができますが、今回使用する材料はそれほど厚みもないので、割れないように丁寧に下穴を開けてからコーススレッドを打ち込みます。これまでいろいろ失敗を重ねてきましたが、下穴はどんな時でも絶対に開けた方がいいです

 

真ん中にも仕切りを設けて、2分割構造に。子供は整理がまだ苦手なので、一方は学用品、もう一方はおもちゃという感じで使い分けてもらうイメージです。

 

背面パネルには安価なOSBボードを使用。これはガレージに転がっていた端材ですね。OSBボードの外観は超ワイルドなのでなかなか使いどころが難しく、少なくても和室には絶対に合いません。しかしながら、このような背面パネルなら見た目は関係ありませんからね。

 

蓋をするようにして上部のパネルを取り付けると、一気に収納スペースっぽい見た目になりました。

 

マグネットキャッチを取り付けて、

丁番を使って扉を取り付ければ、

完成!…といいたいんですが、あともう少し作業は続きます。

 

開閉扉の調整が意外と面倒

扉を取り付けてから気が付いたのが、ここの隙間。どうみても左右で隙間が違います。こ、こんなはずでは…。

 

そしてここの隙間も全然違う。左側は明らかに中央の仕切りと接触していて、扉の開閉に支障をきたすレベル。

しっかりと丁寧に作ったつもりだったのですが、微妙な寸法のズレや丁番の取り付けの具合でいろいろと不具合が生じた様子。特に丁番の取り付け具合の影響ってかなり大きくて、ちょっと動かすだけで扉の位置はかなり変わります。これって当然といえば当然で、丁番で僅かにすぎない角度のズレなんかも、数十センチ離れている扉の先っぽでは数ミリのズレに増幅されてしまうのですから。今回も僅かに傾いて扉がついていました。

そこで丁番の調整を行うわけですが、丁番を取り付ける木材に対して既にネジの穴は開いてしまっているので、細かい微調整はもうできません。位置を変えようにも既に開いている穴にネジが滑り込んでしまうからです。丁番の方のネジ穴を拡大してやれば同じネジの位置でも微調整することができますが、それなら最初から丁番の穴に対して僅かに細いネジを使っていればよかったですね。

 

今回は丁番の調整だけでは完全に扉のズレを修正できなかったので、残りの調整は扉の方を加工してやることに。印をつけて、少しづつカットしていきます。ついつい一気にやってしまいたくなりますが、一度小さくカットした木材は二度と元の大きさには戻りませんから。

 

うまい具合になりました。丁番って結構身近な金具ですが、きっちりやろうとすると意外とその取り付けは面倒なんだということが分かりました。

 

台も作って床の間に設置

一連の作業が終わりましたら、いよいよ最後の仕上げ、設置作業です。

今回の収納ロッカーはいろんな目的により床から少し高い場所に設置することにしていたので、下駄を履かす為の土台を別途製作しました。こちらは全て杉材で作っています。

 

その上に製作した開閉式収納棚をどーんと設置すれば完成。地味だけど、そのお陰で和室にすっと溶け込んでいるのではないでしょうか。桐箱みたい…という意見も家族からはもらいましたが、桐で作ってるんだから当たり前でしょ。

DIYのメリットの一つといえば自分好みの寸法の家具を手に入れることができることですが、今回もそのお陰でこれ以上ないくらいにぴったりに仕上がりました。むしろぴったりすぎて、設置するのが大変だったくらい。壁との間は左右合計で10mmくらいはあった方が良いかも。ついついいつも寸法を攻めすぎてしまい、壁にゴリゴリ当てながら設置する羽目になります。

 

内部にはこれまた余っていたダボレールを取り付けましたので、棚板可動棚として使用することができますよ。端材ってこんな感じで役に立つことが多いから、なかなか捨てることができないんですよね。

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