木材を組み合わせて家具を作るときに必要不可欠なのがコーススレッドなどの木ネジ。
木ネジってドライバーで締めつけるだけで簡単に、しかも強固に木材を組み立てることができてとても便利ですよね。しかも安価!DIYではもはや不可欠な存在。超助かってます。
しかしながら、このようにネジの頭が丸見えだといかにも日曜大工の手作りって感じがするのが悩ましいところ。
センスのある人ならネジの質感すらデザインの一部にしてしまいそうだけど、大抵の場合はネジの安っぽい光沢と、プラスの溝が木材の質感から浮いてしまいます。
市販の組み立て式家具にはこのネジの頭を隠すための木目調シールなんかが付属する場合もありますが、シールも大抵安っぽい質感なので正直微妙…。
しかし、そういうシールが用意されているということは、やっぱり金属製のネジが丸見えってことに抵抗がある人が多いってことなのでしょう。
そこで、今回はこのネジの頭を美しく隠す方法をご紹介しましょう。
ネジの頭は我々素人でも案外簡単に隠すことができる上に、家具の完成度がグッと上がるので是非おススメしたい作業です。
ネジはこんな感じで隠れています
まず最初に完成後のイメージ紹介。
こちらはオーク無垢材のソファのフレームなんですが、フレームの一部に明らかに木目が揃っていない丸い部分があるのが分かりますね。
木ネジはこの丸い部分の内部に隠れています。
こちらはウォールナット無垢材の棚です。こちらもよく見れば丸い部分があります。こちらも内部には木ネジが隠されています。
先程のソファとこの棚の2点は購入した家具なので、プロの方によるお仕事です。
一方、こちらはわたしがDIYで作った飾り棚。その側面部です。
先程のソファや棚と同様に、色調の違う丸い部分がありますね。もちろん、内部には木ネジが入っています。
わたしはこの丸っこい部分をワンポイントにするのが好きなので、ワザと色調を変えています。もちろん、目立たないように同色にすることも可能です。
なお、内部はこのようになっています。
①がネジの頭を隠す蓋の部品、
②がネジを埋め込む為のザグリ加工部分、
③が木ネジを確実に取り付ける為の下穴、
④が木ネジです。
それでは、早速施工方法を紹介しましょう。
木ネジの頭を隠す方法
穴開けとザグリ加工
加工の第一歩は、木ネジを取り付ける為の下穴開けから。
家具のDIYでは主流の木材と言えばSPF材やレッドシダー、杉といったソフトウッド。これらの木材は柔らかくて加工性が良いのが特長です。これらの木材は下穴を開けなくても木ネジを使用することは出来るのですが、材に厚みがない場所などでは割れが発生することがあります。それを防ぐ為にも、一手間掛けて下穴を開けるのをお勧めします。
下穴開けは専用のドリル刃を使いますが、別に細ければ普通のドリル刃でも全く問題ありません。木ネジよりも細い径のものを使用しましょう。
下穴を開けたら、お次は木ネジを埋め込む為のザグリ加工。ザグリ加工とは、下穴の一部を段状に広げる加工です。座掘りとか座彫りとかいろんな呼び方をするみたい。
この図の②の部分です。文章よりも図の方が分かりやすいですね。
このような座掘りカッターという専用の工具もありますが、そんなのわざわざ買ってられない!という人は、普通のドリルの刃でも代用出来ます。
ドリル刃のサイズは木ネジの頭の径を測定して、それより少し大きめのドリルの刃を選びます。とはいうものの、わたしはいっつも直径8mmのドリルで施工してます。
このドリルでの加工は穴を貫通させてはいけません。20mm〜30mmの深さで十分なので、マスキングテープで印をつけときます。
ガガガーっとマスキングテープが木材表面に達するまで穴を開けましょう。
ザグリ加工が出来ました。中央に見える小さな穴は下穴で、この穴は木材を貫通しています。
木ネジで木材を組み立て
出来上がったザグリ付き下穴を使用して木ネジを取り付けます。
普通にドライバーや電動ドライバーで締め付けたらオッケー。
こんな感じでザグリ加工した穴にネジの穴がスポッと収まります。
穴を埋める
ここからが木ネジの頭を隠す作業です。
まずはザグリ穴と同じ径の丸棒を用意。もちろん、ザグリ加工に使用したドリルとも同じ径です。
わたしの場合は直径8mmのドリルでザグリ加工を行ったので、直径8mmの丸棒が必要となります。
これをザグリ穴の深さ以上の長さにカット。ザグリ穴の深さ以上であれあれば、長さは適当で大丈夫です。
木ネジを取り付けた穴に木工用ボンドを塗って、
先程のカットした丸棒を嵌め込みます。渋い(キツイ)場合は木槌でコンコンと軽く叩くと簡単に入ってくれるはず。逆に緩々の場合は木工用ボンドを多めに塗っておけば、隙間を固まったボンドが埋めてくれます。
このままボンドが硬化するのを待ちましょう。
ボンドの硬化が不完全だとその後の加工がうまくいきません。ボンドが透明になるまで待ちましょう。
ボンドが硬化したら、丸棒の飛び出している部分をノコギリでカットしていきます。
ノコギリはこのようにしなるタイプのものが使い勝手が良くて便利です。
しなることで丸棒の根元ギリギリを攻めることができます。また、ノコギリ刃の側面に余計な凹凸が無いので、木材に対して水平に刃を寝かすことができます。これが結構重要で、ノコギリ刃の背中に補強があるようなタイプだと刃を水平にすることができないので、いろいろと使い勝手が悪いのです。
綺麗にカットできました。
仕上げにサンダーでもっと綺麗になるように削ってあげます。
柔らかい木材ですので、手作業でも簡単に削ることができますよ。
もっと綺麗になりました。素人のDIYにはとても見えません(自画自賛!)。
まとめ
今回はネジの頭を隠す方法のご紹介でした。
ネジの頭を隠すと作品の完成度がグッと高くなりますので、是非ともお勧めしたい加工です。
使用する道具もドリル、下穴用のドリル、丸棒、木工用ボンド、ノコギリくらいで、特別なものは必要ありません。
加工自体も難しいものではないので、是非挑戦してみてはいかがでしょうか。