梅雨に入って雨の日も多いですが、晴れると随分暑くなる日が増えてきましたね。暑くなってくるとおもちゃ屋さんだけではなく、スーパーやホームセンター、ドラッグストアや100均などありとあらゆる小売店で見かけるようになるのが、水鉄砲。
いいですよね、水鉄砲。2歳くらいから大人までの幅広い年齢層で楽しめるし、季節感もたっぷり感じることができます。お値段も100円から1,000円ちょっとが主流みたいですから、アウトドアのおもちゃとしてはかなりリーズナブル。
わたしも水鉄砲が大好きでこれまで何回も購入しているんですが、今回奮発して購入した1,000円もする水鉄砲がまさかの不良品!
返品するのも面倒くさいし、かといって泣き寝入りは絶対嫌だし、なんとか自分で直してみましょう。
今回の作業
どんな作業? : 引き金式水鉄砲の修理
使うもの : 電動ドライバー、ボンド
必要な費用 : 0円 (家にあったボンドを使用)
肉体行使度 : ★☆☆☆☆(1)ネジの数が多いのはとても面倒臭いですが、体力的には超楽チン
言いたいこと : 加圧引き金式水鉄砲では撃てなくなるトラブルは結構メジャーなトラブル?意外と簡単に治せるよ!
新品なのに撃てない水鉄砲
こちらが問題の水鉄砲。子どもからの熱い要望に根負けして買ってしまった1,000円もする水鉄砲です。わたしの生活圏内での話ですが、結構いろんなお店で見かける製品ですね。ディスカウントストア(ドラッグストア)での購入です。
”ポンプアクションウォーターガン ファントム!”とかっちょよく書かれていますが、ちびっこは絶対読めないぞ!?
水鉄砲のメカニズムって主に3種類あって、1つ目がただ引き金を引くだけで引いた分だけ水が出る昔ながらのタイプ。2つ目が背中に水タンクを背負い、鉄砲部のスライドを操作することで発射するタイプ。これは昔ながらのタイプの強化版で、最近300円均一ショップなどでもよく見かけますね。そして3つ目が水鉄砲内の空気を圧縮して、引き金を引くとその圧力で水を発射するタイプ。今回購入したのは3つ目のタイプとなります。
1,000円というのは水鉄砲としてはやや高額な部類なんですが、子どもが喜ぶならいいかな~っと思って購入したわけなんです。しかしながら、ちょっと奮発したこちらの水鉄砲、なんとびっくり不良品でした。
不良の内容は、撃てない。なんだよ、致命的じゃん!
シュコシュコとスライド部を操作して内部の圧力を高めることはできるんだけど、そこから引き金を引いてもうんともすんともいわないんです。水が発射できない水鉄砲なんて、水鉄砲じゃない!
実はこの症状、以前ダイソーで500円で購入した同じタイプの水鉄砲でも遭遇したことがあるんですよね。その時はやっぱりダイソーはダメだな!って思ってゴミ箱に直行でしたが、こう連続で遭遇したするとなると、加圧引き金式タイプならではの問題といえるでしょう。
原因は内部ホースの変形
外側をいろいろ見た感じでは全く問題が無かったので、原因は内部の様子。そんなわけで、早速分解していきましょう。
安い製品ではパーツが接着されていて分解ができないことがよくありますが、こいつは発射口のキャップさえ外せば後はネジで簡単に分解することができます。簡単っていってもやたらと本数が多いので結構面倒なんですけどね。流石1,000円商品。リッチな造りなもんです。
で、内部構造はこんな感じ。
手動のポンプで給水タンク内に圧縮空気を送り、その圧力で水を発射するというシンプルな構造です。各部のホースは1系統しかないってことは、圧縮空気の経路と水の経路は共用なんですね。
圧縮空気により水タンク内の圧力が高まるわけですが、その圧力はこのように引き金部の突起でホースを潰すことで堰き止めているみたいです。引き金を引くとこの突起がホースから離れるので、内部の圧力が解放されて水が発射されるってわけ。こうやってみると簡単な構造だけど、なるほど!ってうならせられる構造です。
で、今回の不具合の原因は一発で分かりました。この引き金部分です。引き金の突起の圧力でホースがすっかり変形してしまい、引き金を引いて突起がホースから離れても、ホースが潰れたままになっているじゃないですか。内部の圧力をポンプで高めることができても、水が発射できないわけです。
ホースを新しくすればいいだけの話なんだけど、新品で買って1回も使っていないのにお金を掛けるのもアレなので、とりあえず潰れたホースの取り付ける向きをこれまでとは前後逆にして取り付けてみました。潰れた部分はそのまま残るけど、引き金の突起部分にはホースの別の場所が当たるようになります。
この作業により、潰れていた部分は引き金とは関係の無い場所に移動しました。もちろん潰れたままじゃ水が撃てないのは変わらないけど、幸いなことに手で丁寧に揉み解してやると水が通るようになりましたよ。
面倒臭い大量のネジを使って元通りに組み立てれば完成!それでは早速試射しましょう!
今度はポンプで加圧できない問題発生
撃てる!撃てるぞー!やっぱり原因はあのホースの潰れだったんだ!
・・・とご機嫌で試射しておりますと、
3回目くらいのポンプの加圧でいきなり内部から大量の水が漏れてきちゃいました。もちろんそれ以降はさっぱり撃てません。症状もさっきとは違い、ポンプによる加圧すらできない状態。
仕方が無いので、もう一度分解しましょう。ネジが多いので面倒臭い!
分解すると原因はまた一瞬で分かりました。ホースがね、抜けてますよね。
これはさっきホースの向きを変えるために抜き差しした部分なんだけど、元々ホースはやたらと頑丈に接着されていました。そして、わたしは特に接着せずにホースを差し込んでおきました。結構硬くてしっかり差し込めましたからね。でも、このようにホースが抜けてしまったわけです。
あらためて考えると当たり前のことなんですが、内部の圧力ってかなり高くなりますから、ホースの接続部分はガチガチに固定しておかないと水の圧力に耐えることなんてできません。
ボンドで接着し直したらちゃんと安定して撃てるようになりました。良かった、良かった。
今回ボンドはコニシのG17を使用。このボンドって使い方には少々コツがいるけど、接着力は強いし、万能だし、耐水性もあるからわたしは昔から愛用しております。
コニシ ボンドG17 50ml(箱) #13031 G1750
撃てない問題を起こさないようにする対策
というわけで、今回は夏のド定番おもちゃである水鉄砲の初期不良の修理作業でした。なんで新品なのにこんなことをしなきゃいけないんだ!という想いはありますが、お陰で内部の構造や修理方法が分かったので良しとしましょう。知人からも聞いたこともありますし、わたしが遭遇したのも2回目なので、ポンプ式の水鉄砲ではメジャーなトラブルなのかもしれません。
このタイプの水鉄砲は引き金の突起により内部のホースに強い圧力が常時掛かっていることが問題なんです。メーカーも当然それを分かっているようで、使用時以外は引き金を軽く引いた状態にしておけるようなストッパーを付属させている商品が多いですね。ところが、このストッパーの効きが悪かったり、はたまた付属していなかったり、お店でいろんなお客さんが触っているうちに外れていたり、様々な理由でホースが変形していることもあるようです。
え?このストッパー捨てちゃった?ちゃんと説明書き読んで!!
ストッパーをうっかり捨てちゃった人や、付属のストッパーだと効きが悪い場合は、代わりに使わない時は繰り返し使えるタイプのインシュロック(タイラップ)で引き金を軽く引いた状態にしておくというのはどうでしょう?付属のストッパーよりも積極的に引き金を引いた状態にできるので、内部ホースへ掛かる圧力は相当軽減できるはず。インシュロックは手軽に入手出来るから、子どもがうっかり無くしちゃっても大丈夫!
また、このタイプの水鉄砲は内部の圧力を高める為の気密性が命。なので給水タンクの蓋などには必ずパッキンが取り付けられているのですが、子どもはパッキンなんて知らないので当然すぐに無くします。無くすなという方が無理かもしれません。でも、これが無いと加圧できなくなり、撃てなくなるのです。そのようなトラブルを起こさないよう、水鉄砲を購入したらまずはこのパッキンもボンドでキャップに接着しておきましょう。パッキンが無くなっただけでゴミになるのは悲しいし、勿体ないですからね。