当blogを以前からご覧頂いている方ならご存知でしょうが、わたしにとって最大の天敵はコガネムシ。
ウッドデッキの下に巣を作るハチでも、しつこいアブラムシでも、どこからともなく現れるナメクジでもありません。そいつらは目視で発見出来るから、全っ然マシ。
コガネムシの幼虫は全く目視で確認出来ない地面の中から植物を食害するから、本当に厄介な存在なんです。
今回はそんな厄介なコガネムシの幼虫への対処方法について紹介しましょう。薬剤でイチコロ!…なんてことは全くありません。
コガネムシが湧いたら…
コガネムシの幼虫は植物の根っこを食べます。むっちゃ食べます。
そして、コガネムシの幼虫は湧く時は数匹じゃありません。大量に湧きます。
つまりこの2つのことが意味するのは、コガネムシが湧いたら植物の根っこは食い尽くされて枯れちゃうってこと。
こちらは根っこを食べられたイチゴ。
根っこがもう、ほとんどなーい!
葉っぱに軽く触れただけで、コロンと倒れてしまうほど。もちろん、こうなるともうこのイチゴは助かりません。
このように我が家のお庭では、これまで多くの植物が犠牲となってきました。
どうやら鉢植えの方が被害が深刻になるようで、樹木であるヒメリンゴですら根を食いつくされて枯れてしまうほど。
このように一度湧いたら植物の根っこを完全に食い尽くしてしまうコガネムシの幼虫。地中にいて見えない厄介な嫌な奴等ですが、なんとかして退治…せめて忌避対策くらいは出来ないものでしょうか?
やっぱり薬剤でしょ!?
お庭で農薬や殺虫剤を使用されることに抵抗感をお持ちの方は多いでしょう。
しかしながら、ハチやゴキブリ退治で専用の殺虫剤を使用すると一瞬で行動不能にさせることが出来るように、殺虫剤の威力は本当に凄まじいものがあります。
一度その威力を体感してしまうと、殺虫剤の無い生活なんて考えらんない!わたしのような虫嫌いは特にね。
ところが、コガネムシの成虫ならハチ用の殺虫剤で瞬殺出来ることは分かってるんだけど、コガネムシの幼虫に効果的な薬剤はなかなか見つかりません。成虫と違って幼虫は地中に居るから、直接殺虫剤を噴射出来ませんからね。
いろいろ探してようやく見つけたのがこれ。住友化学園芸社のオルトラン粒剤。ブドウの元気が無くなった時に使ったやつです。
コガネムシに効くようなタイプの薬剤は土に混ぜ込んで使用するものがほとんどで、植物を植えた後に使えるタイプってかなり少ないんですよね。
オルトラン粒剤にはGFとDXの2種類があって、そのどちらもコガネムシの幼虫は全然メインターゲットって感じじゃありません。
また、どちらかというとDXの方がコガネムシの幼虫に対して効果があると言われているらしいけど、GFの方にもこうやって一応名前は載ってます。
でも、これだけ控えめな記載だとなんだか本当に効くのか不安になってきますよね。そもそも敵は地中にいるんだから、効き目を確認することなんて出来ません。
あ、そうだ!
目についたのはこちらのプランター。根っこを食い荒されたイチゴが植えてあったものです。
そう、この中にはコガネムシの幼虫がウジャウジャいるはず!
ならば、この場所に薬剤をたっぷりまいて、後日掘り返せばその効果を確認できるんじゃね?ってわけ。
イチゴの犠牲のお陰で、憎っくきコガネムシの幼虫をやっつける実験が出来るのです。
さぁ、覚悟しやがれ!
※ この時点で、とても大きな勘違いをしています。
薬剤なんてもう信じない
薬剤をたっぷりと撒いて二週間程経過したコガネムシの幼虫入りプランター。
内部がどうなっているのか早速見てみましょう。
掘るまでもなく、土の上にはコガネムシの幼虫の死骸が横たわっています。幸先の良いスタートだなぁ。
ザックザック掘り進め…るまでもなく、2すくい目で第1コガネムシさんを発見!しかも、超元気!全然ダメじゃーん!!
そしてその後もコガネムシの幼虫は続々と見つかり、結局20〜30匹程の発見。写真は…グロ過ぎて載せれたもんじゃありません…
せっかくコガネムシを撲滅するナイスな企画になると思ってたのに、コガネムシパワーの前に一瞬で敗北です…。
ちなみに、実は同じような実験を別のプランターでも行ってて、そちらは薬剤散布して数ヶ月放置していました。お気に入りのヒメリンゴが食い尽くされたプランターです。
あぁ、コガネムシが憎い…
こちらはコガネムシへの恨みで過剰過ぎる量の薬剤を散布していました。薬剤の残留とかどうでもいいから、とにかく奴らを根絶やしにしたかったんです。恨みって、怖い。
こちらのプランターの内部からはコガネムシの幼虫は一匹たりとも発見されなかったんですが、それは勝利を意味することではありません。
どういうことかというと、その答えはやたらと転がっている茶色のビロビロ。
絶対コレ、嫌なヤツやん…
と思って嫌々調べると、どうやらこれはコガネムシの幼虫が蛹になる時に脱皮した時の皮の様子。うげー。うげー。
そして、その中身はさっぱり見当たらないということは…薬剤にも負けずに、せっせと成虫に成長して旅立って行かれたということです。く、食い逃げや~!!
というわけでこれらの結果から、コガネムシの幼虫に対して薬剤は無力であるということがよ~く分かりました。
なぜだ~!?
答えは簡単。それは、オルトラン粒剤はコガネムシの幼虫に直接作用するわけじゃなくて、オルトラン粒剤を吸収した植物を食べることで効果を発揮する仕組みだから。
だから、今回のように植物が残っていない場合は効果があるわけないんですよね。すっかり忘れてたー!
じゃあ、植物が残っていたらいいんだね?というと、そう簡単な問題でもありません。
この写真右側のイチゴ、左側のイチゴと比べると随分元気がありません。
この後掘り起こしてみると、既に根っこはコガネムシに食害されてほぼ残っていませんでした。
つまり、植物が元気ないな~、って気が付いてからオルトラン粒剤を散布したのではもう手遅れなのです。もう、薬剤を吸収する根が無いんです。
というわけで、オルトラン粒剤のような薬剤は発生したコガネムシの駆除ではなく、コガネムシが発生するであろう時期に予防的に散布するものと考えていた方が良いでしょう。
産卵させないことが重要
非常に悲しいことに人類の英知の結晶とも言える薬剤をもってしても、コガネムシの幼虫の発生に気が付いた後に撲滅させることは難しいということが分かりました。薬剤を媒介する根っこがもう既に無いんだもん!
ならば、大切なお庭の植物を守る為には、いかにコガネムシの幼虫を発生させないかということが重要となります。
オルトラン粒剤のような薬剤を予防的にバンバン撒くにもいいですが、コガネムシの成虫に産卵させないこともかなり効果的な方法となるでしょう。
コガネムシは土に産卵を行うから、土の表面を覆ってやれば大丈夫ってわけ。
しかしながら、表面の覆い方はかなりきっちりやらないとダメみたい。
なんせ、昨年イチゴとヒメリンゴを食害されたプランターは、きっちりバークチップでカバーしていたんですから。バークチップ以外にも、敷き藁でもしっかりと幼虫が湧いた実績があります。
おしゃれで見た目は良いけど、もう天然素材なんて信じない!!
その為、今年はしっかりとマルチでカバーしています。
見た目はアレだけど、あの気持ちの悪いコガネムシの幼虫が大量に湧くよりマシでしょ?
ちなみに、ある程度広さに余裕があるような場所にはこのようにバークチップを敷いてカバーしています。
あれ?バークチップなんてもう信じない!って言ってなかった?
いえいえ、ご心配なく。
一見するとバークチップですが、その下には鉢植え用のネットを一面に敷き詰めているのです。
これはもちろんコガネムシ対策が一番の狙いですが、傷みやすいバークチップを土の表面に直接接しないようにし、腐敗を防ぐという目的もあるんですよ。
コガネムシは非常に強力な害虫ですが、皆様も大切な植物を食い荒らされないよう、しっかりと対策を行ってくださいね。