Contents
DIYで家具やウッドデッキを作ろうとすると避けては通れないのが木材の切断作業。
木材を切断する道具と言えばノコギリが真っ先に思いつきますが、人力でギ〜コギ〜コとするノコギリ(手鋸)は作業効率が決して良いとは言えません。しんどいし、何よりも綺麗に仕上げるには高度な技術が必要です。そんなもの、DIYに挑戦する素人には無いよ!
-
DIYで使用するノコギリいろいろ。迷ったら『両刃ノコ』が間違いない!
Contents1 ノコギリってどんな道具?2 木工用の万能選手『両刃ノコ』3 すっかり主流の『替え刃式ノコギリ』4 金属切断に欠かせない『金切りノコ』5 細かい細工に欠かせない糸ノコとレーザーソー6 ...
そんな手鋸も細かい部分の仕上げ等では必要ですが、あくまでも補助的な道具。素人DIYにおいてもメインとなる切断工具は恐らく電動工具でしょう。
木材を切断する電動工具にはいろいろありますが、わたしは安全な卓上丸鋸を強くオススメしたいんです。特に、初心者にはむっちゃ強くオススメしたいんです。
本日はわたしが愛してやまない卓上丸鋸のご紹介です。
丸鋸は危ないよね
木材の切断に使用する電動工具として恐らく最もメジャーな道具と言えばおそらくこいつ、電動丸鋸でしょう。
金属製の刃物が高速回転するこいつは、全く使ったことが無い人でも一目であ、危なそう…と感じるでしょう。
実際この道具は非常に危険であり、つい先日の7月5日には消費者庁から注意喚起がなされています。なんでも、電動ノコギリで太ももを切ってしまったことによる痛ましい死亡事故が発生してしまったようです。
電動丸鋸は刃に抵抗が掛かると、キックバックという道具が暴れる現象が発生することがあります。なので、工具の直線上からは体を遠ざける、加工対象物はしっかりと固定する、加工時の感覚が重くなったら加工を止める…といったコツがあるんですが、そういうのは最初はなかなか分からないもの。
なので、わたしは特性や扱いのコツが分からない内は極力丸鋸は避け、代わりに卓上丸鋸を使用した方が良いんじゃないかと考えています。
卓上丸鋸ってこんな道具
卓上丸鋸というのはこういう見た目の道具。
”卓上”っていうのは電動工具ではよく使用される言葉で、読んで字の如く”作業台の上などに設置して使用する道具”のこと。
普通の丸鋸だと丸鋸本体を自由自在に動かすことが出来ますが(だからこそキックバックで飛んでくる)、卓上丸鋸では上下方向のごく限られた範囲でしか動かすことが出来ません。安全性が高い反面、加工の自由度が低いことがデメリットと言えるでしょう。
丸鋸部分はこのようにヒンジ状に固定されており、この部分を中心として基本は上下方向に動きます。
このヒンジ部分の更に根元部分は傾けることが可能なので、一応切断面に角度を付けたようなカットも出来ます。しかしながらこれまでいろいろと試した経験上、正確な寸法でのカットはかなり難しいように感じます。ピシッと角度と寸法を出したい時は、別の道具を使った方が良いでしょう。
切断を行いたい木材を置く台は回転できるようになっているので、垂直以外のカットも出来ます。切断面に角度をつけるカットとは違い、こちらはそこそこの精度を出すことが出来ます。ただし、構造上角度をつければつけるほど、切断出来る木材の幅は狭くなってしまいます。
卓上丸鋸のメリット
安全性
卓上丸鋸の最大のメリットは、丸鋸が固定されていることによる安全性。
多少無理矢理な切断をしたとしても、キックバック現象で丸鋸が飛んでくることはありません。DIYで最も優先するべきことは怪我をしないこと、怪我をさせないことなので、この安全性の高さは非常に重要なメリットです。
作業の速さ
作業できる木材の寸法に制限はあるものの、ハマれば無茶苦茶作業が速いのも卓上丸鋸の良いところ。
普通の丸鋸なら、
- 材料を置いて
- 丸鋸定規を位置決めして置いて
- 丸鋸を持って
- 切断
- 刃の回転が止まってから丸鋸を置く
という一連の流れですが、卓上丸鋸なら
- 材料を位置決めして置いて
- 丸鋸のスイッチを押しながら振り下げる
- スイッチを離しながらゆっくり上に上げる
だけで切断出来ます。
実際にやってみるとこうやって文章で書くよりも遥かに楽チン。
特に、同じような切断作業を繰り返す作業だと普通の丸鋸との作業負担の差は雲泥の差。具体的にはウッドデッキの床板とか、フェンスの横板の製作ですね。
丸鋸を持ち上げたり、置いたりする作業がないだけでこうも違うのかとびっくりしますよ。
加工精度の高さ
丸鋸部分が固定されていますから、手持ちよりも安定して作業することが出来ます。安定するってことは精度の高い切断加工が出来るってわけ。特に手持ちの丸鋸に不慣れな我々素人にはありがたいことです。
しかしながら、精度が高い作業をするには刃の調整をしっかり行う必要があることに注意しましょう。
どういうことかというと、
卓上丸ノコにはこのように刃の角度を示す目盛りがついてますが、これが知らない間にずれてたりします。結構、ズレます。
わたしが所有しているものはかなり安価な製品なこともあり、そもそもこの目盛りが結構適当だったりもします。つまり、全然当てになりません。
そこで、切断作業を行う前に一度どうでもいい木材をカットしてみて、
その切断面の精度が出ているかしっかり確認します。さしがねを使うと確実!
この工程がすっごい大切。ほんの僅かな刃の角度のズレであっても、いざ木材をカットしてみると意外と大きなズレになってしまうからです。造りのしっかりとした高価な卓上丸鋸であったとしても、知らないうちに刃の角度が変わっていることは十分あり得ますので、このような試し切りは必ず行いましょう。
卓上丸鋸のデメリット
木材の寸法制限
卓上丸鋸最大のデメリットがコレ。
刃についた安全カバーの存在、そして刃と加工台との隙間が決まっていることから、太い木材や幅の広い木材の切断は出来ません。
わたしが所有している卓上丸鋸の場合、2×4材なら楽々、1×6材ならギリギリ切断出来ますが、2×6となるともうかなり厳しい感じ。というか、正攻法では無理!
実際使ってみるとよく分かるんですが、この安全カバーがかなり邪魔します。安全カバーは刃を降ろすとともに少しづつ開いていく構造になっているので、刃をめいいっぱい持ち上げている時は刃の下側までカバーがやってくるんですよね。こいつのせいで木材を差し込むスペースが一層狭くなるんです。
あまりにカバーが邪魔だから、カバーを取り外したり、カバーを一部切断するような人もいるみたい。その気持ち分かる〜
わたしはとにかく安全第一主義なのでそこまではしないですが、もう少し加工出来る木材の種類が多ければ…とは正直思います。この欠点は刃の自由度がぐっと高くなったスライド丸鋸である程度解消できますが、価格がグッと跳ね上がることと、ずっしり重くなる点が悩ましいですね。
わたしの場合、2×6とか2×8は仕方が無いので丸鋸で切断しています。スライド丸鋸は高いしね。
もちろん、あまり気は進みません。
怖いし、精度を出すために手作りの治具をセットして切断するから、もう面倒臭くて面倒臭くて…
それ程切断する機会のある木材でもないので、自信の無い方はいっそホームセンターの切断サービスを利用するのもいいかも。
少し高価
普通の丸鋸と比較すると、やや高価です。丸鋸と比較すると構成する部品が多いことに加え、そもそも需要が少ないので商品数も多くありません。なのでこれは仕方がないことでしょう。
わたしはかなり安価なものを使用していますが、それでも同じ店舗で最も安価だった丸鋸の2倍程度の価格でした。
今となってはその程度の価格差は安全性や作業の速さから考えると十分メリットがあると感じていますが、使ったことのない人からするとその価格差を大きなデメリットに感じられる人もおられるでしょう。
まとめ
というわけで、今回はわたしが愛してやまない卓上丸鋸のご紹介をさせて頂きました。
卓上丸鋸は少し高価ですが、安全性の高さというプライスレスな価値があります。また、比較的幅の狭い木材をひたすら垂直にカットする作業が続く、例えばウッドデッキ製作やウッドフェンス製作では間違いなく大活躍してくれるでしょう。むしろ通常の丸鋸の出番はそういった場面ではかなり少ないものです。
おススメの度合いは作業者の経験値や製作物によって変わるとは思いますが、安全な作業の為にも特にDIY初心者には強くおススメしたい道具です。是非お一ついかがでしょうか?
わたしは新興製作所のSTC-190という製品を使用しています。とにかく安価なので購入しやすいのがポイント。値段相応の安っぽい造りですが、それにより片手で楽々持てる位軽量である点も大きな利点ですね。