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皆様は高圧洗浄機ってお持ちでしょうか?
ここ数年のことかな…いつの間にやら高圧洗浄機ってもうすっかり身近な家電の一つになりつつありますよね。この間もアウトレットモールにお買い物にいったら、有名アパレルショップに交じってケルヒャーのお店が出店していてとても驚いたものです。アウトレットモールでケルヒャー買う人っているのかな?って気もしますが、もしかすると認知度アップの為の出店かもしれませんね。
ところで、わたしは高圧洗浄機がこれほど身近な存在になる随分前から、お仕事で業務用(200V)の高圧洗浄機を使う機会が多々ありました。こんなの家にあったら便利だろうなぁーなんて長年ぼんやりと思い続けていたものの、実際に購入するとなるとなかなか手を出すことができませんでした。ご家庭用でも結構いいお値段しますからねー。
ところが、ネットショッピングを繰り返すうちに知らず知らずに溜まった楽天ポイントのお陰で、今年の夏についに我が家にも念願の高圧洗浄機がやってきたのです!ありがとう、楽天経済圏!
そんなわけで、本日はわたしが購入したケルヒャーの『K3 サイレントベランダ』について、半年間がっつり使い倒して感じたことを紹介します。お勧めできるか!?と聞かれると、これは手放しでお勧め出来るってほどのものでは無いかなぁ、っていうのが素直な意見です。
今回紹介するアイテム
商品名:K3 サイレントベランダ
メーカー:ケルヒャー
購入価格:23,750円(税込)
結論:便利なのは間違いないけど、費用対効果があるかは用途によって全く異なります。コンクリートやレンガが多いご家庭ならおススメできそう。
ケルヒャーのK3 サイレントベランダ買いました
というわけで、こちらが今回(といっても半年前だけど)わたしが購入しましたケルヒャーの『K3 サイレントベランダ』です。
最近ではいろんなメーカーから高圧洗浄機が発売されていますが、わたしがお仕事で長年ケルヒャーの業務用タイプを使い続けてきたことから、家庭用もケルヒャー一択。業務用と家庭用は違うかもしれないけど、少なくてもお仕事で使っている業務用のケルヒャーの製品は本当に丈夫で、信頼性抜群なのです。ノーメンテで10年間稼働し続けていますが、全く壊れないんだもん。すごいよ、ケルヒャー。
ケルヒャーの家庭用高圧洗浄機って結構種類が多くて、ぶっちゃけ今でもあまりラインナップについてはよく理解していません。お値段的に多分このK3はミドルスペック的な商品だと思うんですけどね。とりあえず住宅街で使うものですから、騒音トラブルにならないように静音タイプを選びました。ケルヒャーで、静音タイプ。たったそれだけで選んだのが、このK3 サイレントベランダだったのです。今考えるとK2 サイレントでも良かったかもしれませんね。静かなのはとても重要です。
なお、購入する際は西日本仕様と東日本仕様があるので注意!
K3にはK3 サイレントとK3 サイレントベランダの2種類があるんですが、購入するならわたしが購入したK3 サイレントベランダを激しくおススメします。
両者の違いはベランダキットと呼ばれるデッキクリーナーPS20(ブラシ)と自吸用ホースの2つが付属するかどうかなんですが、K3 サイレントとK3 サイレントベランダの実売価格差がせいぜい2,000~3,000円程度なので、実質自吸用ホース分のお値段でデッキクリーナーPS20がおまけでついてくる感じのコスパの良さ。そしてこのデッキクリーナーが、とてもよいんです。そこらへんの詳しくはまた後ほど。
プラスチック全開なので高級感とかは全くありませんし、ケルヒャー感全開のこの鮮やかなイエローは多くの日本人の感性にはおそらく刺さらないでしょう。
しかしながら見た目は置いといたとして、このプラスチックがとても丈夫なんですよね。硬いのに柔軟性もあるので、激しくぶつけたり手荒に扱ってもそうそう割れることはありません。ただ、樹脂であることには変わりないので、長期間屋外で放ったらかしにしていると紫外線で樹脂が劣化してしまうかも。できれば直射日光が当たらない場所で保管した方がいいかもしれませんね。
K3 サイレントベランダの組み立て
初めて使う時は少しばかりの組み立てを行う必要があります。とはいっても工具は必要ないですし、説明書通りにやれば誰でも簡単にできる作業ですよ。
まずは洗浄ガン(トリガーガン)を差し込むホルダーを取り付けて、
持ち手を差し込みます。
この持ち手、一回取り付けてしまうと二度と外せないみたいです。わたしの場合は別にこれを取り外す必要はないからいいんだけど、収納性を考えたらこの持ち手は外せるようにするか、もしくはキャリーバッグのように伸縮式の方が絶対いいですよね。取り外せないってわざわざ説明書に書いてあるってことは、もしかするとそういった問い合わせが多いのかも。移動のさせやすさよりも収納時のコンパクトさを優先したい人は、この持ち手を取り付けない方がいいでしょう。
高圧ホースをトリガーガンと、
本体とに接続。
本体側の脱着はワンタッチでとても簡単なんだけど、トリガーガン側の脱着はとても硬く、結局我が家ではずっとホースが刺さりっぱなしになっています。また、高圧ホースは細さの割にかなりしっかりとした物性なので、ねじれがあったりすると簡単には直らないので結構鬱陶しい感じ。メーカーもオプションでねじれ防止パーツを出しているくらいなので、気になる人はそういうパーツを取り付けた方がいいでしょう。
トリガーガンと高圧ホースの脱着は簡単ではないけど、トリガーガンの先端ノズルはめっちゃ簡単に交換できます。
K3 サイレントベランダではこの3本の先端ノズルが付属するんだけど、一番上のデッキクリーナーPS20はブラシ部分を取り外せば他の先端パーツの延長パーツとしても使えるので、かなり使い勝手が良いんです。高圧洗浄機ってどうしても噴射水が跳ね返ってくるので、洗浄箇所からより離れることができる延長パイプは必須のパーツなんだなぁってわたしは思っています。
真ん中は噴射の勢いを調整することができる広角ノズルで、一番下は調整できないサイクロンノズル。広角ノズルの圧力でとくに不便さは感じていないので、サイクロンノズルは最初に一回試したきり、その後は全く使っていません。
最後に給水ホースを取り付けたら完成です。
給水ホースは一般的な水道コネクターでの接続となりますので、ごく普通のホースリールとも簡単に接続することができます。説明書では”耐圧ホースを使ってね”って書いてあるんですが、高圧洗浄機といえども給水部分には極端な圧力が掛かるわけではないので、普通の園芸ホースで十分ですよ。
K3 サイレントベランダを使ってみた
音は思っていた以上に静か
わたしが高圧洗浄機で一番気にしていたのが、作動音の大きさ。高圧洗浄機の多くってブーンっていう結構大きな音がするので、ご近所さんに迷惑が掛からないか気にしいのわたしにはとても重要な問題です。だから今回もわざわざ静音モデルを選んだんですから。
ただ、この点については全くの杞憂でした。
サイレントっていうだけあって、むっちゃ静か。そりゃ多少のブーンって音はするけど、それよりも水の噴射音の方が気になるくらいです。インパクトドライバーとか丸ノコの音とは比べ物にならないくらいの小ささですね。これでご近所トラブルになるなら、絶対他のことでご近所トラブルになるでしょってくらいの音量です。
水の使用量は意外と少ない
作動音とならんでわたしが購入前に心配していたのが、水道代がすごく掛かるんじゃないの?っていう点。
カタログスペックでは使用水量は最大360L/hって書いてあるけど、一般的な散水用シャワーノズルがどの程度の水量なのか分からないもんだから、この360L/hが多いのか少ないのかすら分かりません。高圧洗浄機を使い始めたら水道代爆上がり・・・っていうのは困る!
ちなみに、先程わたしはK3 サイレントではベランダキットがついてくるK3 サイレントベランダの方がコスパが良いって紹介しましたが、わたしが今回このサイレントベランダを選んだ理由はコスパよりも自吸用ホースが欲しかったからなんです。
この高圧洗浄機を購入したのは真夏の時期でしたから、自吸用ホースを使って、子供が使用したプールの水を有効活用したかったのです。
そしてその目的なんですが、プールの残り水を使ってお家をピカピカに!…というわけではなく、実はわたしはこの高圧洗浄機を芝生の水遣りに使いたかったんですよね。それまではプールの水をバケツで汲んでお庭の植物の水遣りに使っていましたが、これがはっきりいって重労働なので、その代わりに自吸用ホースと高圧洗浄機を使ったら楽できるんじゃね?という怠け者の考えだったわけです。
ところがまぁ、これは大失敗。
どうやら高圧洗浄機の使用水量って一般的な散水用シャワーノズルやホースと比べると全然少なくて、とてもじゃないけど水遣りなんかには使えません。プールの残り水が、まじで減らないんだもん。
というわけで、高圧洗浄機を使いまくったからといって水道代が爆上がりってことはなさそう。むしろシャワーノズルよりも明らかに節水できるので、水道代は安上がりになるかもしれません。
漆喰の壁の汚れに使ってみたらこうなった
作動音はかなり静か。そして水の消費量もかなり少なそう。となると、気になるのが洗浄能力。たとえ静かで水の消費も少なかろうが、洗浄能力まで低ければなんの意味もありませんからね。
というわけで最初に試してみたのがこの漆喰の壁。正確には門柱なんですが、屋外で漆喰を使うとどうしてもこういう黒ずみが増えていくんですよね。しかも厄介なことにブラシなんかで擦ってもちっとも白くなってくれません。漆喰の表面は複雑に凸凹していますから、ブラシの毛がうまく凹みに入らないんでしょうね。
そんな黒ずみですが、高圧洗浄機でバーッと水を噴射すると、ご覧のあり様!これはまるで、CMの、まさにそのとおりじゃないか!ここまではっきり汚れが落ちてくれるととても気持ちがよいです。ちょっと感動しました。
使用しているノズルは水量調整式の広角ノズル。勢いは最も強くしています。いろいろ試してみましたが、水量は最も強くする以外はあまり役に立ちませんね。最も強くし、そして出来る限り清掃箇所にノズルを近付けるのが洗浄力を最大限活かすコツです。
カーポートの黒ずみに使ってみたらこうなった
漆喰の門柱で気をよくしたわたしが次の試したのが、こちらのカーポートの屋根の側面。
この場所も前々からかなり気になっていたんですが、雨が当たって藻が生えるんですよね。漆喰の門柱と違ってブラシでゴシゴシすれば綺麗に落とすことはできるんですが、こういう高い場所はブラシでゴシゴシすると汚れを含んだ水が盛大に自分に降りかかってくるのであまり気が進みません。
しかしながら、高圧洗浄機なら遠く離れた場所から掃除できるので、汚れた水を浴びなくて済むってわけ!
当然高圧洗浄機は強い勢いで水を噴射するので盛大に水が跳ね返ってくるんですが、それを浴びないようにする為には洗浄ノズルに延長キットを取り付ける必要があります。延長キットは普通はオプションなんですが、サイレントベランダに付属するデッキクリーナーを分解することで延長キット代わりになるので、そういう点でもK3 サイレントよりもK3 サイレントベランダの方が使い勝手が良いってわけです。
洗い出しのアプローチで使ってみたらこうなった
こちらは洗い出しのアプローチ。洗い出しっていうのは小石を混ぜたコンクリートで、硬化しきる前に表面のコンクリートを水で洗い流して小石を浮き立たせたもの。コンクリートってどうしても無機質な感じになりがちですが、洗い出しはその無機質さをかなり緩和してくれるように感じます。施工費用も比較的安価だし、わたしは結構好きなんですよ。洗い出し。
そんな洗い出しで作られたアプローチなんですが、施工から8年もの年月が経ち、このように黒ずみまくってしまいました。漆喰製の門柱同様、表面の凸凹が激しいのでブラシで擦ってもなかなか綺麗になりません。
そこで高圧洗浄機でブシャーっと洗浄しますと、やはり漆喰製の門柱と同様に感動するくらい綺麗になるじゃないですか。
…と、ここまでなら高圧洗浄機ってまじすげーって感じ記事になりそうな雰囲気なんですが、この洗い出しのアプローチの洗浄でちょっと気になる部分が出てしまいました。
それがこのムラ。
洗浄面の広い広角ノズルと使ったとしても、高圧洗浄機の洗浄範囲はかなり狭いので、細かくノズルを動かしたつもりでもこのように洗浄ムラが起こりやすいのです。言うなれば洗浄ノズルは鉛筆やペンのようなもので、広い面積を均一に仕上げるのは苦手なようです。
広い面積を均一に色を塗るにはローラーや刷毛が有効なように、高圧洗浄機においては洗浄ガンよりもこのデッキクリーナーが有効です。デッキクリーナーっていうのは、要は高圧洗浄機ノズルが内蔵されたブラシです。
このブラシに内蔵されている噴射部は広角ノズルよりも更に広角に水が噴射されるようになっており、ブラシでゴシゴシしなくても均一に広い面積を綺麗にすることができるようになっています。ただしデメリットもあって、噴射する水の範囲が広範囲になった分、水の噴射圧は弱くなり、それにより洗浄能力は低下しているはず。もしこれで落ちない頑固な汚れがあった場合は、通常の洗浄ノズルに切り替えましょう。
デッキクリーナーは汚れが飛び散らなくてよい
そうそう、このデッキクリーナーでわたしがいいなぁって感じた点があって、それは洗浄水の飛び散りがほぼゼロなこと。
高圧洗浄機って所詮は高圧で水を噴射しているだけなんで、通常の洗浄ノズルでは洗浄水と共に汚れが別の場所に飛び散るだけなんですよね。こびりついた汚れを落とすことはできても、その汚れが無くなるわけではありません。別の場所が汚れるだけ。画像は地面を掃除した際の汚れが階段の側面に付着している様子です。
なので高圧洗浄機を使った後は散水ノズルなんかで周囲を洗い流す必要があるんですが、一方でデッキクリーナーは噴射部がブラシで覆われている為、洗浄水と汚れが周囲に飛び散りません。平坦な場所じゃないと使えないというデメリットはありますが、これはかなりいいなぁって思います。
高圧洗浄機って意味あんの?って感じる場所もちらほら
ここまでのご紹介から、高圧洗浄機は凸凹面の洗浄ではかなり高い洗浄能力があることはお分かり頂けたと思いますが、半年間使ってみて感じたのは、高圧洗浄機の洗浄力自体はイマイチだってこと。
どういうことかというと、単純な汚れの除去能力は人の手でブラシやスポンジで擦る方が高いってことです。
例えば、薄い色系の車でよく見られる黒い線状の汚れ(雨水なんかの汚れ?)なんですが、こういうのは高圧洗浄機では落ちません。水量を最強にして、ノズル先端を車に当たるか当たらないかってところまで近付けてもこういう汚れは落ちないんです。
でも、洗剤を付けたスポンジなら簡単に落とせるっていう…。
高圧洗浄機といえば洗車っているイメージをお持ちの方もおられるでしょうが、洗車場にあるような業務用のゴツイやつはともかくとして、家庭用の高圧洗浄機は必ずしも洗車に向いているとはいえないようです。直接手を濡らさなくていいというメリットはありますが、綺麗にしたいなら手で擦った方が確実です。
また、カーポートの内側の骨組みに付着したこのような黒い汚れ。たぶんホコリか何かが湿気で付着したようなもんだと思いますが、
これも高圧洗浄機では全然落ちません。カーポートの側面についたコケはいとも簡単に洗浄できましたが、どうやら水垢のような頑固な汚れの前では効果は薄いようです。これも人間の手でブラシでゴシゴシすれば落とすことができましたので、このことからも高圧洗浄機は人間の手よりも洗浄力はかなり低いことが分かります。
まとめ。高圧洗浄機はこういう用途だとメリットありそう
というわけで、長い記事になってしまいましたが、ケルヒャーの『K3 サイレントベランダ』、ひいては家庭用高圧洗浄機のご紹介でした。
高圧洗浄機って水の力でどんな頑固な汚れも簡単に落とすことができるってイメージがありましたが、半年間使って分かったのは決してそんなことはないってこと。水の噴射による洗浄能力よりも人間の手の力の方がずっと洗浄能力があるので、用途によってはガッカリする人もおられるかもしれませんね。
一方で、表面に細かい凹凸があり、ブラシでは十分な洗浄効果を得られないような場所、具体的にはコンクリートやレンガ、漆喰の表面では抜群の洗浄能力を示してくれます。フェンスのような入り組んだ形状の場所にも強いですね。家にこのような箇所が多い場合は、2~3万円の費用を掛けて高圧洗浄機を購入するメリットは十分ありそうです。逆に、そのような箇所のないマンションなどにお住いの場合は、それほどのメリットはない気がします。
そうなると、この”ベランダ”という名前のついたK3 サイレントベランダは一体誰向けの商品なんだろう?って気がしますが、その名前は置いといたとしても、この製品はコスパが高くてよいと思います。ベランダキットも、自吸用ホースも使い勝手良いので、持っていて損はありませんからね。
もう早くも今年も年末。年末のお掃除をきっかけに、高圧洗浄機デビューを検討してみてはいかがでしょうか?