家庭菜園

安さに挑戦!安価なACQ防腐木材を使ったレイズベッドのDIY製作方法


当ブログでたくさんの人に見ていただいている記事のひとつが、レイズドベッドの製作記事。わたしと同じくその雰囲気が好きなのか、それとも機能的な部分に魅力を感じているのかはわかんないけど、みなさんレイズドベッドに興味津々。

そんな我が家のレイズドベッドは主に菜園スペースとして活用しているんだけど、ここ数年ずーっと増設したいなと思っていたんです。これまでのスペースはトマトを三株植えたら埋まってしまう程度の小さなもの。必然的に我が家の家庭菜園はプランターと併用することになるんだけど、プランターは作物を大きく育てるのに限界があるし、水の管理も大変なのです。

そんなわけで数年間したいと思っていた菜園スペースの拡張だけど、5月の大型連休でなんとか時間も作ることができたので、DIYでレイズドベッドの増設をおこっていきましょう。

今回の作業

どんな作業? : ACQ防腐木材とアゼ板を使った安価なレイズドベッド製作

使うもの : ACQ防腐木材、アゼ板、コンクリートブロック、サイプレス(一部) など

必要な費用 : 8,000円程度 (工具代別)

肉体行使度 : ★★☆☆☆(2)少し手間はかかるけど、そんなにしんどいわけではない

言いたいこと : ACQ防腐木材が菜園スペースでどれだけ耐久性があるのかは、今後時間をかけて確認予定!

 

テーマは機能を損ねず安さに挑戦

以前作ったレイズベッドは、正直そこそこ費用がかかっていました。

基礎はレンガだし、なによりも木材はハードウッドのサイプレス。当時はサイプレスは比較的安価に入手することができたけど、最近の輸入木材の価格はほんっとうに高いですからねー。たかたが菜園スペースにそこまで費用はかけられません。

最も安く仕上げるのであれば野地板などの杉の荒材で枠を組んでそのなかに土を入れるだけでもいいんだけど、それだと絶対に腐ります。それが1年なのか5年なのかはわからないけど、お庭で木材を腐らせるのはちょっと考えもの。シロアリが湧いたら目も当てらんない。

こうやって安価なソフトウッドで囲むだけでもレイズドベッドはできるけど、長年使うつもりならちょっと考えもの。

土と木材が接すると、間違いなく経年変化で木材は朽果てます。

今回は5年程度で作り変えることは想定しつつも、少なくともシロアリが湧いたり崩壊するほど腐らない程度の耐久性があり、かつできるだけ安価に製作することをテーマにして材料と構造を考えました。欲張り!

 

材料

安さと耐久性を考えて選んだのがこれらの材料だ!デデーン

 

コンクリートブロック

基礎にはとにかく安価なコンクリートブロックを使用。コンクリートブロックの安さって意味不明ですよね。どう考えても加工前の材料であるコンクリート原料(25kg袋で700円程度) よりも安いんですから。コンクリートブロックは1個10kgくらいみたいなので、3倍くらいお値段が違います。コンクリートブロックの方が加工賃が掛かっているはずなのに。

 

ACQ防腐木材(ワンバイ材)

木材は水分が苦手だから本来は菜園スペースには全く向かない素材。それでも木材を使いたい場合は耐久性の高いハードウッドを選ぶのが鉄則なんだけど、今回は「安く」がテーマなので代わりにACQ防腐木材を選びました。

 

ACQ防腐木材の断面。わかりにくいけど緑色っぽい部分が注入された薬剤です。

ACQ防腐木材はお安い輸入木材の代表格であるSPF材にACQという防腐・防蟻薬剤を注入した木材。そこそこ安価(1×4の6フィートで800円くらい)でそこそこ耐久性があるとはされていますが、菜園スペースでどの程度もつのか実験も兼ねて使用します。

 

アゼ板

以前製作したレイズドベッド同様、耐久性向上の肝となる材料。土と木材を物理的に遮断するための必需品。畔(アゼ・田んぼと田んぼの間をしきる盛り土の部分)が崩れないように補強するための資材で、プラスチック製の波板です。元々がそういう用途だから、水をシャットアウトすることができて耐久力も抜群!

 

塗料

防腐処理されたACQ防腐木材だけど、少しでも耐久性を向上させるため今回もちゃんと塗装します。これまでいろいろ作ってきましたが、屋外で使うなら塗装と塗装のメンテナンスは絶対やった方がいい。費用も労力もかかりますけど。

塗装は塗膜を作るタイプはてんでダメやと思ってます。多少傷がついても塗装の効果で低下しにくい浸透性塗料が無難でしょう。木材の雰囲気も活かすことがでるからね。

 

作り方

作り方は至ってシンプル。コンクリートブロックで基礎を作って、その上に波板と木材で囲いを作るだけ

シンプルなんだけど、作業自体は大変なのが屋外のDIY。こちらが今回の施工場所なんだけど、芝生ゾーンから伸びてきた芝生がびっしりと生えています。もちろんこんな状態ではなにも設置できません。

 

なのでまずは芝生の除去から。芝生はランナー(地下茎)が複雑に絡まりまくって完全にマット状になっていますから、その区間を切り取るようにして除去します。こういうガーデニング用ナイフがあるとめっちゃ楽なんだけど、ない場合はスコップを刺すようにして少しづつ切り取っていきます。

 

芝生は横方向のつながりは強固なんだけど、下方向に関しては地表のごく浅い部分にしか根っこを張りません。だから切り取りさえできれば撤去は簡単。べりべりと剥がせます。

 

ある程度地面を平らに押し固めたら、水平を気にしながらコンクリートブロックを並べていきます。重量物を乗せるわけじゃないから、その下の地面に捨てコンを打ったり、砕石層を作る必要なんかもありません。ただ、地面の上に並べるだけ。

 

コンクリートブロックの間にはモルタルを流し込んで並べたコンクリートブロックがずれないようにはしますけれども。

また、コンクリートブロックにはレイズドベッドの木材部分を固定するためのアンカーボルトを設置していますが、これもコストを抑えるためにちゃんとしたアンカーボルトではなく、ただの寸切りボルトで代用。SUS製のL字型アンカーボルトって結構いいお値段するんですよね。

 

レイズベッドの木材部分はコンクリートブロックの基礎への現物合わせで寸法を決め、組み立ていきます。木材の塗装はもちろん組み立て前に終わらせておきましょう。

 

側面部分が組み上がったら、その内側に木材の腐食を防ぐためのアゼ板を仕込んでいきます。木材と土が直接接するとマッハで木材は腐食するもんだから、木材は本来レイズドベッドにはまったく不向きな素材。それでも雰囲気重視で木材を使いたい場合、この土と木材を完全に隔ててくれるアゼ板がとても重要となってくるのです。

 

木材の腐敗を防ぐために重要なのはいかに乾燥状態を保つかということ。たとえ木材が濡れたとしても、さっさと乾かすことができれば腐食はそこまで早くは進行しません。だから通気性を確保するためにアゼ板と木材はあまりぴったりと密着させない方がいいんだけど、かといって隙間が多いと虫類の住処になってしまうのです。我が家の場合、大きい隙間にアシナガバチに巣を作られたこともあったんだから!

今回はアゼ板の波形状を適度に活かすくらいの感じで、アゼ板を木材に固定していきます。固定にはステンレス製の小ねじを使用。

 

一番上の部分は以前のレイズドベッド同様、農作業時に物置として使えるように幅広形状に。この部分は一番痛みやすいので、特別にサイプレスを使用。長年屋外で使用していた古材の再利用ではあるけれども。

 

すでに塗装済みなんだけど、新しく作った部分と比べると明らかに塗装が劣化しているもんだから、傷んでる表側のみ再塗装。サイプレスは経年劣化でささくれや割れが発生しがちで放っておくと結構危険。そのような様子が見られる場合は、塗装前に荒めの紙やすりでガーッと表面を削ってやりましょう。

そして再塗装。サイプレスは密度の高い木材なので塗装が必須な木材ではないんだけど、やっぱり塗装をした方が耐久性が高いような気がします。効果はそこまで長続きしないけど、塗りたては撥水効果もすごいしね!

 

完成

というわけで、(こうやって記事にすると)パパっと完成した(ように見える)我が家のレイズドベッド。格安版。

材料は8,000円程度。製作期間は少しづつ作業を進めたのでなんとも言えないところですが、ぎゅっとまとめるとたぶん1日半程度といったところでしょうか。

比較的安価なACQ防腐木材を使用しているのですが、塗装して組み立てると意外と他の木材との見分けはつかないんだなーということに気が付きました。とはいうものの、計画段階から見た目は全く懸念点として考えておらず、気にしていたのは耐久性ただ一点だけ。このACQ防腐木材で作ったレイズドベッドが果たしてどの程度の期間よい状態を保つことができるのか、今後じっくり確認していきたいと思います。

-家庭菜園
-